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霊界物語  作者:
3/4

第三話 強敵との友情


そして、次の日。俺は団子屋に来ていた。


シクにおすすめの場所は他には無いのかと聞いた。すると、この団子屋がおすすめだと教えてくれたので、来てみたという感じだ。


「うまいうまい。」


と言いながら俺は団子を15本食っていた。


「モグモグ。ゔっ。」


喉に詰まってしまったのだ。


だが、お茶を丁度飲み干していたのでかなりまずい状況に陥ってしまった。

だが、ピンチな時に救世主は現れるのである。


「ハイ。お茶。」


店員さんがお茶を入れてくれたのだ。


「ングング、ぷはっ!ふぅ、助かった....」


「もう、お客さんは良い食べっぷりだけど一気に食べ過ぎ。今度からは気をつけること。」


「はぁい。」


よく見るとまだ幼い。10歳くらいか?


「あ、お客さん。もしかして、12歳かそれ未満だと思ってない?」


「え?まぁ。」


「残念!これでも私おとなだよ。」


「え!?」


「これだから、見た目で決めつける人は....」


「やれやれね。そんな事してたらいずれ足元すくわれるよ?」


「むぅ。」


「アハハ、冗談冗談!」


「じゃ、ゆっくりしていってね。」


そう言うと彼女は店の中に入って行った。


それから、数分後......


「よし、そろそろ行くか。」


「あれ?お客さん。もう帰るの?」


その声の主は先ほど俺にお茶をくれた小柄な女性だった。


「私の名前はルオ。種族は地神で今は団子屋の看板娘として働いてる。よろしくね。」


「ああ。で、何か用か?」


「ううん。今は何でも無い。」


「じゃあ何で話しかけて来たんだよ....」


「一応忠告。八尺様には気をつけて。」


「八尺様?」


「あまり大きな声では言えないけど、八尺様はその名前の通り身長が八尺。2m40㎝もある女の事。」


「ん?それだったら2m40㎝あって女性ならだれでも八尺様扱いになるんじゃ?」


「まぁ、この特徴だけだとそう思うよね。でも、八尺様にはまだまだ特徴がある。」


「例えば、白い帽子と白いワンピースを着用していて。」


「そんで、赤い爪を持ちその赤い爪でぽぽぽと笑いながら襲いかかって来るかなり危険な霊魔。」


「霊魔?」


「霊魔って言うのは端的に言うと邪悪な霊妖」


「霊妖?」


「それは、私達のこと。」


「最近八尺様は18歳前後の霊妖や人間を襲ってる。」


「な、何で?」


「美味しいから。」


「ある霊妖の仮説だけど、18歳前後で人の魂は完熟する。それ以降は腐敗していくという仮説があるの。」


「......」


「だから、そのタイミングを狙って八尺様は魂を捕食しているんじゃ?って言われてる。」


「だから、気をつけてね。お客さん。」


「心配してくれてありがとうな。」


「ふふ、ありがたく思う事ね」


「じゃあな!」


「え!あ....」


「あっ!そう言えば!」


「え!?何!?」


「八尺様って強いのか?」


「うん。結構な手だれだよ。それがどうかした?」


「何でも無い。じゃ!」


「.....元気だなぁ。」


ルオと別れてから俺はシクに聞いたおすすめの場所を順番にまわった。しかし、問題は帰る道中で起きた。


「ぽ、ぽ、ぽ」


俺は思わず後ろを振り向いた。


すれ違いざまに八尺様と思しき女性が俺の後ろに歩いて行くのが見えたのだ。


後ろに振り返ったが八尺様と思しき女性の姿は無かった。


一度瞬きをした。すると、八尺様と思しき女性が路地裏に入って行くのを見た。


「うっ!!」


頭に激痛が走った。そして、目の前が真っ黒に染まった。


「はっ!ここは?」


俺が目覚めたのは路地裏だった。


(路地裏?何で此処に?)


すると


「ぽ、ぽ、ぽ、ぽ」


という声が俺の背後から聞こえて来た。

俺は恐る恐る後ろを向いた。



そこに居たのは白い帽子を被り白いワンピースを来て赤い爪を持った。体長2m以上は有るであろう大きな女がいた。



(八尺様だ....)


一瞬で気づいた。


俺は動けなかった。


動かない俺を見て八尺様はにっこりと笑い

自らの赤い爪を見せびらかす様な構えをしていた。


(....殺す気満々だな。)


俺は咄嗟に身構えた。


「!?」


八尺様は驚いた様に口を半開きにしていたが直ぐに笑った。


「ぽぽぽぽぽぽ!!!」


そう笑い一気に俺との距離を詰めた。

俺の胸に目掛けて一突き!


俺はそれをギリギリで回避し流れる様に蹴りを放つ。だが、八尺様は後ろに飛び下がりいとも簡単に回避して見せた。


(さすがってところか。)


すかさず引っ掻きで反撃して来た。


俺は引っ掻きを回避してパンチをお見舞いした。


だが、八尺様の体は予想以上に硬かった。

そして、俺は八尺様が放った裏拳を避けることが出来なかった。


「う、ぐっ」


目の前が朦朧とした。


(このままじゃ死んでしまう。どうする....!!)


俺は思考を巡らせた。何か思いつくことは.

....何も無かった。


だから、


「ぽ?」


「悪いな、諦める訳にはいかないんだ。」


俺に出せる最大の一撃で.....


俺の拳に青いオーラが流れた。


「ぽぽぽ!」


八尺様は嬉しそうな声を上げていた。


「行くぞ。」


俺と八尺様は同時に地を蹴った。

力と力のぶつかり合い。


「うぉぉぉ!!」


.....俺は頑張った方だと思う。何なら、直ぐに諦める人も居ただろう。そう考えれば俺はよくやったと言えるだろう。


俺は.....負けた。腹深くに八尺様の赤い爪が刺さっていた。


「ゴフッ。俺の....負けか.....」


負けることなど最初から分かっていた。


でも、


「楽し、かっ、たな」


俺の意識はそこで途絶えた.....


(この男....殺すには惜しい。)


私は何故かこの男は死なせてはならないと感じた。


そう思った私が取る行動は一つだった。


(蘇生しよう。)


そう思い私は自らの住む場所に彼を背負い連れて帰った。


(腹部の損傷が激しい....こういう時は....この薬を飲ませれば...)


(この男....これだけの損傷で息がまだ有る。何という生命力....)


男の傷はかなり深かった。普通なら死んでいてもおかしくない位には傷が深かったのだ。


(とりあえず、飲まさないと。)


私はこの男の口を開け薬を流し込んだ。


どうやら液体を飲むという行為はできる様だ。


痛みが和らいだのか男の顔が少し緩んだ。


(よかった。後は....えーと。何すれば良いんだっけ?)


(えーと。確かこの辺に.....あった。)


その紙には蘇生の仕方と書いてあった。


(えと....怪我の具合に応じて薬を飲ませた後包帯で怪我をしてる部分を巻いて魂を安定させれば蘇生の完了。)


(2日ぐらい様子見して起きたら成功で起きなかったら失敗.....)


蘇生の手順を全て終え。一息ついた。


(とりあえず、やれる事はやった。これで目覚めたら....)


(目覚めたらその後どうしよう?)


そして、2日後.....


「う、ん」


「....!!」


「生きてる!?」


(何で生きてるんだ?それより此処は?)


「起きたか。」


「八尺様!?」


「警戒するのは当然だが、今は少し話がしたい」


「大人しくして欲しい。」


「.......」


「分かった。」


「ありがとう。」


「私の名前は知っての通り八尺様。あなたは?」


「.....ソウだ」


「ソウ...か。良い名前だね。」


「お世辞はいい。用件を話してくれ。」


「分かった。なら、単刀直入に言おう。私の主になってくれ。」


「主?何でそんな事....」


「私は戦うことが好きだ。」


「殺しもだろ?」


「それは食事のため。趣味じゃあない。」


「.........」


「それに戦うのはお前も好きだろう?」


「.......」


「違うと言いたげだな。なら何故、あの時、楽しかったと言ったんだ?」


「.....ああ、俺は戦いが好きだ。でも、お前ほどじゃ無い。」


「まぁ、そうだな。しかし、お互いに共通点が有る。それに最近霊魔が何故か力をつけ始めている。」


「自衛のためにも私と主従関係を築いた方がいいと思うのだが?」


「......分かった。ただ、お前の主になるつもりは無い。」


「....?どういう意味だ?」


「友達としてなら良いって事。」


「友達?私とお前がか?」


「ああ」


「ぽぽぽぽ。面白い事を言う。だがまぁ、それも悪くは無いな。」


「友達としてお前にこれをやる。」


そう言って八尺様は純白の勾玉を渡された。


「これを手に握って私の名前を呼べば何処でも私を召喚出来る。」


「此処に移動する事もできる。」


「そういえば、此処って何処なんだ?」


「霊魔の森と言って霊界で一番危険な場所だ。」


「マジかよ.....」


「安心しろ。その勾玉さえ持っていれば一瞬で私とお前が戦った場所にワープできる。」


「そうなのか?なら良かった。」


「これ以上お前に話す事はない。後は、頑張って。」


「ああ、ありがとな。じゃあな。」


俺は勾玉を持った手を突き出した。すると、真っ白な光に包まれ何にも見えなくなった。


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