第1話「戦闘狂」
極悪非道の極道の組事務所にて単身で乗り込み暴れまわる男がいた。
「うぉぉぉぉぉ!」ドガーン!
「うわー!」バターン!
「馬鹿が!ひとりで来やがって!」「やっちまえ!」
その名は相馬零司。強さを求め強さに突き進む者。
極道事務所で強い組があると聞き、その組に乗り込んでいた。
「ハジキで撃て!」「しねぇぇ!!」パキューン!
「……!」ヒュン!
「た…弾を、よ、避けやがった…!」
バキッ!ドガッ!
「ギャァァァ!」ドサッ…。
「て…てめえ…覚えてろ…」バタッ。
「極道と言っても群れただけの雑魚だったな…。」
そうして零司はまた強い者を求める。
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(少し…暴れすぎた…)フラ…フラ…
そして何日たったか分からないほど、組系列の事務所を暴れまわり、壊滅させていった零司はボロボロの状態になりながら、帰路に着いた。
ガチャッ…
「うぉぉぉぉぉ!!!」「何ッ!?」ドスッ!
ドアノブを開け、家に入った瞬間に完全に油断をしていた零司は何者かに刺された。
「ヴッ…!?」ガクッ
刺された零司は膝をついた。
「少しは効いたかよ…。」
「ハァ…ハァ…お…お前は…親父……!」
零司を刺した父親は弱っている実の息子に
トドメをさすとばかりに首に刀を何度も突き刺した。
グサッ!グサッ!グサッ!
「ぐぁぁぁ!」ブシャー!
「零司ぃ…!俺の金の為に死んでくれよォ!?」
何度も首に刀を突き刺され、倒れ込む零司。
「お…親父…なぜ俺の家に…」
「お前が極道事務所を潰しまわってる時にその組のヤクザから家を聞いたんだよ!そしてお前を殺せば金がもらえるってな!」
零司の父親は借金で蒸発しており零司が子供の頃に病気の妻と零司を置いて行方が分からなくなっていた。
「て…てめえ…」グググ…
「おっとまだ起き上がるのか。もう一刺しだ。」グサッ!
「ぐっ…」バタッ!
何度刺されたかも分からない零司は意識を失いそうになるも、まだ致死には至っていなかった。そんな状況の家の中に一人のヤクザが入ってくる。
ガチャ
「おい、まだ殺せてないのか。」
「こいつ変にタフだからな。」
「こういう奴にはやはり頭をハジキとばさないと駄目だな。」カチャッ…パーン!
「」バチャッ!
頭を撃たれ完全に死に絶えた零司と思われたがまだ薄い意識があった。
「約束の金だ」
「100万円確かにもらったぜ。」
薄れゆく意識の中、零司はそのやり取りを聞いた
(そんな端金で俺は殺されたのか…。)
そう思った瞬間完全に零司は息絶えた。
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ザザザザザ…
「ハッ!?」
死に絶えたと思った零司は不思議な場所で目が覚めた。
「…?」
さっきいた殺伐とした家の中ではなく森の中に零司はいた。
「(俺は殺されたはずだ…あんな金額で。)」
零司は、殺される瞬間に聞いたヤクザと父親の会話を思い出し落ち込んでいると、
「キャー!」
女の悲鳴が聴こえた。
「…!」タタッ
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悲鳴のした方に行ってみると黒い服を着た少女と豚とゴブリンを掛け合わせたような体長2mはある見た目の怪物が少女に襲いかかろうとしていた。
「あ…ああ…」「ギォ゙ォ゙ォ゙グバァァ!」
少女に迫る怪物。怪物が少女に覆いかぶさろうとしたその時。
ガシッ!
「え…?」
「オラァァァ!」ドガァーン!
その怪物を零司が拳の一撃で吹き飛ばした。
「グバババギャー!」バターン!
(思わず殴ったが、何だ…こいつは…?)
「グォォォ!」
怪物は体制を立て直し零司に襲いかかる
「…」グッ…!「うぉぉぉぉ!」
零司は拳を握り、向かってくる怪物に拳を振るう。
「うぉぉぉぉ!」ドゴーン!
「グァァ゙ォ゙…」バターン!
怪物はその攻撃に耐えきれず倒れた。
「何だ…こいつは…?。」
襲われていた少女を助ける為倒したが自分がいた世界にこんな動物はいなかったと思い、疑問に思った。
そして少女が声をかけてきた。
「あ…あの…、助けてくれてありがとうございます。」
「…ああ。」
「わ…私ミレアと言います。あなたは…?」
「相馬零司だ。」
「ソウマレイジさん…ですね。」
「あの…ソウマレイジさんはこの森で何をしていたのですか?後ソウマレイジさんはどこに向かおうとしてたんですか?」
「…ソウマでいい。」
「あっ…スミマセン…。分かりました。」
顔が強面な零司にミレアは少し怖がる。
「特に目的はない。」
「そうなんですか…(少し怖いけど、強いみたいだしこの人に地方人道軍の所まで着いてきてもらえないかな…)」
ミレアは魔法使い見習いで、住んでいた村からずっと先にある地方人道軍という軍隊がある城下町を目指していた。
魔法使いになる為に村を出て城下町を目指していた所で森の中で怪物に襲われた。
「もしよければこの先にある城下街に一緒に行きませんか?」
「ああ。」
「ありがとうございます!」
零司はここが一体どんな場所なのか確かめる
為、城下街を目指す事にした。
「こっちの方です。行きましょう!」
「…。」
零司とミレアという少女は城下街を目指す。
お互いの目的の為に。