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また増えた

・・・。


「自業自得だと、言ったじゃないですか。」


暗く冷たい綺麗な笑みで、

(目は全然笑ってない。)


「自ら情報を隠匿(いんとく)し、手放していった者たちのことなど知りません。」


にこやかな軽い口調で言い切った。

(どす黒い感情がこもっているのが伝わるけど。)


黒い、黒すぎる。

そして、寒いんだけど。


ふと、周りを見回してみると、

質問したヴィーでさえ、固まっている。


あと、障壁の向こうが若干白いような・・・。


あれ、また誰か来た?

ふんわりと白いシルエットが2つ。

それと、いなくなっていたはずのおそらくレーヴ。


「ルー様。お気持ちを静めてくださいませ。」


滑るように、しなやかで、美しい身のこなし。

あっという間に障壁を超え、シルエットだった人影が目の前に。

やっぱり、移動速度が速いって。


白い神官服・・・と思われる服装の女性。

細やかな刺繍に、さりげなく色の入った白い服。

明らかに位の高そうな、まだ若い美しい女性と、

同じ形だけど刺繍などはなく、でも生地の良さが一目でわかる白い服を着た可愛らしい少女。


そして、やっぱり先ほどと同じ姿のレーヴ。


俺、今、超美形たちに取り囲まれてない?


正面にルー。

その右側にヴィー。


左側から近づいてきて、

1メートルほどの距離を置いて、立ち止まった女性たち。


俺の真後ろまで戻ってきたレーヴ。


そして、置き去りのままの障壁の向こう・・・っと。


あっ。勇者様御一行だけは、めっちゃきょろきょろしてる。


勇者の彼女は、顔を赤らめ恍惚とした表情で、レーヴやルーを舐めるように見ている。

たぶん、ずっと、この世界の人たちを置き去りに、妄想の世界に旅立っているに違いない。


勇者君とそのお友達は何が起きているのか理解しておらず、

王子様や騎士様達を見やり、俺を見て、また王子様達を見て・・・を繰り返している。

表情は若干不機嫌?不思議顔?


黒く、鋭く、冷たい、敵意を向けられた人たちは・・・。


真っ赤な顔で妄想に飛んでってる、幸せな人もいるけど。


恐怖のあまり、蒼白な顔で震え、だらだらと冷や汗を流し、崩れ落ちている人。

青黒くした顔で睨み付けたり、障壁を叩きつけたまま固まっている人。


王子様は憎々しげにこっちを見ているね。



「・・・失礼。」


そういって、黒い笑みを消しすルー。

うん、やっぱり新しく来た人とも知り合い同士ではあるんだ。

名前も呼ばれてたし。


そして、寒さも障壁の向こうの白い靄も消えた。


「改めまして、お初にお目にかかります。

アミティエの神殿にて、神官長を務めております”リーネ”と申します。

こちらは先日入信したばかりの”リリー”と申します、”緑のお方”。」


少しの間をおいて、女性2人が膝をつき頭を下げ挨拶をしてきた。


リーネさんはレーヴに似た白色系の金髪。

ふんわり波打つ髪は一部を下ろし、後ろで結い上げている。

リリーと呼ばれた少女は黄色みの強い金髪。

肩に着くくらいで綺麗に切りそろえられている。


すぐに頭は上がったが、膝は付いたまま。

2人とも瞳は金属的な色合いで・・・。

レアなはずの種族が、集まりすぎなわけで。


・・・まあ、でも、あれだ。


「・・・ええっと、あの。オガサワラといいます。

その、落ち着かないので。立ち上がていただけると嬉しいのですが。」


一方的に見下しているみたいで、めっちゃ落ち着かない。


流れる様な動作でリーネさんは立ち上がり。

淑やかに微笑みを浮かべ、とっても友好的。


リリー・・・さん?ちゃん?は、リーネさんが立ち上がった後。

ピョンと擬音が付く勢いで立ち上がり、少しぎこちない笑顔を向けてくれた。


ぎこちないけど、可愛らしい笑顔だ。

なんか妹を思い出す。


って、あれ?

これくらいの背丈の少女に、最近会わなかったけ?


・・・。つづけられたらいいね。

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