3話
最後!
食堂の外に出ると、レイが
「このあとはどうするんだ?」
と、聞いてきた。
『少し観光してから、宿に戻ろうと思ってる。』
「了解。」
『レイは何するんだ?』
「俺はセナについて行くよ。」
『わかった。じゃあ、ヘトヘトになるまで付き合ってね。』
「ハァ、、言うと思った。」
『レッツゴー!!』
俺は近くの滝のある湖に行った。そこには幻想的な空間が広がっていた。
『おぉ♪キレイだね♪』
「そうだな。そのまま、じっとしていてくれるか?」
『うん。いいよ。でも、なんで?』
「まぁまぁ。」
俺は言われた通り、じっとしているとレイが魔法カメラで写真を撮ってくれた。
『どうだ?キレイな写真撮れたか?』
「バッチリ。」
『見せてくれよ。』
「うん。いいよ。」
レイが見せてくれた写真には、幻想的な空間に似合わない、俺が写っていた。
『やっぱり、俺は似合わないな。』
「そうか?似合うと思うんだけどな。」
『そんなことない。』
「いや、似合うと思うけどな。可愛いんだから、もっと自信持ててよ。」
『俺は可愛いより、カッコいいがいいんだ。』
「そうか、、」
レイは何故かガッカリしている。
『レイどうしたんだ?』
「なんでもない。」
『そうなのか?ガッカリしているように見えたけど。』
「いや、ガッカリはしてないよ。セナは変わらないんだなぁと、思って。」
『そうか?変わったと思うけどな。主に性別が。』
「性別は変わっても、性格は変わってないからね。セナはセナだな。」
『どゆこと?』
「まぁ、そういうこと。」
『はぁ、、?』
よくわからないが、レイは元気になった。
「じゃあ、帰るか。」
『おう!』
俺はレイの後をおって、帰るために橋の上に橋を歩き出した。少しキシキシ鳴っているが問題はないだろう。
歩きだしてすぐに、バキッ!と、音がした。そして、橋が崩れ始めた。
『レイ!他の人の救助を頼む!』
「セナ!お前はどうするんだ!」
『俺は俺でなんとかするから、速く他の人の救助を!』
「あぁ、わかった。死ぬなよ。」
レイはそう言い、他の人の救助に向かった。
どうしようか。俺は空を飛べるわけでもないし、落ちて死なないわけもない。どうしよう。壁に近づいて壁に掴まろうか。いやでも、この壁はトゲトゲしているから掴めないか。本格的にどうしよう。武器は持ってないから、壁に刺して掴まることもできない。とりあえず、なるべくゆっくり落ちるように両手、両足を広げるか。広げたところで、意味は少ししかないと思うが。
俺はなるべくゆっくり落ちるように努力したが、もうすぐ水面に激突するだろう。そうすれば、死だ。
あぁ、魔王戦で死ななかったのにこんなので死ぬのか。
諦めかけていた俺の体が、突然空中で止まった。
「はぁ、やっぱりなんとかできてないじゃないか。」
『レイ!他の人は?』
「もう全員助けたよ。後はセナ、お前だけだよ。」
『俺が最後か、、』
「セナ、怖かったか?」
『全然。』
「そうか。今から上げてやるからな。」
『サンキュー。』
レイはゆっくり俺を岸まで上げてくれた。正直、怖かったけど、なんとか耐えきった。
「良し。全員助けれたな。」
『レイ、ありがとな。』
「お礼はいらなって。親友を助けるのは当たり前だろ?」
何故かわからないが、心臓がドキドキしている。レイがキラキラしている。レイが、かっこよく見える。そして、頭がふわふわする。
「うん?どうしたんだ?顔が赤いぞ?」
『なんでもない!』
「おっ、おう、、」
レイが直視できない。直視したら、ドキドキし過ぎて喋れない。どうしたんだろう、俺。
俺はこの気持ちがわからないまま、レイと一緒に宿に帰っていくのだった。
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