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最弱魔王と最強の杖  作者: 絶兎
13/15

ダンジョンクリアそして新たなる眷属

 俺たちは最奥の部屋で、休憩していた。


「なあ、ボスは倒したけど、この後はどうすればいいんだ?」


 俺たちはダンジョンボスを倒したが、どうすればいいかまでは知らない。


「ダンジョンはボスを倒した後、どこかにある大きなクリスタルを触ればいいって聞いた。」


「じゃあ、探そう。この部屋にはなさそうだが、どこかに扉があるかもしれない。」


「わかった。手分けして探そう。」


 俺とリムは中央にのこって、どこかにないか見渡す。


 ほかのメンバーは2、3人で部屋の壁付近まで行って松明で探す。


 10分くらい探したが、どこにもない。


「おい、ここ空洞のような音がするぞ。」


 一人が叫んだ。


 俺とリムはそこに行く。


「ちょっとどいてろ。」


 俺は少し力を入れて押してみる。開かない。

 手を付けたところの苔がはがれた。

 その後ろには魔法陣のようなものが刻まれていた。


「ん?これは・・・?」


 俺はその周囲をよく見る。


 ところどころ赤く染まっている苔がある。

 枯れているわけではなさそうだ。


 苔をはがして、自分の爪で手を切り、血を垂らす。


 紋章が光だし、壁が二つに分かれた。


「おお、開いたぞ。進もう。」


 俺たちは奥へ進んだ。中へ入り、後ろを振り返る。開いていた扉が消えていた。

 紋章もない。


「おい、出口が消えたぞ?どうなってる?」


「あわてるな。ボスは倒した。帰り道はあるはずだ。」


 俺たちは先に進む。


 先には木の根っこに絡まった大きなクリスタルがあった。


「これが・・・飛行ゲフン。バ【ピー】ス!」


 壊れない。


 後ろからは何言ってんだこいつみたいな感じな目線が飛んできて痛い。


 俺は何事もなかったかのように、クリスタルに触る。何も起きない。

 ほかの冒険者たちも同様のようだ。


「壊してしまうか?」


「待って、リムに触ってもらおう。勘が騒いでる。」


 そういい、リムが水晶に触る。


 〈魔王を検知しました。これよりダンジョン権限が移行されます。〉


 リムが触った途端アナウンスされた。


「な、なんだ?これは。」


「職業の魔王が何か関係してるのか?」


「リムは確か魔王だったよな。弱いけど。」


「リムって、弱いけど耐久だけあるよね。」


「おいこら、リムの悪口は許さねえぞ。リム、どうだ?魔物は止められるか?」


「うん。止められる。止められるどころがなんか、DP?を使って部屋の形まで自由に変えられるみたい。」


「すごいな。じゃあ、このダンジョンはリムのものになったってことか。とりあえず、魔物止めて、街に帰ろう。」


「わかった。部屋の出入り口はあのままでいいよね?なんか取扱説明書みたいなのが頭の中に出てきて、この水晶が壊れるとだめになるみたい。隠しといたほうがいいと思うの。」


「わかった。じゃあ、さっきの部屋に宝箱だけ置いておこう。中身は空でいい。」


「あい、疲れた。ヴァン、おんぶして。この魔法陣から外に出れるみたい。」


 俺たちはその魔法陣に乗り、さっきのボス部屋まで来た。

 そこからは残った魔物は立ち向かって来ないで、すぐ外に出れた。


 俺が杖になり、空を飛び、念力でリムの体を支えながら街へ帰った。


「リムー、ついたぞー。」


「ん、後5分・・・スヤァ。」


「ここギルドだから起きてくれー。」


「ん、スヤァ。」


 だめだこりゃと、おれはリムを背負う。


 そのままギルドマスターの部屋に呼ばれた。


「ふっふっふ。私の見込んだ通りでしたね。」


「まあ、やることやったし、報酬は受け取りますよ。」


「あぁ。それのことだが、リム君はダンジョンを手に入れたと報告があった。札束はそのダンジョンの水晶の値段だったのだがね、その分引かせてもらうがいいかい?」


「まあ、いいですよ。それにあそこまでの札束渡されても困りますし。」


「後でステイタスを更新するといい。死闘を乗り越えてきたようだからね。」


 ベネットは、ソファーで横になっているリムを見ながら言った。


「彼女はもっと強くならないといけなさそうだね。いい案があればいいけど。」


「まあ、そうですね。俺がいないとただ固いだけの少女ですから。今日はこの辺でお暇します。」


「ああ、お疲れ様、また何かあったら頼むかもしれないがよろしく頼む。」


 そういい、俺たちはギルドを後にして宿屋に行った。


 渡された金額は減額されても、小さな一軒家なら買える値段だ。

 しかし家を買う気は今のところない。


 なぜなら、これからダンジョンという面白そうな住処を見つけたからだ。


 これからが楽しみになってくるぜ。


 次の日。



「リムー、そろそろ起きろー。」


「ん。」


「お、珍しく起きてる。」


 そこには珍しくベットに座っているリムがいた。


「どうした?」


「んー、ダンジョンが気になって。」


 なるほど。俺も気になっていたが、リムも気になったか。


「じゃあ、ダンジョン行ってみるか?」


「うん!いってみよ!」


「ちょっとまったぁぁ!私のこと忘れてない?魔王様!」


 窓からルルが入ってきた。ここは2階だが、どこから湧いたのだろうか。


「わすれてたごめん。」


「ひどーい!もう!」


 ルルはエルダードワーフだ。街に残って治療していた。


「私だって戦えるんですからね!少しだけだけど・・・。」


「そうだ、そういえば人生を変えたいといっていたな・・・?正式な魔王の配下になるか?」


「え?正式じゃなかったの?」


「ああ。正式になると力も増えるし、いいことが多い。はずだ。」


「どんなことをするの?」


「血をもらう。」


「それって・・・私がヴァンパイアになるの?」


「そういうことだな。」


 ルルは少し考えた。



「私変になったりしないよね?」


「わからん。でもほとんど原型のはずだ。」


「うぅ、怖いけどなってみたい・・・。お願いします!」


「リム、ルルの首から吸血スキルを使え。」


「わかった。」


 そういうとリムはルルの首に牙を立てた。


 こっちから見るとロリ美少女が首にキスしていて、されているほうが頬を染めているので、とてもエロい。


「んっ、はぁっ!」


 そんなことを考えていると、リムが首から離れた。


「ゲプッ。終わったよ。」


「はあはあ、終わりました・・・?」


「ギルドカードを見てみてくれ。そして見せてくれ。」


「はい。ええっと。」


 ルルは服の内ポケットからカードを取り出した。


「わっ、スキルが増えている!種族も変わってる!ホラ!」


 -ステイタス-

 レベル2

 ルル・サウニール

 エルダードワーフ・ヴァンプ 職業・錬金術師

 体力 A

 魔力 C+

 敏捷 D

 器用 A+

 防御 A


 スキル

 錬金 抽出 石の精霊の加護 吸血鬼の眷属 吸血 【弱化】太陽光


 魔法

 クリエイト ブレイクラッシュ 深紅のキス



「おお、なんか強そう。これで正式な配下だ。ただ、ドワーフと吸血鬼ってことで、太陽の下だと少し動きにくいかもしれないから、注意だな。」


「えぇ。まあ、夜になればきっと強いと信じていきます!」


「さて、ダンジョンへ行くか。」


「あいさー。」「はい!」


 こうして俺たちはダンジョンへ向かうことにした。



次話はダンジョンでのお話!

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