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永遠の恋人 前編

もう次回で終わりです。さて楽な感じで進めていきたいです

Map not place 〜神に出逢った瞬間〜     永遠の恋人  前編


「・・・いま何時!?」

「夜になるちょっと前」

「あぁ・・寝すぎた」

その微妙な緋琅の表現の仕方にも関わらず、麻帆は頭を抱えてながら飛び起きた

「確かにたった1日の恋人の日に普通に爆睡してるあたりはすごいな」

「うぅ・・・あんなに浮かれて呑むじゃなかった・・・」

「確かに・・・・朝日が昇っても呑み続けてたしな」

「えへへ・・・」



どうにか二日酔いのなか、ベットから這い出した。そしてふらふらしながらベットを下りたけれど頭痛に神経が捕らわれて思わず足元がよろけた


「うわっ」

「・・・」


硬い絨毯の感覚が自分の頬にくるのがわかった。ふっと頭を上げると男の足を組んだ格好が目に入った

「・・・なんで助けないかなぁ」


よろめきながら足を組んでソファに座っている緋琅の前に立った

そして軽く指を指しながら自分の文句を緋琅に落とした




「助けてよ。あーいう時ってさぁ〜」

「くだらないな。あくまでも俺達はごっこなんだよ」

「ひっどっ」

「だいたい転んだのは自分が呑みすぎたからだろう?」

「だってだって・・・」


「だってじゃないし」

「うぅ・・」




どうやって自分があの店を出たかすら覚えていない

今、ここがどこなのかすらわかんない。もしかしたら緋琅の数ある多くの家なのかもしれないし、ただ酔ってるだけで本当は自分の家かもしれない

何もかも判別出来ないほど酔ってることくらいしかわからない。多分10時間くらいは寝たんだと思うけど、さっぱりすっきりしないのはなんで?

眠気はないのに胸にあるのは吐き気と後悔。呑みすぎた自分への懺悔の念と寝すぎた自分の精神に悔やみが出てくる


重い頭を揺らしながら緋琅の僅かな厚意・・一杯のお茶をすすりながら飲んだ。そして自分が明日の今頃誰かの妻になってるという話を頭の底から思い出した



「キスとかあゆさんと何回したことある・・?」

「・・はぁ?」

「恋人だったんだからあるんじゃないの?」

「・・・なにそれ・・嫉妬でもしてんの?」

「・・べっにぃ〜」


「その態度かなりむかつくって知ってたか?」

「ぜ〜んぜ〜ん」

「まだ酔ってるだろ?」

「ちゃんと寝てたから平気だよ」

「寝てたわりにその態度はどうかと思うけどな」

「そう?」

「ある意味それで酔ってなかったらそれはそれでどうかと思うけどな」


「じゃあなによぉ」

「なんでもない」


本当はもっと違うことしてたい。もっと何かを残したいのに何も出来ない。酔ってる所為なのかただ恥ずかしさで何も出来ないのか

そういえば・・剛はなにしてるんだろ?ってあたしってなんなのよ

だいたい竜太とはっきり別れてないのにこんなに全部がいい加減でなのに緋琅を最後まで足掻きながら好きになってただ馬鹿みたいじゃない

なんなんだろう・・・だんだん不思議と罪悪感が芽生えてきた



「もうわかんない・・・」

「なにが?」

 

ソファに横になりながらそう呟いたとき、緋琅は顔をその言葉にしかめた。そしてただ麻帆を見つめてふっと笑った


「なんで?なんで?そこで笑うかなぁ〜」

「だいたいお前家帰る気ないのか?」

「だってダルイし」


「なんだそれ」

「ダルイの・・・二日酔いなんだから仕方ないじゃん」

「呑み過ぎた自分が悪いということに気付くのにも時間が掛かりそうだな」

「・・・・時間なんてないもん」


「あぁそうですね・・・」

 まるで他人行儀のようにそう返事した緋琅の態度に今度は麻帆が顔をしかめた

「そうです・・ってそんなに適当なリアクションなくない?」

「じゃあどうしろと?」


「もういい・・・」

「帰るか?」

「居てほしくないんでしょ?」

「お前はいつからそんなにネガティブになったんだ?」

「そりゃなるよ。この状況じゃ」

「そういうもん?」



「ってか何も考えずにあたしとあーいう契約したでしょ?」

「そんなことはない・・?」

「あぁはてなが出てる感じなんだ」

「よくお察しで」



こんなしょうもない会話で1日が終わってしまうなんてこと認めたくないし、考えたくない

緋琅は何も感じてないの?いつもどおりで、いつもの茶髪でいつものピアスでいつもの口調。格好だって特別なものじゃなくて、緋琅にしてみたら

今日という1日はそんなに重要なものじゃないのかな?って思ってる

緋琅を見つめて、好きだって思うのと同時に心の片隅に剛や竜太のことが浮かんでは消えた。もう・・・自分が何をしたいのかわからない

この人に愛してもらいたくこんなに足掻いてるのになにも出来ない。愛してなんて一言言ったらきっとあたしは愛してもらえない

 

そんな矛盾が胸から離れない



「どうしたんだ?堕ちてたのか?」

「うん・・・堕ちてたかもしれない」

 

少しだけさっきよりも語尾が優しい。そんなちょっとした変化で心のどこかで報われた気がした。恋愛って一体どんだけ精神的に痛いものなんだろう。少しのことで一喜一憂して・・・自分の気分がこんなにも簡単に他人に書き換えられてしまう

なんて・・・・いくつになってもこの神秘だけは検討もつかない・・そんなこと15歳の中3の女子が言うことじゃないけど





「明日緋琅は来てくれないの?」

「は?俺が何しに?」

「・・・いてくれるだけでいいんだ」

「明日は俺のなんでもないんだ」

「そうだけど・・・せめて行きだけでも・・」

「・・・・そんなんで式挙げられるのか?」

「あたしは緋琅だけだもん」

「へぇ〜」

「へぇ・・って」



 

なにをするわけでもなくて、ただなにも出来ずに時間が過ぎてく

 

こんなこと求めたわけじゃないのに・・・言ってほしい言葉は喉で詰まり、してほしい願いも伝えることが出来ない



こんなんであたしはいいのだろうか?って思える

悩んでも悩んでも明日は来てしまうんだ・・・逃げることすら出来ずに


中途半端な終わらせ方はいかがなものかとおもいますがお許しを

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