2話
2話目
外へ出ると、そこはポツンとした場所だった。綺麗な白色なので教会だろう。
『ここ、教会だったんだな。』
「俺の親が埋葬されてる教会で、面識があったんだよ。」
『そうなのか。とりあえず、服屋に行こう。』
「どんだけ、服屋に行きたいんだよ。」
俺はレイを引っ張りながら、王城のある王都まで全力ダッシュした。でも、あまり速くなく、体力もすぐに切れた。
『…ハァハァ……』
「大丈夫か?」
『…体…力が、少……なくな…って…る。』
「仕方がない、おんぶしてやんよ。」
『……ありがとう。』
俺はレイにおんぶしてもらった。
『重くないか?』
「軽いよ。」
『そうか。なら、良かった。』
「このまま空を飛んで行くけど、嫌か?」
『えっ!まぁ、いいけど、、』
「わかった。」
レイは空を飛んで、とてつもないスピードで前進しだした。
『ひゃぁぁぁ!やっぱ、怖い!』
俺はレイに抱き着いた。
「!! 首、首が締まってる!」
『ごっ、ごめん。うぅぅ、、』
レイのクビから手を離して、レイの胸元をガッチリ掴んだ。
……………《五分後》………………
俺はレイから降りて、足を地に付けた。足がめっちゃ、プルプルしている。
『高い!速い!怖い!』
「ハハッ!勇者が!勇者が!プルプル!wwwwww!」
『レイ。レイさん。』
「あっ!やべっ!」
『歯ぁ、食いしばれよなぁ。』
俺は全力全開で、レイを殴った。レイは吹き飛び、木を3本倒してやっと止まった。
力が落ちてる。レイを全力全開で殴ったら、木を10本ほど倒すはずなのに、3本しか倒れていない。
「回復。痛いけど、前より痛くない?」
『力が落ちてるんだよ。多分。』
「ふぅ、魔王に感謝したのはコレが初めてだよ。」
『……もう一発いっとく?』
「許してくだい。次、受けたら瀕死になります。」
『ふぅ〜ん。まぁ、今回は許してやんよ。』
「ありがとうございます。」
『でも、次はないからな。』
「了解しました。」
『しゃあ、王都目指して歩こう!』
「……はい。」
俺はレイと一緒に王都に行った。レイが飛行魔法で飛んで行ってくれたおかげで、すぐに王都の門まで来た。
〈!! 賢者レイ様。お疲れ様です。そちらの女の子は彼女さんですか?〉
『…………ハァ、、勇者だよ。』
〈えっ?勇者は男のはず。〉
『魔王の呪いで、女の子になったの。最悪だよ!』
〈はぁ、、とりあえず身分証明書を見せてください。〉
俺は身分証明書を出した。
〈本当に勇者様?!〉
『だから、言ったろ?』
〈……マジですか、、〉
「とりあえず、中に入れてくれないかな?」
〈………あぁ、はい。どうぞ。〉
「ありがとう。」
『あっ!このことはナイショでお願いね。』
〈わかりました。〉
俺は王都に入って、すぐに服屋に入ろうとしたがレイに止められた。レイ曰く、「王様に会うのが先だろ」とのこと。
渋々、レイに引きずられながら王様に会いに行った。
(勇者ですよね?)
『あぁ、そうだよ。』
(本当ですか?)
『ホントだよ。何回も言ってるだろ、、』
(はぁ、、困りました。)
「どうしたのですか?」
(いや、セナの防具を男用に作ってしまったので、今のセナには着せられないのですよ。)
『俺は男用で、いいんだけど。』
(私が許しません。)
『えぇ、、』
「待って!王様しゃあなくて、女王様だったんですか?!」
(そうですよ?今更、何を言っているのですか。)
「まじか、、、初耳なんだけど。」
『本当に知らなかったのか?』
「うん。ずっとカーテンで隠れてるし、声も低いし、男だと思ってた。」
『………レイ、王様は低い声のこと気にしてるんだよ。』
「えっ!えぇ〜っと、その、誠に申し上げございません。」
(まぁ、今回は許してやろう。しかし、次回はない。)
「ありがとうございます。」
『で、王様。結局、防具はどうなるの?』
(う〜〜ん。作り直しですかね。その間は、防具はなしで過ごしてくださいね。)
『このまま防具を渡す。って、選択肢はないのか?』
(ないですね。今のセナは可愛いんですから、可愛さを引き立てる見た目と性能にしないと。)
『王様?』
(絶対に可愛い防具にしますからね。)
『はぁ、、、とりあえず、俺は帰りますね。』
(はい。防具が出来次第、手紙を送りますね。)
『ありがとう。では、さようなら。』「さようなら。」
(うん。また、来てくださいね。)
俺とレイは王城を後にして、服屋に真っ先に向かった。
俺は服屋に行ったが、レイは疲れたらしく宿行きたいらしく、別れて行動することにした。服屋に着いて、すぐに定員さんに言った。
『すいません。ズボンと服、ありますか?』
〈ありますよ。でも、お客様はワンピースがお似合いになってますよ。〉
『………ズボンと服をください。』
〈はい。わかりました。〉
定員さんはズボンと服を取ってきてくれた。
『ありがとうございます。』
〈サイズはどうですか?〉
『ピッタリです。』
〈そうですか。お買い上げになりますか?〉
『はい。』
〈ズボンと服はセットで銀貨1枚です。〉
俺は財布から銀貨1枚を取り出して、定員さんに渡した。
〈はい。銀貨1枚、ちゃんといただきました。お買い上げありがとうございました。〉
『あの、服とズボンに着替える場所とかありますか?』
〈はい。ありますよ。〉
『貸してもらっても?』
〈いいですよ。〉
『ありがとうございます。』
俺はワンピースから服とズボンに着替えた。
『ありがとうございました。さようなら。』
〈はい。さようなら。〉
俺は服屋を出て、レイのいる宿に向かった。宿に行くとレイが困った顔で座っていた。
『レイ、どうしたんだ?』
「部屋が一つしか取れなかったんだよ。」
『別にいいじゃん、同じ部屋で寝ようぜ。』
「いや、大問題だよ。」
『なにが?』
「ベットが一つしかないんだよ。」
『そうなのか。じゃあ、俺は床で寝るわ。』
「いいのか?セナ。」
『うん。いいよ。』
「ありがとな。」
『いいってことよ。それより、お腹減ったな。何か食べようよ。』
「そうだな。近くの食堂に行くか。」
俺とレイは近くの食堂に行き、俺はハンバーグ定食を、レイはサンドイッチを頼んだ。すぐに料理は届き、俺は料理を食べ始めた。
『うま〜♪』
「ハンバーグ美味しそうに食べるね。」
『そりゃ、お腹すいでたもん。』
「そういえば、セナが倒れてから起きるまでは何も食べてなかったもんな。」
『俺、どれくらい寝てた?』
「ざっと、2日。」
『俺、2日も寝てたの!?』
「うん。」
『そりゃ、お腹すいでるわな。』
俺はハンバーグを食べきった。それでも、少しお腹が空いているので、レイからサンドイッチを一つ貰った。
「デザートは?」
『アイスにしようかな〜♪』
「じゃあ、もらっていいか?」
『いいよ。』
「サンキュー。」
定員さんにアイスを頼むと、すぐに持ってきてくれた。
『うま〜♪』
「俺にも、分けてくれよな。」
『ほい。』
俺はアイスをスプーンで掬ってレイに渡した。
「甘くて、美味しいな。」
『もう、あげないよ。』
「うん。了解。」
『えっ!いいのか?』
「いいよ。俺はもうお腹いっぱいだし。」
『ふ〜〜ん。じゃあ、全部食べるね。』
俺はアイスを食べきり、会計に行った。会計は合計銀貨7枚だった。少し料理を頼みすぎて、高くなったが問題はなかった。
あと一話ぐらい?