たかが勇者ごときでない?あっそうなんだ
やっと、やっと形になりました。
それもこれもプロットを作らないRAVEと、
いつの間にか自己主張しだしたシルヴィオさんのせいです。
シルヴィオさん難しいです。
睡眠時間が・・・。
あと、もしも待っていてくれた方がいらっしゃるなら、申し訳ありません。
次はもう少し、頑張りたいと思います。
とりあえず自己紹介は済ませた。
そして、眼鏡は速攻で返してもらった。
いや、真面目な話ね。
目の前の彼は友好的(?)だけど、ほかの人の好感度は低いことが目に見えているわけで。
この部屋に人が乱入してくることはない、とは言い切れないし。
俺にとって物がはっきり見えない状態は超不安。
何かあったとしてもすぐ対応できないとか、死亡フラグ立つでしょ。
すっごく不思議そうではあったけど、素直に返してくれてよかったよ。
っで今、彼は部屋にあった小さな椅子に、俺はベットに座っている。
なんか、お話をすることになった。
彼が『是非にお話をさせてくれ』と言ったからだ。
その提案に俺は頷いたわけだ。
俺にメリットは多い。
現状確認はできるし、情報は多ければ多いほど良い。
彼にどんなメリットがあるのかは解らないけど。
まず俺が知りたいこと、この国の話をした。
やっぱ、周囲からの評判はあまり良くないらしい。
人族の国としては結構大きいほうらしい。
王政で、少し歪んだ信仰を持ってようだ。
一通り知りたかったことは聞けたと思う。
話しに区切りはついたし、次の話題を探すべきかな。
話題か、どうしよう天気の話でもするか、いやそれとも食べ物の話?
ふと、目の前の小さな椅子に座っている彼に注目する。
座っているだけなのに、超優雅に見えてかなりかっこいい・・・。
”魔神族”だって言っていたから、まぁそうなんだよね。
”魔神族”はね、レアな種らしいよ。
超美形揃いでね、超有能でね、超いい人たち。
この世界の中で数パーセントしかいないんだって。
だから彼、”シルヴィオ”こと”ヴィー”も、かなりかっこいい。
さっきまでは魔法を使って、見た目を変えていたんだって。
キラキラと輝くような銀色の髪も、少し釣り目でキリっとした銀の目も、
知的でクール系な顔立ちをより引き立ててる。
服装は一般兵士の服のままなのに、やたらと上品。
何気ない動作が洗練されて見えるんだよね。
種族補正ってすさまじい。
いいな、かっこいいな。
「そういえばマレ殿、一度は世界を超え元の世界に戻られた貴方が、なぜ勇者などと一緒にこちらに来られたのだ。」
あ、次は俺についての話?
まぁ、答えられることだけ話せばいいよな。
「どうやら大河内の召喚に巻き込まれてしまい、引きずられるように落ちて来てしまったようです。」
「ふむ、たかが勇者ごときの召喚に貴方を巻き込んでしまうとは・・・。」
俺の答えにヴィーが考え込む素振りをする。
っていうか、なんか言葉の端々に少し棘があるような。
聞いてみても、大丈夫だよな?
「・・・。あの、先ほどから”勇者など”とか”勇者ごとき”と仰っていますが、やはりあなたの国でも異世界から来た人の地位は低いのでしょうか?」
ヴィーはハッとしたように顔を上げ、俺を見た。
そして少し固い声で、真面目な表情を作り言った。
「たしかに召喚陣によって呼び出される、”勇者”の地位はそれほど高くはない。」
やっぱりそうなんだ。
あの時のあの言葉も、そういうことだね。
彼らの感覚からしたら、異世界人など。
「しかし貴方のような”マレビト様”は、たかが”勇者ごとき”と同列に扱ってはいけない存在だと我が国は認識している。」
少しの間が空いて、ヴィーが再び口を開いた。
顔を上げてみると、少し表情を柔らかくし微笑んでいた。
どういうこと?勇者とマレビトってどう違うの。
俺、おっきくなったし、もう一回定義が聞きたいかも。
「・・・まずい、仕事に戻らねば。マレ殿、申し訳ないがここで失礼する。」
何に気付いたのか、ヴィーが勢いよく立ち上がった。
そして、まさしく消えるような勢いで去って行った。
止めることもできないほどのスピードって・・・。
とりあえず、この国のことは何となくわかった。
あと、ヴィーにとってマレビトは、勇者ごときと同列でないことも。
自己紹介時の一コマ
ヴィー「私のことは”ヴィー”と呼んでくれて構わない。」(ニコリ
小笠原「では、俺は小笠原と呼んでください。」(ニコリ
ヴィー「おぎゃしゃわりゃ?」(不思議顔
小笠原「お・が・さ・わ・ら、です。」(真面目顔
ヴィー「おぎゃしゃ・・・。マレ殿で良いだろうか?」(不本意、苦笑
小笠原「・・・構いません。」(苦笑
名前は自動翻訳されません。
日本人の名前は言いずらいだろうと思います。
ちなみにノゾム君。
本文中ではヴィーと呼び捨てにしてましたが、話すときはヴィーさんと呼ぶと思います。




