表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/36

再会の少し前 ~side 大河内 義貴~

主人公はノゾム君ですが、彼は勇者ではありません。

勇者は大河内君。


<おおこうち よしき>が名前。

主人公のクラスメート。

剣道部員で成績優秀者。


主人公たちの学校は私立で、成績優秀者には学費一部免除制度がある・・・ってことにしてあります。

「どうしたんだ大河内おおこうち。中間の結果、あまりかんばしくないぞ」


そんなの、言われるまでもなく分かっている。


試験中は確かな手ごたえがあった。

きちんと解けたとも思った、自信があった。


返却された答案用紙。


ケアレスミスがいくつかある。

覚え間違いに、計算間違い、そして勘違い。

もう一回見直せばただせたはずだ。



張り出された順位表。


上位50名は順位と名前が張り出される。

上位から探したほうが早いが、真ん中寄りにおれの名前。

前回まではもっともっと上だったのに。



各科目の先生の反応。


ほとんどの先生が俺にいう。

『どうした』と。

そして、また言われた。



すべて、俺の想定していた結果と異なった。

ほんの少しの相違でしかない。

でも、その相違が俺には大きかった。



この頃、上手くいかない。



部活に行けば、主将にそして先輩に、やたらと注意をされる。

素振りで竹刀しないを振れば、今までとは音が違うきがする。

練習で試合をすれば、勝てていた相手に勝てなくなった。


何が悪いのか、分からない。

今まで通りにやってるのに。



あの日はたまたも職員室に呼ばれていた。

剣道部の顧問の先生に。


あの時たまたま聞いてしまった。


「このままだと危ないな、大河内おおこうち

「学費免除の権利は別の奴になるかもしれないな」

「今回、小笠原おがさわらが成績をだいぶあげてたな・・・。」

「いや、小笠原はないよ。」

「まあ、成績だけ見れば・・・。」


断片的にしか聞こえなかったし、

誰が何を言ったかなんてわからなかった。


ただ、そういった先生達は笑っていた。



その時、俺の心は黒く染まった。



小笠原おがさわらを俺は知っていた。

クラスメートで、中学からの友人の浩史ひろしがよく絡んでいる相手。


背が少し低め。

眼鏡をかけている。

少し排他的だが、社交性がないわけではない。

一人暮らしらしく帰宅部だ。


そして、今回張り出された順位表の上位5名に入っていた。

前回まではいなかったのに。


ただのクラスメートが、排除したいほど憎い相手に変わった。

続けて、大河内君こと勇者の話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ