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君がスキです・・・前編

えっと・・中学生がお酒を呑んではいけません。これを心得てお読みください

Map not place 〜神に出逢った瞬間〜  ? 君がスキです・・・ 前編


結局、行き先も知らないまま馬車で眠りに着いた麻帆。大嫌いな最悪男の肩に寄せて・・麻帆が眠りに着いたと同時に緋琅はある人物に声を掛けられた


「今日・・でしたね」

「あぁ」

「隣の少女が・・・ですか?」

「あぁ」

「お名前は何と申されるのですか?」

「愛姫」

「いいお名前ですね」

「本人はどこまでわかってるんだか・・・」


「お悩みになりましたか?」

「そうでもない・・・・初めて逢ったときに決めた」

「すぐに式を迎えるんですか?」

「少しは神娘をやらしてもいいが」



「もうすぐ店に着きます」

「・・そうか・・。おい麻帆起きろ」

「んっんん・・」

「起きろ・・もう着くぞ」


「・・だから・・どこ行くの?」

やっと見慣れた金髪。遺伝子を術で変えるのか、いくら経っても彼女の生えてくる髪の毛は金髪だった。彼女の髪はいつの間にか肩よりもずっと伸びてた・・。ピアスもごろごろ付けて、今日の格好も昔に比べて露出が多くなってる

起き抜けの彼女は光を失った窓を見つめて自分がずいぶん寝ていたことに気付く


「ここで構わない・・細い路地だ・・馬が入れないだろう」

「そうですか・・」

「早く降りろ・・」

「暗くて足元見えないし」

「俺についてこい」

「はいはい」



暗い路地をしばらくついて歩いたところで、緋琅は止まった。店らしき看板にはシェルビナ語で何か書いてあった。もちろん麻帆は読めない

「ねぇこれなんて読むの?」

「エトランゼ・・・フランス語で異邦人」

「えっってことは・・ここのオーナーはフランスのひと?」

「嫌・・・東京の人間」

「うわ〜やった日本語通じる!でもここ何の店?怪しい系がしなくもないし」

「勝手に人の行きつけの店をどこぞの風俗店と一緒にするな」

「風俗って・・・緋琅って行ったことあるの?」

「ありそう?」

 

店のドアノブに手を掛けたまま、実に下品な話をし続ける二人・・ちなみに21と15歳。当たり前に成人者と中学生

「・・・なくもない・・」

「そんなに俺って汚れてる?」

「いやぁ・・・」


「悪いけど俺行ったことないから」

「純な方なの?」

「・・・・俺は行かずとも寄って来るんだ・・女が」

「うわーうわーうわー」

「入るぞ」

「えっじゃあここはそういう店じゃないの!?」

「いいから」


緋琅が開けて入るとそこはレンガ造りでカウンターにも個室にもどうやら満席でワインなどが並び、ホステス系のお姉さんもいたりオレンジの暖色系のランプ。決して明るい部屋じゃなく・・ほんのりした明るさ。ドアを閉めるとベルの音が人々が酔いしれる店に響いたベルが鳴ると同時に一人の店員が店の入り口に現れた。そして麻帆には理解できない言葉での会話が始まった


「―――――」

「――――!?」

「――――」


「こいつが麻帆」

「へぇ・・いらしゃいませ」

「あ・・・高瀬麻帆といいます」

 

こっから懐かしい日本語・・意識してティファン語から日本語に変えてるのかは自分でもよくわからない。いわゆる無意識ってやつ

「俺は佐原由都・・ここでは一応店長をやってる」

「普段はこいつはユウって呼ばれてる・・・俺とタメだ」

「ユウさん・・よろしくお願いします」


「二人は何飲む?」

「俺はいつもの・・・」

「いつもの・・?」


ユウさんに案内されてカウンターに連れて来られた。緋琅は置かれたグラスを軽く飲み干した

「それ・・なんていうやつなの?」

「これは・・多分カクテルの一種なんだろうな・・名前はこいつが勝手に付けてるけどな。酒もこっちにしかないようなものを使ってるみたいだな」

「その黒いのは?」

「あぁ・・これ?ユウが『デビル』って付けたけどな・・」

「これ・・黒いですね。イカスミみたい・・」

「あははイカスミじゃないよ。こっちにある葡萄の種類。ワインに近いものだよ・・麻帆ちゃんは何がいい??」

「えっと・・・アルコールがあんまりないやつ?」

「じゃあじゃあ新作!『プリンセス』呑んでみ」

 そう言って出されたものはパステルピンク色したカクテルのようなもので緋琅の酒の真っ黒に近い酒とは大違いだった

「いただきます・・」

「そんなに少しずつ呑めなくたっていいだろ?」

「・・・・おいしいです!甘くて」

「どうせすぐに酔うんだ」

「酔わないもん!もっと強いのください」

「味わえよ・・・」

「そっちみたいに一気飲みじゃないもん!」

「いいの?緋琅彼女に呑ませちゃって」

「いいんじゃないのか?」


「じゃあ・・さっきのよりも甘い『レイ』・・紅い元はラズベリーに似てる果実なんだ」

出されたのは綺麗な赤ワインのような色したその酒は鼻を近づけると甘く独特な酒の匂いが15歳の娘の嗅覚を襲った

「うわぁ・・・ウイスキーみたい・・・いただきま〜す」

 

恐る恐る呑む麻帆を尻目に速いペースで呑み続ける緋琅。隣で飲み干した彼女はハートが頭の周りに飛び交っている・・それはおそらく酔いの証拠


「やっぱり麻帆ちゃんには強かったかぁ」

「15でそんなに呑めたらよほど遊んでるんだろうな」


「う゛う゛ぅ〜」

「ほらな酔っ払った」

「平気!?麻帆ちゃん!?」

「おいしい〜!!」


「「えっ!?はっ!?」」


「これすっごくおいしい〜もう一杯ください」

「強いんだね麻帆ちゃん。もっと強いのいく?」

「なんならこの『デビル』呑みたいです」

「お前・・・15のくせにこれすらも呑みたいのか!?」

「呑みたい呑みたい」

「ただの駄々っ子じゃないか」

「じゃあ・・・はい」

「一気でいっちゃいま〜す」

「ここはキャバクラじゃない・・神妃さん」

 

本当に有限実行の麻帆は一気呑みを果たし・・ゆっくりと飲み干したグラスをテーブルに置いた。そして真っ赤になった自分の顔を手で仰ぐ

「吐くなよ・・」

「あぁ〜おいしい。甘くないし辛いけど・・大人って感じ?」

「しっかし・・・緋琅・・。神妃って気が早いんじゃない?」

「そうか?まぁ・・・どうしようとも神次第だな・・」

「ってか・・・彼女はどこまで知ってんの?」

「こいつの神娘名・・愛姫。意味は愛する女。その意味は知ってるみたいだな」

「誰が付けたかも!?」

「そこまでは・・・知らないみたいだな。麻帆?」

「なに〜なに〜」

「この酔っ払いに何か呑ませてやれ」

「じゃあ・・・二人に捧げましょうか!『ハッピーウェディング』」

「なんか綺麗な名前〜幸せな結婚ってこと?」

「・・・お前なユウ・・」

「二人で呑んでくださいな〜」

 

グラスには白いカクテルには白いヨーグルトムースとポッキーのような棒状のチョコレートが飾られていた

「じゃあ緋琅かんぱ〜い」

「はいはい乾杯」


「この名はどっからひっぱって来たんだお前・・」

「まぁこの品は全てが企業秘密ってことで」

「でもシークレットなカクテルって素敵〜」


「麻帆ちゃんはもっとレベルアップする?」

「するする。します〜」

 

完全に出来上がってる麻帆に追い打ちを掛けるように『コフィン』という名のエメラルドグリーンのカクテルの濃淡があるかなり強い酒を出した


「いただきま〜す」

呑んだ瞬間、いままでとは違ってカウンターテーブルにつっぷしってしまった麻帆。そしてそのまま微動だせずに泥酔してしまった彼女を尻目に緋琅は麻帆と同じ『コフィン』を注文した

「これって甘いのか?」

「まぁ麻帆ちゃんに薦めたものだからね」

「俺あんまり好きじゃないんだけど・・まぁいただくわ」

「どう・・?」

「甘い」

「その前にこれ強いでしょ!?」

「まぁまぁ・・」

「でも麻帆ちゃんはお前の何倍も呑んでるんだから」



麻帆が起きたのは幽霊が闊歩する時間帯になる頃だった。12月の深夜に露出の多い格好をしている麻帆は当たり前の如く震えながら路地を歩く

「でも・・・なんでお金いいの?」

「まぁ俺は常連だからな」

「ツケってやつなの?」

「まぁ・・な。向こうの大通りに馬車が停めてある。そこまでは寒さを我慢するんだな」

「あのねぇ・・・ほんと寒いんだから。なんで緋琅は平気なのよぉ」

「まだ酒が残ってるから身体中が熱いからな」

「ってか緋琅はどこに住んでるの?」

「そこら中に家はあるけど」

「だからどんだけお偉いさまなの?」




 ガチャ

「・・・・!?」

「「おかえり〜」」

「剛はわかるけど・・なんでなんであゆさん!?」

「まぁ色々あったのよ・・・でもこんな真夜中まで何してたの?」

「遊んでた」

「誰やねん。男だったりしたらほんましばくで」

「もしかして緋琅?」

「そうです・・・お酒呑んだたら」

「未成年やろ?あんた・・」

「うん。バリバリの中3」


まだまだ麻帆の夜は長い



えっと・・後編でやっと・・・誰かさんと誰かさんがくっつきます・・・わからない人はおそらくいないでしょうが

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