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汚れ

作者: イルカ蝉



もう忘れていい


もうそれで苦しまなくていい


それでも


その過去を生きてきたから今の私がある


その過去を消したら?


私は誰になる?


私は死ぬ


過去の私は今の私に殺される


人は忘れることで


生まれ変わると言うけれど


その前にみんな自分を殺してる


死ななきゃ生まれ変われない


殺さなきゃ


過去の自分を


殺されなきゃ


私は誰かになれない


過去がへばりついてくる


過去はナイフなんて持たない


過去は銃なんて使わない


過去は私を呪うのに何も必要としない


ただ過去がそこにいるだけで


私は殺されなきゃいけなくなる


もういいんだ


その言葉は


そんな言葉は


私にかけられる必要なんてなかった


救われることは幸福じゃない


不幸にならないと救われない


なら


救いは不幸の象徴じゃないか


私は幸せになれない


救われてゆくのを実感するたびに


救われなきゃならない私を呪う


私を消し去るたびに


消し去らなければならない私を呪う


幸せを受け入れてはならない


幸せを私のものにしてはいけない


いつでも不幸の側から


幸せを渇望しなければ


幸せを享受できるという幸せを


私はいつでも渇望しなければならない


しかしそれは不幸ではない


幸せが埋もれないよう


輝きを失わないよう


私が幸せを望む限り


私が幸せを呪う限り


幸せは美しく輝く


そして誰かがそんな幸せを


なんの気もなしに


受け取ることを


祝福しなければ


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