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Make UP!

今回は麻帆がやっと本音&ある感情をほんの少しだけ持ったりします。それはきっと誰しもこんな環境にきたら思うのだろうって思ってきました・・シナリオではこんな台詞は計画してなかった・・という部分が大有りです。では読んでみてください☆

Map not place 〜神に出逢った瞬間〜 ?    Make  UP!


―――翌日


「んんんん・・・・」

瞳を開けると慣れない天井。涼しい風が部屋全体を包んでる・・。決していい寝起きじゃないけど・・寝たのに疲れは全然取れないし

              

トントン

           

誰よ・・・。おそるおそるドアを少しだけ開けて顔を入れると・・・。


「あぁ・・・緋琅だったっけ?」

「生きてるようだな」

「ええまぁ・・・15で死にたくないし」

「今日は出かける。この服を着ろ」

そういうと緋琅は大きな茶色い箱を麻帆に渡した。そして部屋に入り蓋を開けて麻帆の驚きよりも先に服を引っ張り出しベッドに広げた

「何このイカレタ格好」

「今のその服よりはマシだと思うが・・」

「・・・着るから出て行ってもらえます?」

「当たり前だ。ガキの身体なんか興味ない」

「・・・あぁそうですかっ」

「着たら出て来い」

「はいはぁ〜い」


バタン


ドアが閉まったと同時にベッドに広げられた服を眺めた

紫のノースリーブ。オレンジ色の大きな花びらが付いたコサージュ。着物の帯みたいなものや水色のブーツ。そしてノースリーブとペアなのかプリーツが激しく入ったロングスカ−ト、着物に近いような遠いような

「意味がわかんない。どういう格好よ・・着こなしとして・・もぉやだ!」

どうにか適当に着てみるけど・・・下はスカートとブーツで暑いのに上はノースリーブで涼しい・・ふつーにアンバランス


ガチャ


「あの・・着たんだけど」

「じゃあまず・・髪を染めるぞ」

「・・・髪?何色に?」

「金」

「・・いやぁちょっと待って!」

「仕方ないだろ?こっちでは金髪が普通なんだ」

「本当・・・最悪っテンション下がりまくりだし・・」

足早に進む冷酷男に頑張って付いていくけどなんか好き放題に弄られてる気がする・・だいたい金髪って眉毛とか黒なのに似合うわけないじゃない


「ねぇ」

「・・・・」

「ちょっと」

「なんだ?」

「・・・誰があたしの髪染めるの?」

「・・術師」

「はは・・はい?術師なんて超パラレルじゃん」

「パラレルだと思ってもらっても構わない。但し事実だがな」

「んんんっほんと貴方って嫌な人ですね」

「・・・あぁそう」

怒りもしないあたりが余計に尺にさわるんだけど・・・・だいたい術師って・・ほんとお伽話じゃない。何?お肌がだらーんと垂れててシワシワな薄気味悪いおばあさんみたいな人がきっと呪文をぶつぶつ言いながら魔法であたしの髪を染めてくんだわ


そんな不思議な想像しながら緋琅に付いて行くと白い建物を出て街中に出た。日中だからオバサンみたいな人たちが路上で世間話してる

小さな子供達は地面にチョークで絵を描いてる。それは日本と何ら変わらない光景で・・。だけど決してここに居たいなんか思わないし信用出来る人なんかいないし・・・だいたい全てが流されてよくよく寂しさとか怖さを感じるヒマなかった

そんなこと周りの情景を見渡しながら歩いてると緋琅が遅い・・と言いながらある建物の前で止まってた。止まった場所はホラー映画に出てきそうなツタが伸びまくってるボロボロの洋館

「・・ここ?」

「無駄に喋るなよ」

「はいはい」

大きな扉を開けて入ると中は灯りがなく真っ暗闇だった。緋琅がしていたピアスが暗闇の中で光っていたからそれを目印にどうにか進んで行った


「まだ?」

「もう少しだ」



その会話から少し経って、曲がった瞬間ものすごく光に満ちている部屋に辿りついた。そこは先ほどの暗さが突然変わったせいで目くらましにあったような感覚に襲われて思いっきり瞳を伏せてしまった

「眩しい〜」


「―――――(お久しぶりです)」

「――――――(おお緋琅か。またか・・)」

緋琅が話してる相手はいわゆる山姥っていう奴。銀色、長髪のぼさぼさヘアーに超ボロい着物みたいな格好。ロッキングチェアーみたいな椅子に座ってて。あの緋琅が跪いてて・・あたしはどうしたらいいのかわからくて俯いてしまった


「――――(修行者です・・蓮様の術で)」

「―――――(今、儂は身体を壊して出来んのじゃ)」

「――――――(ではどうすればいいんでしょうか?)」

「―――――――(儂の一番弟子。蓮葉経にも長けている花海にやらせよう。入れ花海)」

「―――(今、紹介に上がりました花海と申します)」

出てきたその人は弥生時代にいそうな髪型の人でそれに水色のアオザイみたいなのを着ていた


「――――(名を申せ)」

「?」

「――――(申し訳ございません。この娘、フォエルトを食べたので)」

「――――(そうかそうか・・ならば)お主名を申せ」

「えっと麻帆です。高瀬」

「―――――――――――――(花海、客人を部屋に連れていけ。くれぐれもシェルビナ語は使うなよ・・客人はわからぬのだから)」

「――――(了解致しました)」


「こちらです」

「あっはい・・・」

連れてこられた部屋は暗幕が垂れ下がっていて椅子が一脚あるのみの狭い部屋。占い師がいそうで・・どうやって術であたしの髪を染めるんだろう?


「ここにお座りください」

「あぁはいっ」

「痛くはしないので力を抜いて目を瞑ってください」

「はぁ・・・」


瞳を閉じて2、3秒後したら終わりましたよって言われた。そして鏡を渡された・・・手鏡を見るとあたしの髪は綺麗なクリーム色になっていた

「うわぁ・・・・」

「ではあちらに」

「・・はぁはい」

元々肩までの髪型は変わらないのに金髪になったというだけでずいぶんとイメージが変わった気がした。眉とか睫毛もどうせなら統一して欲しかった

緋琅はあの山姥と話してた。あたしが戻ると顔色一つ変えずに緋琅はこっちを見てた


「ではお金は送っておきます。では」

「あっえっとありがとございました」

「また待っておるぞ」

 バタン


「これで・・一つ終わったな」

「何が?」

「次は穴を開けるんだ。どうやら開けてないみたいだしな」


「・・・耳!?」

「あぁ」

「どこで?」

「それくらいの術だったら俺にだって出来るしな」

「・・・・血まみれになりません?」

「ならない」

「あぁそう・・どこでやるの?」

「あの部屋」

「・・・また戻るんだ」




家に戻って、待ってろと言われてすることもなく慣れない違和感に落ち着かない・・。枕もないし薄い掛け布団一枚は結構夏場なのに寒かったりする


トントン

「誰・・・?緋琅?」

ガチャ

「ほんとに開けるの?」

「あぁ」

「なんで開けなきゃいけないの?」

「この国では女はたとえ赤ん坊でもピアスをしなければ女だと認められないんだ」

「じゃあなんで男の緋琅がしてるの?」

「・・・趣味で」

「そっち系?」


「日本で着けてたからしてるだけだ。女装に興味はない」

「な〜んだ」

「じゃあ静かに力抜け。俺が耳に触れたらもう開いてる」

「・・超魔術っすか?」

「静かにしろ」

「はいはい」


何をされてるのかはわからないけど、穴が開いたのかすらわかんないけど緋琅が触ってみろと言ったから触ると膿んでもないし何かへこんでるって感じで驚いてる間に緋琅に何か重いピアスを付けられた


「何?何?」

「真珠と小さな羽根だ」

「・・・派手じゃない?」

「そうか?似合うと思うけど・・・」

「あぁ・・そう」

今までずいぶん冷たい扱いされてたのに突然似合うと言われて自分の頬が熱くなるのがわかって超近くであたしのピアスを付けてる緋琅の顔が見れなくなって。耳元で聞こえる冷たい口調が余計恥ずかしくなる


「あと・・」

「えっ?」

「名前。修行する際には本名を名乗らない。その時の名・・俺が付けてもいいか?」

「えっ?」

「本当は自分で意味を調べたりするんだけどな・・シェルビナ語なんてわからないだろ?」

「うん・・・あのさ聞きたいことあるんだけど?」

「なんだ?」

「今あたしは日本語を話してるんだよね?」

「俺はもう日本語は片言になりかけてるからな・・・。今はフォエルト語だ」

「・・あたしじゃあ2ヶ国語話してるの?」

「まぁそういうことだな」

「・・でもここ以外じゃ使い道ないし・・この言葉」

「でもここじゃ日本語は必要ない」

「・・・そーだけど・・・」

「もう一生日本語を聞くことはないんだ・・」


「ひどい!帰れるかもしれないじゃん」

「帰れないって言っただろ?」

「・・・会ったことがないだけでしょ?もしかしたらあたしだったら帰れるかもしれないじゃん」

「・・・自分だけ特別だなんて思うな」

「・・・じゃあこの国にこーやっていうことは特別でも何でもないわけ?」

「だったら俺だって特別な異人だろ!?」

 

初めてあの冷静で冷たい緋琅が怒鳴った。もちろんそれはそうに決まってる・・だけど誰かに言わなきゃもう自分で認めてしまってるようで怖くて


「帰りたいと思わないの?」

「あぁ」

「なんでよ!?そんなに此処がいいの?」

「俺は日本が嫌いだった」

「何よそれ・・・だからって親にも友達にも・・恋人にだってあたしは会えなくなっちゃったのよ!」

「・・じゃあ神に選ばれた人間だとでも思っておけ。特別なんだろ?」

「・・・・最低!!どうしてそんな風に思えるの!?」

「じゃあ足掻けばいいだろ?足掻けば足掻くほど可能性も希望も失くなる。足掻かずに今を受け止めればまだ無駄な労力をかかずに済むんだ」

「・・・もういい」

「・・そうやって落ち込んでいても何も変わらない。向こうと変わらないここでの自分の居場所を探せばいい」


「・・・・言葉も通じないのに?」

「全て自分には出来ない、出来るわけがないと思うな。時間はかかっても何かを得られたらいいんじゃないのか?」

「何よ!その先生や親みたいな真面目な台詞!出来ないわよ!こんなとこに来て」

 

泣き叫びながら冷静を装う緋琅に全てぶつけてみるけど受け止めてもらえない。ただもっとひどい言葉を返されて傷付くだけ


「・・そうやって泣いて解決するのか?」

「・・・・」

「少しは前向きに生きようと思えないのか?」

「・・・どうやって前向きに生きればいいの?」

「自分で考えろ」

「・・・・」

「じゃあ適当に名前を考えとく」







どうでしたでしょうか?正直キスしてたことを忘れて暴走して書いたせいでなんだか微妙な感じな仕上がりになっていますがお許しください。なんとなく大荒れ麻帆を許してあげてください。そういえば他の竜太達は?とお思いですが友人二人はちゃんと日本に戻りましたが竜太は・・・・そのあたりはもう少しお待ちください

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