フォレストダンジョン
森の中は魔物が徘徊している。しかし大体の魔物が外に出て行ってしまったためか、数が少なく俺は何もしなくても大丈夫だった。
冒険者のパーティ1は前衛2人に中衛が2人、その後ろからサポーター・・・荷物持ちがついて歩く。
前の人たちが敵を倒し、ドロップ品をサポーターが拾う。
なのでひたすら敵を倒して、あるってもサポーターがきっちり拾っていく。
これが2班だ。
その後ろからついていくだけの俺たちは、ほんとにすることがない。
眷属たちはどうしたかというと、一度眷属にすると収納できるようで、一つの魔法陣で召喚出来る。蝙蝠と一緒に出てくる。
今度物を持たせてしまえるかやってみたい。
森の奥は、ほとんど日が通らず、しかも霧まで出ていてとても暗い。
たいまつで周りを照らしながら進む。
さすがに進行は遅い。
しばらく進むと、とても大きな木に穴があった。
その入り口には踏み固められた跡があり、とても怪しかった。
(リム、俺を投げ入れてみろ。)
(わかった。)
リムは俺を投げ入れた。
穴の中は坂道になっているようで、カラカラと音を立てて奥へと進んでいく。道中敵が来たが、そのまま足を切る。
止まった。
おそらく地下へ5メートルくらい進んだところだろう。広い部屋があった。
俺はリムへ念話を飛ばす・・・が、届かないようだ。
眷属の蝙蝠を一匹だし、来た道を戻らせる。
「いけるか?」
「キィキィ!」
いけるようだ。
蝙蝠はもとから超音波で世界を見ることができるからな。
一息ついて、俺は人型になる。
俺には夜目がある。暗闇でも余裕で活動ができる。
蝙蝠をさらに召喚し、オークを3体ほど出す。
その陣形で部屋の奥・・・通路のようなところへ行く。
実は俺、今とっても楽しいです。
異世界来てこんなダンジョンに行けるなんて!
The冒険してるぅ!って感じ!
道幅は4メートルくらいあり、オークの大きさは太った背の高い人くらいだ。血はあまりおいしくなかった。
3体を横に並ばせ、肩に蝙蝠を乗せ、センサーになってもらう。
敵は今のところ0だ。
坂道にいたゴブリンしか見ていない。
しばらく進んでわかったが、部屋が通路につながれているのがいくつか続いている。
しかし、魔物が出ないので少々だれてきている。
「あーあ、魔物でねえかなぁー。」
そんなつぶやきをしたころだ。
ダンジョンが揺れた。
地面が割れ、壁が割れ、崩落するのかと思ったが違った。
裂け目からゴブリンや、オーク、オオカミにカエル・・・街を襲っている奴らが同時に沸いたのだ。
10m×10m位の部屋だがぎっちぎちになるくらいに沸いた。
おそらく来た道も埋まっているだろう。
足元からも沸くが、沸いた矢先に倒す。全力で攻撃する。
「おいこれどうなってんだよ!倒しても倒してもきりがねえ!」
これはどこかで聞いたセリフだと思いながら嫌気が射す。
時は使わずに、速度とオーラだけで倒していく。
眷属たちも一緒だ。
ちなみにシークは眷属を効果的に動かしている。
入口のほうからも戦闘の音が聞こえてくる。
蝙蝠ちゃんが頑張って伝えたのだろう。
ならば俺も頑張らねば。
(シーク、分身使うぞ!)
(あれを使うのかい?まぁ、いいや。わかった。)
蝙蝠40匹集める。
俺の体から出た蝙蝠は4匹。
大きいのが俺の体から出たやつだ。
10匹と1匹ずつで体を作る。
すると、俺が4人になった。
2体は俺、残りはシークだ。
俺は爪ではなく、翼にオーラをまとわせる。
そして、飛翔。
ここの天井は5メートルくらいだ。結構な広さがある。
二つの体が飛翔する。
そして、急降下。
からの滑空。
翼が敵を両断していく。
勢いが落ちていくときは念力ブーストだ。
次々と両断し、帰り血で俺の体が赤く染まっていく。
シークのほうはというと、体全体が紅く光りながら両手を広げ回転している。
見ていて面白い。
敵が突っ込んでは真っ二つだ。
そのままの調子で出入り口に向かう。
するとリムたちの姿があった。
押し寄せられる魔物の群れによって前衛が1人ダウンしている。
そこにすかさずサポーターがポーションをぶっかける。
回復しつつ襟首をつかみ引っ張っていく。
そこに俺が援護する。
分身した俺は一騎当千だった。
押し寄せていた敵はすぐ撃破された。
「いやぁー、オークが邪魔でウルフの勢いが止まってて良かったぜ・・・」
「危なかった・・・。」
「休憩している暇はないぞ。今のうちに奥まで行ってみるぞ。ここが敵の本拠地ってわかったんだしな!」
俺は内心、もっとましな戦い方がないのかねえって思っていた。
こうして合流し、奥地へと足を進める。
ところどころ宝箱があるが、これは後回し。
一気に奥まで行く。
蝙蝠を分散させ、探索、その間休憩。
正解の道だけを進むと意外とすぐだった。
通路をふさぐように大きな扉がある。
すごくボス部屋っぽい。
「準備はいいか?」
「まだ!」
「却下!開けるぞ!」
「あへぇ!」
そんなやり取りをしつつ、扉を押す。
扉は結構重かった。
扉の中は空間となっており、大きな松明が4つ部屋の隅に置かれていた。
真ん中に誰かいる。
その人物が声を上げた。
「待ちわびたぞ・・・魔王リム・レッド!!貴様の力をこの俺にぶつけてみろ!」
続く!!!




