タイトルは面白そう 舞踏会
本作は、豪華な舞踏会場を舞台にしたコミカルな短編ドラマです。
ここは豪華な舞踏会場。シャンデリアが輝き、音楽隊が軽やかなワルツを奏でている。
招待客たちは談笑しながらグラスを傾け、華やかな夜を楽しんでいた。
だが映画監督・大馬 鹿門の頭の中は映画のことでいっぱい。
余興も料理も上の空で、理想のヒロインを探すことしか考えていなかった。
ドアが開く音「ガチャリ」
二階のバルコニーから現れたのは、カクテルドレスをまとった一人の美女。
ゆっくりと螺旋階段を下りてくる姿に、場の空気は一瞬止まった。
「おおっ……美しい、まるで天女の様だ!」
嘉門の目は美女に釘付け。
細面の顔、ほっそりとした肢体、優雅なしぐさ。監督魂が爆発した。
嘉門は「ダダダッ!」と階段を駆け上がった。途中「ズルッ!」と足を滑らせそうになる。
嘉門 「おっとっと……!だが芸術のためなら転んでいられん!」
美女の前、踊り場で片膝をついた嘉門は両手を広げて叫ぶ。
嘉門 「あなたこそ理想のヒロインだ!ぜひ、私の映画に出てほしい!」
観客「おおー!」とどよめき、拍手を送った。
美女 「え、え?……ヒロインって……俺、男なんですけど」
場の空気が凍る「シーン……」
観客「えええええっ!うそでしょ」
父親 「はっはっは!実はこいつ、さっき舞踏会場の余興でオセロをやって私に負けたんだ。罰ゲームで女装させたら、ほらこの通り!源氏名もつけたぞ、カトリーヌって、なっ、カトリーヌ」
カトリーヌは両手でほっぺを抑え、カアッと顔を赤らめた。
「もうっ、 今日だけだからな!おやじ、わかってる?」
父親 「わかってる、わかってるって……でも似合ってるぞ、カトリーヌ!」
カトリーヌ「だからぁ、カトリーヌって呼ぶな!」
観客B 「カトリーヌ!」「カトリーヌ!」
カトリーヌ「呼ぶなって!」
嘉門 「……いや、性別も罰ゲームも関係ない!君こそスクリーンを支配する!」
カトリーヌ 「えぇー……でも、そんなに言うなら、考えてみますけど」
会場は観客A「ハハハハ!いいぞ、カトリーヌ」舞踏会場は拍手につつまれた。
こうして大馬 嘉門監督の理想のヒロイン探しは、舞踏会場の笑いとオセロの罰ゲームから始まったのであった。
短い時間の中で、笑いと驚き、そして芸術への情熱を感じて頂ければ幸いです。
本作が、心に小さな余韻と微笑みを残すことを願っています。




