質素な部屋
話が進まない。
出てくるスキル、魔法、等々はすべてその場の思い付きです。
まぁ、話の展開なども同じなのですが・・・。
その部屋はシンプルで使いやすそうな作りだった。
うん、はっきり言おう。
硬くシングルサイズなのに部屋を圧迫するベッド。
何冊か本を置いたらスペースがなくなる小さな机と椅子。
かろうじて3着くらいなら服を格納できそうな棚。
以上、余計なものなど何一つなく質素だ。
二人分の足跡がついたブレザーを洗濯してくれるというので、制服を丸ごと洗濯に出し。
コーヒー牛乳と土や埃でコーティングされていた髪を洗い。
制服の代わりに借りた白いシャツと薄茶のパンツに着替え。
そして、この部屋に案内された。
茶色の男が去ってから、鼠色の青年は”この国の奴ら”と言った。
その言葉で、・・・いや、まぁそれ以前に。
もう一人とは反応が違ったから、彼は別の国の人なんだと解っていた。
俺が目覚めるまでに、大河内は勇者として認められたんだなぁって。
それもすぐ解った。
勇者のスキルは凄いんだよね。
戦闘用のアクティブスキルだけでなく、バシッブスキルも強力なんだよ。
身体的なステータスにブースト効果。とか?
自分よりステータスが劣る相手にダウン効果。とか?
それだけじゃない。
バシッブスキルの中に『共鳴り』っていうのがあるんだけどね。
そいつがね、厄介なんだよ。
効果は、ある一定範囲、もしくはなにかに所属する人間を強制的に共感状態にする。
ポイントは”強制的に共鳴状態”。
大河内はこの国の勇者として認められた。
なんでか知らないけど、俺がかなり憎いようだ。
勇者は巻き込まれた一人がとっても嫌い。
勇者が属する国の人間も、大河内が嫌いな人間が好きでな・・・っていうか嫌いになる。
だから、茶色の男の反応は・・・まぁなんとなく判る。
スキルって怖いね。
と、マジで思った。
で、実は風呂に案内された時、なんか石を渡された。
また、茶色の男だった。
手に持つと石板になって、簡易ステータス?が表示された。
名前とか肉体的な能力値とか、学生であるとか、召喚に巻き込まれたこと。
あと、呪われているって表示された。
見慣れているステータスとの違いに俺はびっくりしたよ。
表示項目は少ないし、表示される内容も薄いし、簡易すぎるなぁって。
その石板をひったくる様にして、茶色の男は退場していった。
鼠色の青年には、”先輩なんてほっといていいっすから、早く汚れを落としたほうが?”って促された。
だから髪洗って、ついでに体も洗って、風呂から出ると・・・。
この建物?王宮?とにかく多くの人にステータスの話が伝わったみたい。
呪われていることでさらに嫌われたみたい。
部屋に案内されるまでに浴びた、視線が痛い。
何人か例外はいるみたいだけど、確実に厄介者扱いらしい。
勇者様が、”どうしても”って言うから。
”俺が巻き込んで、この世界に連れて来てしまったのだから”って言うから。
仕方ないから、最低限で面倒は見てやるって。
わざわざ宣言してくださった人多数。
ゆえに飾り気のないペラい服に、質素なお部屋。
鼠色の青年は終始態度が変わらなかったけど。
風呂らしき場所に案内してくれたのも、この部屋に連れて来てくれたのも、服を洗濯に出してくれたのも、代わりの服を持ってきてくれたのも、鼠色の青年。
うん、感謝している。
しているけど、今俺になんて呼びかけた?
「・・・。」
「・・・、あの”マレビト様”?」
何故だぁ、何故その呼び方なんだ!!
ステータスには出てないし、どうして知ってんの!?
試験はいやね。
試験受けて、ご飯を食べて、一生懸命書いたら、こんな時間になりました。
なんとなく、今日中に投稿したかったのです。




