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幼い頃に抱いた夢。

私は決して忘れない…例え明日空腹でも眠れるベットが無くとも抱いた信念。

私自身の存在意義、それは誰一人侵す事など出来ない至高の夢、私の生きる意味そのもの。それは…


悲しみの無い世界を創ること…


自分以外でもいい、自分の知らない誰かでもいい、悲しむ顔は見たくない。泣き声だって聞きたくない…


誰かが寂しければ歌を歌おう、誰かが空腹ならこの身を呈して食べ物を探そう…


幼い頃からの夢、今だって燻っている至高の俺の倫理。


誰にも迷惑かけず誰もが笑っていられる世界を創りたい


明日彼女が化け物に襲われるならナイトになって戦おう。

この身が砕けても倒れるまで戦おう。


そう、私は騎士になりたい。

無敵でなくてもいい、せめて誰かを救える力が欲しい…

例え明日から敵呼ばわりされても絶対曲げられない信念


誰かのために戦おう。


世界がなんで有るかなんて関係ない、決めたら突き進むだけ。

始めから勝てる勝負なんて思っちゃいないさ。

全力で砕けるまで、でも私の心は必ず残る…愛した彼女の下にもきっと……




次の日の早朝誰もいない公園に来た月人は趣味で始めたギターを片手に一人、英語の歌を歌っていた。



川島からの話しは考えさせてくれと一度施設を離れたのだ……

ここ最近色々な事が多くて自分を省みたかった、気づけば早朝から自分の歌を口ずさんでいた。快晴の朝の冷たい空気が少しずつ月人の悩みを消していくようだった。


「月人くん、おはよう」


不意に声をかけられた先には京子が立っていた。


「きょ、京子…お早う。何時から居たんだ?」


ギターを地面に置きながら月人が恥ずかしそうに京子を見る。


「今日はお休みだから散歩してたら歌が聞こえたから…月人くん真剣だったし悪いかなぁ?って。」

恥ずかしがる月人に京子が少し笑いながら話しを続ける。


「歌、上手なのね。誰の曲?」


目を輝かせて聞く京子。

「人に聞かせられる程じゃないさ…自作だよ。」


森に囲まれた早朝の公園で月人が空を仰いで呟く様に言う。


「そっか…ね?最初から聞かせてよ!」


真剣な眼差しで月人にせがむ京子。


「うっ!…今日はもう歌う気分じゃないから」


冷や汗と一緒に首を素早く横に振る月人


「そう?じゃ何時ならいいの?」


珍しく食い下がる京子が半目て月人を見上げている。


「そ、そうだな…今日は今からバイトだから深夜かな」


月人がまさか京子が深夜自宅を訪れまいとたかをくくって話す。


「そか…じゃ、決まりね。私夜にお邪魔します。」

京子がニコッとして月人を見る。


「本気か?京子危ないからよせって」


血相かいて言う月人。


「心配してくれるんだ…じゃ、合い鍵貸してくれる?」


何があったのだろうか?京子が諦める気配が無い…昔一度こんな事を経験したことの有る故に月人は諦めてうなだれる。


「…分かった。鍵」


凹みまくる月人。


「そ、分かれば宜しい…じゃ夕方お邪魔します」


軽くにこやかにして歩き始める京子。


「京子…何があったんだ?」


楽しそうにスキップを踏みながら帰る京子に疑問を抱く月人だった。


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