ただし、誰がスキルを使ったかが超重要!!
日曜日の25時ということにして・・・月曜ですね。
先々週は猛烈な頭痛で書けませんでした。
先週は・・・。
ともかく、こんなお話でも暇を潰していただけたら、幸いでございます。
『片手を肩にあて』としていましたが、胸じゃね?ってことで修正しました。
「・・・信じない。たかが見習いごときでも”祝福”がつかえるなど、嘘に決まっている。」
すっかり静かに、声も聞こえないし、青い人の発言に固まった王子様達の後ろ。
再度、低くかすれた大声がした。
妙にテンポの狂った足音が響き、すぐにナイト達をかき別け、男が姿を現した。
両の手を自身の血でまだらに染めた、魔術師の男だ。
「嘘だ、嘘だと言え。そんなこと神殿に残る書物のどこにも書いてなかった。」
声と同時にザラザラとした、ノイズが聞こえる。
ユラユラと体を左右に揺らし、王子様を押しのけ、壁の前までやってきた。
顔色は白く、口元からは赤いものが細く線を引き滴っている。
「厳しい修行を経て、素質ある者だけが習得できるスキルだと・・・・・・信じさせてくれ。じゃなければ、俺はなぜ諦めなければならなかったんだ。」
赤く染まった両手を、淡い緑の光に弱々しく叩きつける。
壁からパチッと小さく光が弾ける。
まさしく血を吐くような、悲痛に満ちた声。
ザラザラとしたノイズも混じって、聞いているだけで苦しい。
・・・。
「・・・黙っていなさい。」
重苦しい雰囲気を、バッサリと冷徹な一言で切り捨てる。
「ほとんどの国の、ほとんどの神官が伝える術を自ら手放したのです。”神の御子”が他国に存在するのが許せず、勝手に争いだしたのは人族の国です。正しく情報を残せた我が国をこれ以上、巻き込まないでください。」
青い人、本当に”人族”嫌いなんだなぁって。
見下した、冷たい目で壁の向こう側を見ている。
マジで視線だけで氷像、作れるんじゃねっていう感じ。
声もめっちゃ冷たい感じで、怒ってる?苛立ってる?
・・・ってなんか、本当に部屋が寒くなってきたような?
「ルー殿。寒いのだが・・・。」
ヴィーが立ち上がり、青い人の肩を叩いた。
その顔は少しあきれている感じ。
なんか置いてきぼりを食らった・・・みたいな顔?
俺もじゃっかん、そんな気分。
「それはすみません。」
コホン。と小さく咳払いをして青い人、ルーが謝った。
それと共に冷たい空気がどっかにいった。
ってとは、本当に部屋が寒くなってたのか。
「アレラに構うのは不快なだけなので、放っておきます。今すべきことは、別のことですね。」
チラリと壁の向こうに視線を投げた後、流れるように俺の前に。
さっきまでヴィーが跪いていた場所に、青い人ルーが跪く。
「私の”祝福”ではヴィーが望む結果は得られないでしょう。私は”使える”というだけですから。そして、殺されたアミティエの”緑の巫女”も”祝福”は使えましたが、彼女レベルでは無理でした。」
片手を胸にあて、目を伏せ、頭を下げ、淡々と言葉を紡ぐ。
なんか途中に物騒なセリフがあったような気もしたけど、ヴィーの望むことは叶えられなかったよって、ってこと。
あれ、”祝福”って簡単だと思ってたけど、実は難しい?
今の俺のスペックじゃ無理?
出来てたと思ったけど、俺の思い違い?
「しかし、あなたならヴィーが望む結果を容易く実現させられるでしょう。」
あれやっぱ、簡単なのか?
でも、さっきの話しだと、レベル低下してるから俺でも無理なんじゃね?
「不自由をさせてしまい申し訳ありませんでしたマレ様。」
そう言って、青い人は顔を上げた。
近くで見ても綺麗な、本当に鮮やかな青い髪がサラリと揺れた。
繊細で少し硬質な顔立ちに、ほっそりとして見える身体つき。
見上げる鈍い銀色の瞳は、少し潤んでいる。
さっきまで冷たく聞こえていた声に、今までにない熱を感じる。
「あなたこそ私の全て。あなたに再度お会いできたこの喜び、幸せ・・・言葉にして伝えきることが出来ません。今すぐ、その枷は消滅させ。」
綺麗な青、濃い灰色、そして、泣くのを我慢しているような顔。
あ、コレ。
戻るときに見た光景と同じ・・・。
「コバルト・・・”魔神族”に進化出来たんだ。あぁ、良かった。」
マジで良かった。
”祝福”が上手くいかなかったから。
他にもなんか失敗して、俺を嫌いになったから。
呪ったんじゃないかって、少し、思っていた。
でも、違うのかも。
だって、”申し訳ありません”って。
また会えて、”幸せ”だって。
青い人はコバルトという名前です。
やっと名前が書けた。
ちなみに、コバルトことルー君が言っている”レベル”はジョブレベルです。
ルー君は一時期”見習い神官”でしたが、すぐに神官を辞めたためスキルが”使える”程度。
殺された”緑の巫女”は上位神官でしたが、彼女のジョブレベルでも無理。
ノゾム君の”神の御子”は神官の最上位と同じジョブレベルに値するので、ノゾム君なら大丈夫って話し・・・にしておいてください。
ヴィーさんが出てくると、『話し~』って以前にも書きましたが、ヴィーさんは今回一言もしゃべる予定はありませんでした。
ルー君は沢山しゃべって、一話のボリュームをとんでもない量にしてくれます。
ルー君は出てきてからずっとしゃべってますね。
次回もたくさんしゃべります。




