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教育実習の思い出-マニュアル勉強の結果-

作者: ゆうき

よろしくお願いします<(_ _)>

「先生、覚えてますか?」

 教育実習が終わり、1ヶ月が経とうとしている頃に元生徒から電話がありました。


「おぅ、どうした?何かあったの?」


「社会のテストで96点取ったよ!」


「え???すげぇな!おめでとう!」(え?何でそんな高得点取れたんだ)


『……担任からカンニング疑われたけど……』


「先生、しょうがねぇな(笑)……実力だろ?」(……担任の気持ちも少し理解できる……)


「実力(笑)」


 ……で……

 話は中学校での教育実習の頃に巻き戻ります。


「勉強とか嫌いなの?」


 人懐っこい性格で、いつの間にか仲良くなった少し不良気味の少年に聞いてみました。

 数秒の沈黙、恥ずかしそうに答える少年。


「先生、俺は病気で学校長く休んじゃったから勉強の仕方とか分かんねぇんだよ……」


 なんだ、別に勉強が嫌いな訳じゃなかったのか(笑)

 勉強大嫌いだった僕の中学生時代に比べたら真面目じゃないか。

 少し嬉しくなった僕は少年に提案。


「先生は数学とか苦手で教えられないけど、社会とかなら勉強のコツを教えられるよ。あんなの点数取るだけなら1週間真面目にやれば何とかなるし、騙されたと思ってやるならマニュアル作ってあげる」


「えぇ?マジかよ先生、何点ぐらい取れるの?」


「……80点ぐらいかなぁ?今、何点ぐらいなの?」


 黙る少年

「……40点ぐらい……」


「1週間で倍になるなら良いじゃない(笑)やるか?」


「先生、本当に作ってくれるんなら」


 もう、遠い日の花火状態で教育実習の記憶とか曖昧なのですが凄い忙しかったのだけは覚えています。

 帰宅して次の日の授業準備をして、質問に答えられるように勉強して。


 そんな中で、ちょいワル少年勉強マニュアルを作るのは楽しかったですよ。


 まあ、少年も食べ物から指導されるとは思っていなかったみたいですが。

 マニュアルって言っても簡単なものです。

 まあ、素人大学生が作るものですから【そこはかとなく怪しいマニュアルなのですけどね(苦笑)】


 食事:ピーナッツ・チョコレートを気にして食べること。寝る前に温めた牛乳飲めとか果物は蜜柑1個でも良いから毎日食べろとか。豚肉は必ず3日に1度は食べさせてもらえとか(笑)


 国語:とりあえず声に出して3回は読む。飽きたら漢字だけでも覚える事。。

 数学:教科書に載っている例題の簡単なのだけでも覚える事。

 理科:計算とか面倒なのは捨てて、太字で書いてあるのだけ覚える事。

 英語:試験の範囲内の単語の意味だけ覚える事。イディオムは絶対にテスト出るし点数が大きいので必ず覚える事。


 社会だけは細かく書いた記憶があります。

 基本は教科書3回音読。薄い参考書を買って何度もノートに書き写す(その当時は自習ノートってのがあって毎日3ページぐらいの提出が義務付けられていました)。

 ノートに書いた事を教科書に書き込む。

 年表とか太文字は基本的にテストの点数にならないので、隣に書いてある説明を読んでおく。


 あとは何を書いたかな……【寝たいと思ったら寝ちゃいな】とか。

 頭の良い悪いってのは勉強しなくちゃ!って気持ちも含めての事だからとか。


 大学ノート5ページぐらいは書いた記憶があります。


 そして冒頭の会話に戻るんですが……


「先生、あのノート他の子にも見せていい?」


『学校の先生に見せなきゃ良いよ(笑)』


 現在、僕は学校の先生ではありませんが少年から逆に教わった良い教育実習だったなと今でも思い出します。

 あの少年、【名前も憶えてないけど】今どうしてるんだろう(遠い目


お読みいただきありがとうございました<(_ _)>

これ、実話です(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 実習で手一杯の中、きちんと生徒と向き合われていますね。 素敵な経験をして、いいエッセイにもなってます。 読みやすく、心暖まる内容が良かったです。 自分の学生時代や教育実習を思い出しました…
[一言] 短い時間でしたが、いい先生だったんですね "教師" ではなく "先生" と表したいところです 結局のところ教育の場であろうと何であろうと、人と人との繋がりであることに変わりはなく、信頼関係か…
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