再会の少し前 ~side 大河内 義貴~ その2
大河内君のお友達は川上 浩史。
<かわかみ ひろし>
成績は中の下。友達も多いが若干ちゃらい。
それなりに美人な姉がいる。
結構前から、主人公君を逆恨みしている。
その理由を書く予定は今のところない。
大河内君の彼女は、川上君のお姉さん。
<かわかみ まさみ>
別の高校の生徒で、あの後デートの予定だった。
それなりに格好がよいといわれる弟がいる。
実は性格悪い。
あまり真面目ではないが、友達が多く付き合いもいい浩史が絡む相手だ、
小笠原は人に嫌われる要因があるんだ。
俺は学費免除の権利を誰かに渡したくはないし、
小笠原が憎かった。
だから、俺の目の前から排除することにした。
小笠原がカンニング犯だと、
それとなくクラス全体に広めた。
中間でいきなり順位が上がるなんておかしい。
カンニング犯かもしれない小笠原と仲良くすると、
その人間も疑われると広めた。
見えない毒は少しづつ広がった。
小笠原の周りの空気は悪くなった。
でも、本人に反応があまりなかった。
憎い。
だから、浩史が机に花を飾った。
俺は小笠原のカバンを借りた。
メモを残し、教科書に警告を書いてやった。
浩史の姉で、俺の彼女。
雅美が小笠原のカバンに水を入れた。
赤や黄色の絵の具を解いた水を。
なんでもない顔をして、教室に戻ってきた小笠原を蹴飛ばし、
踏みつけ、注意をしてやった。
雅美が目の前で、カバンの中身を床にばらまいた。
そして、小笠原の顔が歪んだ。
肉体的にも精神的にも痛みを与えてやれたのだと、
俺の心は暗い喜びに染まった。
次の瞬間。
世界は暗転していた。
そして、大量の光に包まれ、光が引くと。
さっきまでいた教室より、少し広いほどのスペースに俺らはいた。
真っ白な床に、赤い線と緑の文様。
クリーム色の石の壁に、同じ素材の天井。
俺の目の前にある小さな祭壇。
そして、祭壇のむこうに跪いている何人かの男。
立ってこちらを見ている二人の男。
その光景を俺が認識していると、
祭壇のわきに立っていた男が、俺の目の前へ来た。
金色の髪に、緑の瞳の若い男だ。
祭壇に飾ってあった石を、俺に差し出してきた。
なぜかその動作で、俺の髪が風に揺れた。
「ようこそいらっしゃってくださいました。勇者殿。
あなたには魔王を倒してほしいのです。」
自信に満ちた表情。
自分の言葉は実現されると信じている、地位のある人間。
若い男は親しみを込めた笑みを浮かべ、俺に言ったのだ。
大河内君のお話を書くつもりはなかったので、4~5時間で文章を作りました。
ちょっとした理由で書きたくなったので、がんばったつもり。
少し妄想はしてたけど、いろいろあってお話になるまでに時間がかかった。
次も大河内君の話。
勇者?は大河内君です。
実は魔王も神の御子も登場済みです。