ボス
お久しぶりです。
お盆休みを満喫してました。
一日中寝て起きてゲームしてさばげーしてました。
楽しかったです。はい。
今日から引き続き書いていきます。
今日と明日は書けそうですが、また来週は忙しいですのん。(;_;
「待ちわびたぞ・・・魔王リム・レッド!!貴様の力をこの俺にぶつけてみろ!」
俺たちは森の奥にあるダンジョンの最奥の部屋にいた。
部屋は薄暗く、部屋の端に置かれている松明で少し明るいだけだ。
しかし、俺たちには夜目があるので何ら問題ない。
部屋は広く、小学校の体育館ほどの広さはあるだろう。
だから、部屋の中心にいる奴の顔は、ほとんど後ろの冒険者には姿も認識されていはいないだろう。
しかし俺たちには見える。
長く尖った耳に、すらっとした顔立ち。
肌は白く、まるで死人のよう。
そう。魔族。それも同族のヴァンパイアだ。
「ヴァンパイア?」
リムは困惑していた。
これまでリムが出会ってきたヴァンパイアはどれもリムには優しかった。
それに魔王の娘であるから誰も雑には扱えない。
しかし正面に立っている男は違った。
「ああ。ヴァンパイアだ。俺はリルーク・ドラゴブだ。お前の父親に罰としてこのダンジョンのボスとして、忌々しい下等生物のねぐらに縛られしヴァンパイアよ。」
「何をしたの?」
「ああ、何をしたかって聞いたか・・・?それは俺に一番聞いちゃならねえことだ!」
そういうと、リルークは体から蝙蝠を大量に出した。
蝙蝠たちはリムの横を過ぎていく。
部屋に入ってきた冒険者たちはそれに気が付くが、蝙蝠を迎撃できず肉を持っていかれ地に付した。
リムはそれを一目見ると、
「くっ、ヴァンのせいだからね!扉の前でみんなの言うこと聞かないで開けちゃうから!」
「すまない・・・、こんなことになるとは。後で何とかしてあげよう。」
「おいおい、お連れの方々はもうダウンかよ。つまんねえな。」
奴は手を肩あたりまで持ってきてやれやれといった仕草をした。
「なんで私を狙わなかった?」
「そんなの決まってるだろう。つれを狙ったほうが面白いからだよ。ハッハッハ。」
「あなたを父さんが罰した意味がよくわかるわ。」
「おい、ケンカ売ってんのか?買うぞこの野郎。」
「あなたは手がすぐ出るのね。」
今度はリムが手を肩まで上げてやれやれとポーズをとった。
「て、てめえ。ガキだと思っておちょくってたらなめやがって。」
「あら、そのガキにおちょくられていきり立っているのはどこの馬鹿かしら?」
ぷっつん。
奴の額の血管が切れた。血が噴き出した。
「はは、まあ、どこの誰だろうねぇ・・・。もう容赦しねえからな。」
奴はそういうと高速で近づいて、右手を振りかざして来た。リムはそれを見てからよける。
リムの頬が切れた。
次の左手を出してきた。リムは後ろに下がりながら右手で応戦する。
爪と爪がぶつかりはじいた。
次に蹴り、右フック、左手の突きと連続で出してくる。
リムはいくつかははじくが、次々に飛んでくる攻撃により傷ついていく。
がしかし、ほんとにはじけるのは10発に1つくらいで傷ついていく。
20発くらい受けてリムがボロボロになった。
まだ1分も経っていない。
俺は何をしていたかというと、スキルを再度確認していた。
どうやら杖の状態と、人型とではスキルが微妙に違うらしい。
俺が認識したらギルドカードのステイタスのほうにスキルが表示されるようになった。
-ステイタス-
レベル2
ヴァンパイアロード
魔族 職業 召喚師
体力 G
魔力 G
敏捷 G
器用 G
防御 G
スキル
【望遠A】【夜行性A】【連携強化C】【料理A】【話術A】【爪術A】【飛行術A】【時】
魔法
深紅のオーラ
ユニークスキルとステータスに関与するものは表示されないが、しっかりと効果は発動されているらしい。
パッシブスキル系だろうか。
そんなことを一分くらいかけてたらリムがボロボロになったので、急いで俺は出てきた。
「ちょっと待ったー!」
俺は叫ぶ。
「わが主をボロボロにしやがって、許さんぞ!」
「なんだ貴様。これはこいつと俺の喧嘩だ。横やりは許さんぞ!」
「俺はわが主の杖なり。やろうぶっ殺してやらぁ!」
俺はそういうと奴より早く動いた。
俺は深紅のオーラを纏、爪を使った武術を行使する。
連撃する。
奴は防ぐこともままならず、体に傷を増やしていく。
「ぐっ、なんだお前はぁ!」
顔、胸、腰、足。
次々と切り刻んでいく。
「くそっ!」
奴は体を蝙蝠に背中からばらしていく。
眷属生成か?いや違う。分身だ。
「それは俺もできるぜ?主を傷つけたんだからそう甘く殺さないぜ。」
俺は分身を使う。
奴の分身は2体。本体はどちらか。
だが、俺の分身は本体を含め4体。
圧倒的に俺のほうが有利だった。
「なにぃ・・・4体だと?そんな。まさか。」
「お前より俺のほうが強い。あきらめるんだな。」
俺は敵の分身1人につき二人で殴りにかかる。
3分ほど殴り続けると片方が蝙蝠になり、灰になる。
本物のほうは体中が赤く染まっているが、まだ立っている。
「はあ、はあ。ほんと吸血鬼はつらいぜ。なんせ頑丈過ぎて、死なねえ。」
奴はそういうと今度は地面に向けて片手を。片手は片手の手首を握った。
「眷属創造!いでよ、【エンプーサ】!」
今度は地面が薄紫色に光出し、魔法陣が刻まれていく。
中心に光が収束。収束が終わり光りが散るとそこには、片足が青銅、片足がロバの足をした女が立っていた。
「私の相手はどこだい・・・?」
女・・・エンプーサは言った。
「エンプーサ・・・?どこかで聞き覚えが・・・」
俺には聞き覚えがあった。
神話のたぐいだと思われる。
俺は前の世界では少し神話に興味があり、漫画などを学生時代読み漁っていた。
俺の記憶にあるということは、日本の神話か、ギリシアの神話であろう。
名前からしてギリシアの神話だと思った。
「エンプーサ、あいつがお前のエサだ。好きにしてくれて構わない。」
奴自身はぼろぼろだ。特に魔力を使ったからか自然回復が目に見えて遅くなっている。
リムはというと、負わされた傷の半分は回復した。
一番は血を吸えれば回復できるが、倒れている仲間から血を吸うのは申し訳ない。
血肉をえぐられた仲間は、何とか後から来たサポーターにポーションを浴びせかけられて、生きている。
死んだふりでもしているのだろう。
エンプーサはにやりと笑うと聞き返した。
「あの後ろに倒れている奴らもいいのかい?」
「ああ。よくばりだな。いいぞ。だが一人くらい残しておけ。俺の分だ。」
「わかった。じゃあ、まずあのぴんぴんしている小僧をいただくとするよ。」
こっちを見てきた。すっごい美人!あらやだ。
そんなことを考えていると、いきなり目の前に現れた。
そして、吹き飛ばされた。
俺は分身を解いていない。
分身を見抜かれたのだ。
「な。なぜだ。分身を見抜いたのか!?」
「あら、お姉さんはおいしそうなの狙っただけよ?うふ。」
俺は分身を急いで解く。
そして収束・・・できなかった。
エンプーサがまた俺のことを蹴り飛ばした。蝙蝠の集まる速度より早い。
まるで、俺がボールのように扱われている。
くっ。蝙蝠たちが霧散した。
俺の体力が結構底に近いようだ。
それを見越してか、エンプーサは俺の上に馬乗りになった。
しかも、姿をきちんとした人の姿に変えてだ。
もともと布地が少ないのに、そんなことをしては元気になってしまう。
「そろそろいただくとするよ。せいぜい楽しませておくれ。」
奴は俺のズボンを脱が・・・思い・・・だした!
エンプーサ、奴はギリシア神話で出てくる吸血鬼だ。
冥界の女神ヘカテーにモルモーと共に仕えている。
そして、奴の弱点は・・・悪口に弱い。
「おい、エンプーサ・・・。それで俺が満足すると思ってんのか?馬鹿が。痴女かよ。帰れ帰れ!」
「なっ、何を言ってるのかしら?ち、痴女じゃないわよ!」
「おん?お前よくこの体制で痴女じゃないとか言えるな?馬鹿か?あほか?いや、痴女だったなあっはっは!」
「うっ、そ、そんなこと言わないでよ!」
「ばーかばーか!かえれ!かえれ!」
「うわーん!あほー!」
そういうと彼女は来た魔法陣に飛び込んで帰ってしまった。
俺はおろされたズボンを元に戻し、何事もなかったかのようにリムの隣に立つ。
「ヴァン・・・、何事もなかったかのように隣に立つけど、満足そうだね。」
「リム、それ以上は言うな。馬乗りされた感触が気持ちよかったなんて言えないだろ。」
「・・・。馬乗り、今度してみようかな。」
「俺は何も聞かなかった。いいね?」
「おい、お前ら、何事もなかったかのように俺まで消すな。なぜ奴の対処法を知っている?」
「まあ、たまたま俺が知っていただけさ。一方的にな。あれだけ強いとは思っていなかったが、どうやって呼び出した?」
「お前の主も持っているだろ。お前だってそうやって作り出されたんだろ?」
「は?俺は違うぞ。この体の主は作り出されたがな。」
「この体?お前何言ってんだ・・・?まるでその体がお前のものじゃないような物言いだな。」
「おっと、しゃべりすぎたおしゃべりはここまでだ。ラストラウンドと行こうじゃないか。」
「ちっ、時間稼ぎは終りか・・・。せっかく回復してきたのによ。」
その時再びダンジョンが揺れた。
モンスターが沸いたのであろう。
「早くしないと街が危険だからな。お前は倒させてもらうぜ。」
俺はそういうと返答を待たず、時を使う。
スローになった世界で返答をしようとしている奴に対して、俺は高速で、全力で爪をふるう。
深紅のオーラをまとめ上げ、短剣ほどの長さにし、首に向かって振り下ろす。
奴が気が付いたのは振り下ろされる寸前だ。
躱せない。
奴の首が飛んだ。
「がっ!」
首と胴体がバラバラになる。
胴体はさらに切り刻む。
手、足、胴がばらされて、関節あたりから切断される。
時を解く。
その瞬間、風が舞う。
風に血が乗り、周囲を赤く染め上げる。
「一瞬で俺の首だけにするとはな・・・。ほれぼれするぜ。」
まだ生きているのかと俺は驚く。
しかし、一番効果的なのは心臓に銀で出来たもので突き刺すのが効果的。
俺は知っている。
杖に俺はなる。
(リム、俺で奴の心臓を突き刺せ。それか、今の奴ならお前でも眷属化できるはずだがどうする?)
「いや、殺す。あんな奴いても胸糞わりゅい。」
噛んだ。
リムが噛んだ。
後ろで倒れてる冒険者が死んだふりしてるのに吹き出す。
リムは赤面する。
恥ずかしさを隠すようにリムは駆け出す。
「おい、ま、待ってくれ。おい、その杖はなんだ!?どこから出した!?あいつはどこ行った!?」
(お前が知る必要はない。死ね。)
「ま、待ってくれ!がはっ。」
リムは俺で心臓にたたきつけた。
その瞬間、奴の体、血は灰になっていく。
終わった。
このダンジョンを制覇したのだ。
最後はとてもあっけなかった。
ちなみに体力と攻撃力は比例します。
比例しない場合はデバフスキルがあります。
それと職業による割合低下もあったりします。




