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第二話「城下町」

誤字あったらすみません。


実の父親に刺され、命を落としたが何故か異世界に転生した男 相馬零司。

自分がどういう場所にいるのかを確認する為に怪物に襲われていた魔法使い見習いの

少女ミレアと共に向かう先にある城下町に向かう事にした。


ザッザッザッ

「…」「…」

零司とミレアは道中無言で歩いて向かっている。

零司の方は無口なので気にしてないようだが

ミレアは何か零司から圧を感じているような気がした。(そんな圧は零司は出していない)


(二人で歩き出してから何も喋らないけど、さっき無理やり誘ったの怒ってるのかな…?)チラッ

「?」ギロ

「ヒッ、あ…あの、何か怒ってます?」

「いや。」

「そ…そうですか。相馬さんは城下町に着いたら人道軍に入隊志願をするのですか?」

「人道軍…?」

人道「軍」という初めて聞く言葉に興味を持つ零司。

「人道軍を知らないんですか?暴虐非道の魔道軍に対抗する唯一無二の正義の勢力ですよ!私は街に着いたら魔法使いとして志願します!」

「正義…か。」

「しかも今から行く城下町の人道軍にはあらゆる魔法を使いこなす魔法使いや、人の中では最強と言われている騎士がいるんです!」


人道軍の事を話しだすとテンションが上がり気味のミレア。そんなミレアの話の中で零司は最強と言われている騎士の事が気にかかった。


(最強の騎士か…)

「今は魔法使い見習いだけど軍に入れば魔法を覚えて、さっきのゴブロとかぱぱっと退治して…!」

一人は騎士の事を考え歩き、一人は独り言?を言いながら街へと向かった。


------------


そんな二人の道中に零司が倒した怪物がまた姿を現す。

「グッ゙グッグッ゙グルル…」

「ヒッ…!相馬さん!さっと同じやつのゴブロです!え…3体もいるの…。」

「…。」

ゴブロと呼ばれた化物は、今度は3体で現れた。

「ギヒギヒギヒ…!」獲物を見つけたと言わんばかりに醜悪に笑った。

「完全になめてるなー!

 さっきは突然で使えなかったけど、

 私だって、攻撃はできるんだから!」シュルシュルシュル!!

そう言いながら両手を前にかざし風の渦を生成するミレア。

そしてゴブロにその風をぶつけた


 「やぁぁー!」ヒュゥゥゥー

    ゴォォォォ!

「グォ゙!?」「ガッ!?」「ギヒィ゙!?」


ゴブロにその風は直撃したのだが、威力が弱く体に風圧がかかっただけだった。

「ギヒギヒギヒ!」「ガガガガ…!」

「そ…そんなぁ。」

「…!?」

だがそんな効いていない魔法だが、初めて見る魔法に驚いた零司だった。

(今のは何だ…!ここは本当に俺がいた世界ではないのか…!)

考え込む零司をよそにゴブロは二人に襲いかかった。

「ソウマさん!」

「ギュァァ゙ー!!!」「グォ゙ォ゙ォ゙ー!!」「ガォォォ!!」

3体一斉に迫りくる化物を前にして零司は笑った。

「…」ニヤァ…!


「ギュァー!!!」棍棒のように太い腕での振り下ろしの拳のゴブロの攻撃をかわし

「うぉぉぉぉ!」ブォッ!

まず一体目の脳天にストレートの一撃で一体目を沈める。ドンッ!「ギャォォォ!!」バタン!

そして2体目に回し蹴りを頭に決める。

ゴスッ!

「ァ゙…ガ…」バタン…


「すごい体術…。」

ミレアは零司の動きを見て自分達の危機を忘れた。

「ギュァー!!」ドッドッドッ!

体当たりをしてくるゴブロを体で受け止め

その3体目を持ち上げ脳天から叩き落とした。

「おらぁぁぁぁ!」ドゴーン!!


ピク…ピク…ピク「」「」「」3体のゴブロは息絶えた。

「…。」フゥ

「す…すごい強さです!ソウマさん!軍に入るなら試験合格間違いなしです!」

「あの風は何だ。」

「風?魔法の事ですか?あれは私が今使える唯一の魔法なんです。村の皆には効いたのになぁ…。」

(魔法…ここは本当に俺がいた世界ではないのか。)バキッ!

(…夢ではないな。)

零司は突然自分の顔を殴り、夢かどうか確かめる。

「えっ!?突然どうしたんですか!?」

「行こう。」ザッザッ

「?は、はい!」タタタ…

二人は道中敵に襲われながらも零司が敵を難なく倒していった為、危機に陥る事もなく目的地に近づいていった。

日も完全に暮れた頃にようやく城下町にたどり着いた。


------------


地方人道軍城下町 夜


「やっと着いたぁ〜ご飯食べて休みたいよぉ…。あっ!あれは人道軍の城!すごーい!」

「…。(日本ではないな、間違いなく。)」

町に着いた零司は一番にそう思った。


1日何も食べていない二人は何か食べれる店を探す。


「ソウマさんご飯一緒に食べに行きませんか?道中は何回も守ってくれたし、わたし奢りますよ?」

「…ああ。」

「それじゃあ行きましょう。」

ワイワイガヤガヤ…ギャハハ!ネェヨッテイカナイ?

(夜だから怖そうな人達が多いなぁ…。あ、でもソウマさんも他人から見たら怖いかな)

「…。」

(お店も変なお店ばっかりだし…ん?)


その時ミレアが唯一客が全く賑わっていない居酒屋らしき店を見つける


(お腹空いたし人もいないし、ここでいいかな。)

「ソウマさん、ここにしませんか?」

「ああ。」ガラッ

そう言い二人は店の中に入ると、

「…」ギロ

ガラの悪そうな店主が挨拶もせず、睨みつける。

「…」スタスタスタ…ドスッ

零司は店主を無視して卓に座る。

(うう…変なお店に入ったかも…泣)トスッ

ミレアは後悔しながら零司と同じ卓に座る。

(でもお腹空いたし、きちんとお金払えば何事もなくご飯食べれるよね。)


そしてミレアがメニューを見ながら何にするか悩んでいると、ガラの悪い声が聞こえその声の持ち主達が店の中に入ってきた。

ガハハハハ!ギャハハハハ!バタン!

「おい店主!酒だ!酒持って来い!」「ガハハハハ」

(えぇ…泣)

入ってきたチンピラじみた男達を見てミレアは心の中で泣いた

この店はこの男達の飲み場だった。

「(お客さんがいなかったのはこういう…)あ…あの!すみません私達出ていきます!行きましょうソウマさん!」ガタッ!

ミレアは零司の手を引いて、店を出ていこうとする。だがチンピラ達はそれを許さなかった。


ガシッ「おいおい待てよ俺たちが入ってきて出ていくなんて酷いぜぇ。」

「男は出てってもいいけどよ!」

「離してください!」

「おお、ガキかと思ったら結構かわいい顔してるなぁ…!よし!今日はお前にこの店で俺達の相手してもらおうかなぁ!」

「気をつけろよぉ〜!ボスは酒に酔うとどんなことするか分からねぇぞぉ〜。」ギャハハハハ!!!

「オ゙ラぁ!」グイッ!

ボスと呼ばれた男がミレアを引っ張り、乱暴に座らせる。

「きゃっ!?」ドタッ!

「おい、てめえは出て行けよ。ここは俺達の飲み場だからよ!」グイッ

「…。」

チンピラの下っ端が零司に怒鳴り、追い出そうとする。

「それか痛い目みてぇのか!?あぁ!?」ガシッ

チンピラは零司の胸ぐらを掴みあげようとする。その瞬間零司は笑った。

ガシッ…グオッ!「…!!!」バキャーン!!!

零司はチンピラの頭を掴み返し、床が抜けるほどの力で叩きつけた。

「…」ピクピク…!

「て…てめぇ!」「ぶち殺してやる!」シャキン!ダダッ!

それを見たチンピラ達は武器を構え零司に襲いかかる。その状況で零司はチンピラに言い放つ。


「運が悪かったんだよ…!

(空腹の俺に喧嘩売りやがって)てめえらは…!」バッ!


そう言い放った零司はチンピラ達をなぎ倒していく。

バキッ!「ぎゃぁー!」グシャ!「ぐぁぁぁ!」「あ…あ…!」


「いけー!やれー!ソウマさーん!」キャッキャッ!

「ちっ!だらしねぇ奴らだ!」グイッ!

「きゃっ!」

「おい!てめえ!こいつがどうなってもいいのか!?」カチャッ!

「この!離してよ!」バタバタ!

「うるせぇ!暴れるな!」グッ!ギリギリ…!「あ…ぁ。」

零司の強さを見たチンピラのボスがミレアの片手で首を締め顔に銃を当て人質にとる。

「…。」スッ…。

それを見た零司は暴れるのをやめ、ボスと向き合う。

「ヘヘぇ…!そうだ、それでいい…!」カチャッ

そして零司に銃を向ける。

「俺を舐めるとこういう事になるんだ!覚えとけ!」グッ…

引き金を引こうとするチンピラにミレアは魔法を唱える

「こ…の…!」ヒュゥゥゥー!

「な…なにィ!魔法使いだと!?うわぁ!」ゴォォォ!バターン!

チンピラのボスはミレアの風の魔法で吹き飛ばされた。

「…」ニヤリ…!

そしてそれを見た零司はすかさずそのボスに近づき

      「…!」ダッ!

      「や…やめろー!」

       鉄槌を下す。

「うぉぉぉぉぉ!」バキ!ドガッ!ドゴッ!「ぐぁぁぁー!グヘッ…!」ガシャーン!ドサッ

零司の連撃を食らい、チンピラのボスは完全にのされた。

「…。」フゥ…

「すみませんソウマさん。私がこの店に入るって言ったから…。」ぐぅ~「あっ///」

「フッ…」

「えへへ///」


一方その一部始終を見ていた店主は怯えて腰を抜かしていた。

「あ…あぁ…。」ガタガタガタ…

その店主に零司が話しかける。

「おい。店主、ケジメはとれるんだろうな。」

「け…ケジメ…?」

「俺達は客だぞ。喧嘩をしにきたんじゃない。」

「な…なんだと!こっちだって喧嘩されるのは迷惑だ!」

(ソウマさんがあんなに喋るの初めてみた…。)

「そうか…ケジメがとれないなら、分かってもらうしかないな…。」パキ…ボキ…

「ふ…ふざけるな!衛兵を呼ぶぞ!」

「その前にお前にケジメをつけさせる…。」ガシッ!

「ヒッ!?わ…わかった!何が欲しいんだ!」

「分かってるんだろ?」

「ッ…ど…どうせ金なんだろ!持っていけ!」ブンッ!

零司の脅しに怯えた店主は、「ケジメ」として銀貨袋を差し出した。

それを受け取る零司。その後チンピラ達の冒険袋を漁る。

「…。」ガサゴソ…ジャラジャラ…

「ソウマさん?」

「行こう。」スタスタ…

「あっ待って下さい!」タタタ…


「何だったんだ…あの二人は…。」

店を出ていく二人。その後まともな店に行き食べ物にありついた


-----------


騒動の後の飲食店での二人


「ソウマさんこれも食べていいんですか?」

「ああ。」「これも!?」

ミレアが何度も零司に確認をとる。

「じゃあこれとこれも…。あ、これもお願いします!」

チュウモンハイリマース!

ミレアはメニューの中から片っ端に肉や魚料理を頼んでいく。

「ああ、さっきの事で金が入ったからな。お前にも渡したはずだが…。」

「その事は非常に助かりました!ソウマさんと二人分の食事代と大体の自分の宿代のお金しか持ってなかったので!」

「…。(それでどうやってここでやっていこうと思ったんだ?)」

「これで宿もいいところに泊まれますね!」

「ああ。面倒だからお前が探せ。」

「はい!」


    ◇


「あ、この肉料理美味しいですよ!

あーん!」グイグイ

「いい、自分で食べる。」グググ…

「せめてものお礼ですよ!」

「俺が払うんだろ、何がお礼だ。」

「あ、そうだった。何かすみません…。」パクッ

「…(天然なのか…?)」


そうして腹を満たした二人は宿に泊まり、ようやく一息つくのだった。

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