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【特別編】第50話 しろちゃんと瞳の住人



あんこ「シロウ、あんたさぁ〜最近のしろちゃんのこと親として正直な所どう思ってるの?」


シロウ「どうって?別に過保護でも過干渉でもないし、もちろん厳しいわけでもないぞ?俺は」


あんこ「そうじゃなくて。思春期なんじゃないかって話。それもまぁ色々問題はあるとは思うけど。もし、しろちゃんが四葉ちゃんじゃなくてどっか他の男性と仲良くなったりとかしたら普通の父親みたいに機嫌悪くなったりはしないのかなって」


シロウ「そらブチキレるんじゃないか?(笑)今どきのナヨナヨしたイケメンてヤツなら会った瞬間胸ぐら掴んでソイツの横っ面を無言で張り倒すだろうな(笑)」


あんこ「へぇ〜、あんたでもそういうとこあるんだ?」


シロウ「そんなもんだろ?男親って。俺は何されてもかまわないし気にしない。でも、しろちゃんは別だ。相手が誰であっても我が子を泣かせるような奴はすべて敵だ(笑)」


あんこ「いや泣かすとは誰も言ってないし、そうなるとは限らないでしょ(笑)第一しろちゃんを泣かせられるような度胸のある男性なんてそうそういないとは思うけどね(笑)でも安心したわ。長い付き合いだけど、あんたほんと昔から何を考えてるかわからないとこあるから」


シロウ「じゃ、わかったならもういいだろ?ったく、イケメンなんかのどこがいいんだか。あんなもん加工外した素っぴん姿見たら全然別人じゃないか。パッケージ詐欺と変わらん。俺だって空間が歪むくらいに弄ればそれなりにはだなぁ?」


あんこ「ハイハイ。ドサクサに紛れて寂しいオジサンの趣味まで八つ当たりするのはやめときなさい。でもあんたが我が子を溺愛するバカ親父ってことはよ〜くわかりました(笑)」


 あんこさんが呆れて部屋を出ていくとシロウはどこかに急いで連絡を取るのでした。


シロウ「すまんな、ちょいと野暮用だったもので。それで奴は今どこに?」


相手「おそらくすでに奴は地球に到着して、しろちゃんを探していると思われる。我々は任務の都合上、地球内においては加勢もできない。失態と言われればそれまでだが、これでも我々にできることは精一杯しているつもりだ。まさかあのマーボー(特別版:18話参照のこと)が復活するとは思わなかったのでね」


シロウ「しかし、なぜそれがわかった?」


相手「これは我々の事後調査で発覚したことなんだが、本来ワープポイントは隔絶された空間域であったため生体反応が無いような場所であったにも関わらず、突如ありえない高エネルギー反応を観測した。そこでさらに細かく調査したところ、マーボーは偽の地球もろとも木っ端微塵になった後、奴の細胞の一部がたまたま宇宙を漂っていた【そのうち考えるのをやめたモノ】に奇跡的に付着、そこで寄生したようだ。ヤツが【寄生生物】であったことを知らなかったのは我々の落ち度である。つまりソレが寄生生命体として再び意思を持ち地球に向かったと我々は推測している。もちろん、その相手は他でもない【しろちゃん】が目的であり復讐のためであることは間違いないだろう」


シロウ「厄介なことになったな」


相手「厄介なのはそれだけじゃない。奴はおそらく寄生体として既に新たな宿主に姿を変えている可能性すらある」


シロウ「、、、。それは、しろちゃんの苦手な相手かもしれない、、、ということか?。だとしたらこうしちゃいられん。俺も何か対策を考えないと」


 通信を終えるとシロウは急いでどこかへ出かけた。


 そして。



シロウ「というわけなんだ。時間がないし他に良い方法も思いつかない。正直この手だけは使いたくなかったが仕方あるまい。色々迷惑をかけてすまないが頼む、やってくれ」


リョーコ「本当に構わないのね?というより、私にも他に方法が思いつかないから仕方ないわね」


シロウ「あと迷惑ついでに、あんこに俺の育てていたシロツメクサの花に水をやってくれないかと伝えてくれ。あとのことはよろしく頼むと。もしもう一度生きて会えたなら8年前に言えなかった言葉を言うから」


リョーコ「それは、あんこさんに?それとも私に?まぁ良いわ、そんなこと話してる場合じゃないしね(笑)」


 シロウは苦笑いしながらリョーコさんの研究室にある装置の中に入ったのでした。



 一方その頃。


ブライアン「さっきからなんか体がおかしいぞ。なにかに意思を乗っ取られてるみたいだ、これがストロングゼロって奴か。体がフラフラして意識が薄れる、妙な気分だ」


しろちゃん「おぅ、ブライアンじゃないか!久しぶり〜、元気にしてたか?てかオマエなんか様子が変だぞ?さては拾いものでも食ったんじゃないのか?(笑)」


ブライアン「ヤバい、、、。しろちゃんに会った瞬間、俺の意識がさらに薄まってきた。しろちゃん逃げろ!コイツは俺であって俺じゃない、、、」


 そういうと気を失い、倒れ込んだブライアンからは別の声が聞こえて来た。


『フハハハ!久しぶりだな?地球のチンチクリンよ』


しろちゃん「その声、どこかで聞いたことがあるぞ!お前、ブライアンじゃないな?」


マーボー(ブライアン)「宇宙の支配者マーボー様だ!これで思い出したかな?」


しろちゃん「なんでブライアンが?。マーボー、お前は宇宙で木っ端微塵になったはずなんじゃないのか?」


マーボー「お前に復讐するために地獄の底から舞い戻り、この肉体に寄生したのだ。お前にコイツが倒せるか?友達なんだろう?」


しろちゃん「ブライアン、すまない。お前なら耐えられるよな?」


 しろちゃんはすかさずブライアンにボディーブローを入れた。


マーボー「グヴォ!お前、こいつの友達じゃないのか!?なぜそんなマネができるんだ!」


しろちゃん「あぁ、友達だからな(キリッ)。それにブライアンならギリギリで耐えられるであろう致命傷だから」


マーボー「オイ、今のでコイツのHPはかなり削られたぞ!。ほんとに酷いやつだな、お前は」


しろちゃん「酷いのはオマエの方だろ!ブライアンは生きてさえいれば、あとは博士がなんとかしてくれる、、、と思う。たぶん」


マーボー「ならコレならどうだ?」


 マーボーは最初に寄生していた宇宙の漂流物を呼び寄せるとブライアンの体にソレを身にまとった。


マーボー「この究極の生命体で作られた【ぼくのかんがえたさいきょうのよろい】ならどうだ?」


しろちゃん「ならば抵抗するまで、この拳で!オラオラオラオラ!!!」


 しかし、最強の鎧を身にまとったマーボーには巨象ですら一撃で倒すと言われる、しろちゃんの拳の連打でさえ歯が立たない。


しろちゃん「かってぇ〜!なんだこりゃ?」


マーボー「波紋もスタンドも知らないお前にこの鎧を破壊することはできぬだろう。まして鎧の中身を気にして無意識に手加減しているようではなぁ!!ではこちらからいくぞ?」


 ガッシ、ボカ。マーボーの攻撃に、しろちゃんは耐えながら方法を考える。


しろちゃん「まずい、色んな意味でコレはまずいぞ。相手が相手なだけに瞳術も使えないし。ブライアンもろともヤルか、、、」


四葉「しろちゃん、加勢する」


しろちゃん「四葉ちゃん、何でここに!?来ちゃだめだ。逃げて早く!」


四葉「そうは言っても、しろちゃん一人でどうにかなるような相手じゃないでしょ?でも二人ならなんとかなるかもしれない」


マーボー「雑魚が二匹に増えたところで状況は変わらんと思うがな?」


しろちゃん&四葉「くらえ、愛しさと切なさと心強さとぉー!オラオラオラオラ!!」


 しろちゃんと四葉ちゃんの息のあったコンビネーションはまるで何処かのドラマチックバトルを彷彿させるものであった。そして鎧を打ち砕かれベガ達姿のマーボー。


マーボー「コイツら、なかなかやるじゃないか。1+1は2じゃない、200か。10倍だぞ10倍!コレはさすがに効いたぞ。だが、それもここまで。運命には逆らえぬのだ」


 マーボー(ブライアン)の目が緑色に光り、四葉ちゃんの方を目がけて光線を発した。


しろちゃん「なにか奴が仕掛けてきた、四葉ちゃん避けてー!」


 マーボーはブライアンの身体から抜け出すと、次に四葉ちゃんの目から体内に侵入したのであった。


四葉「しろちゃん逃げて!私が私じゃなくなる前に!」


しろちゃん「クソ、油断したすきに。お前はどこまで卑怯な奴なんだ。絶対に許さない!」


マーボー(四葉)「許すも許さないも、もはや後の祭りよ。黙れ小僧、お前にこの子が癒せるとでも言うのか!なんだバカ野郎ダンカンこの野郎!今はこの俺様の体なんだがな?」


しろちゃん「四葉ちゃんを解き放て、彼女は無関係だろ!」


マーボー「だったらかまわずかかってこい。それができなければオマエには死あるのみだ!」



 そしてしばらく後。



シロウ「しろちゃん!」


 博士がたどり着いたときには時すでに時間切れ。しろちゃんが膝から崩れ落ち、地面に倒れこんだところであった。


マーボー「フハハハ!実に愉快だ!もはやこの地球には〜否、宇宙にすら俺様の敵はいない。あえて、しろちゃんの息の根を最期まで止めずにいるのは、これから愛する者の体を使ってもっとも見たくない光景をその目に焼き付けてから殺すためだからな!そして、しろちゃんを乗っ取り世界中に恨まれることになるのだ。しろちゃんがな!(笑)まずはそこの親とやらを始末してやろう」


しろちゃん「やめろ、、、もうやめてくれ、頼むから」


 マーボーは、ボロボロになったしろちゃんを蔑むような目で見ながらシロウのほうへ歩み寄ると、その首をはねた、、、かに思えた。が、シロウは寸での所でその手を止めていた。


シロウ「俺の魂に触れるか。共に腹の底から、しろちゃんを嗤った仲だ。が、一度でも死刑。二度は死刑3個ストック+継続確率80%だ。分を弁えろ痴れ者が。フリーズ!【ルシファーモード】!!」


 しろちゃん「博士が若くなった!?それに赤色の目に銀髪になってる!?」


シロウ「待たせたな。これか?【ある意味エンペラータイム】ってやつだ。特別な装置で人体のリミッターを解除することにより【月の民の血】を覚醒させた。これしかコイツを倒せそうな方法が無かったからな」


マーボー「結膜炎じゃないのか?(笑)が、ソレがいったいなんになる?お前も我が子がただなすがままにされるしかなかったこの体をどうこうすることもできまい。それとも子が自らを犠牲にしてでも守った愛する者をその親が見殺しにでもするつもりなのか?」


シロウ「その必要はない。そのためにルシファーの力を解放したんだ。神とそれに最も近い領域の者にのみ許された力を見せてやる」


マーボー「ハッ、つまらん冗談だ。ちなみに絶望ついでに教えてやるが実は後2回も俺は変身を残している。どうだ?さらなる絶望を味わった気分は?さぁ遠慮なくやってみろ?さぁ!」


シロウ「最後に一つだけオマエに感謝しないとな?とてつもなくアホな上、心底嫌なやつで良かったと。【ソウルブレイカー(魂の破砕者)】」


 プチューン。博士が手をかざすとまるで世界(ワールド)の時が一瞬止まったかのように暗転したのちマーボーの魂はこの世から完全に消滅した。


シロウ「あっという間に終わったな。意識レベルまで寄生されてしまった体を無事に取り戻すには寄生体の魂だけを消し去るこの方法しかない。俺も初の試みだったけど、うまくいって良かったよ♪」


四葉「ん、、、。私、生きてるの?」


しろちゃん「四葉ちゃん、無事で良かった♪」


四葉「てか、しろちゃんこそソレ全然無事じゃないじゃない!?」


しろちゃん「うん。悔しいけど、今回完膚なきまでにやられた。初の敗北だね、でもみんな無事で良かったよ。いや、肝心な奴を忘れてた(笑)博士、ブライアンはなんとかなるの!?」


シロウ「あぁ、お前たちが手加減しておいたみたいだからな。、、、かろうじてだが(笑)ま、無駄に鍛え抜かれた肉体のおかげかもな。と、そうだあっちのトドメも刺しておかないと」


 シロウはそういうと粉々に砕け散った漂流物の欠片の方も神の光で全てを焼き尽くす【失楽園(パラダイスロスト)】により完全にこの世から消滅させた。


シロウ「これで良しと。ついでに宇宙に飛ばされた増え続ける栗まんじゅうも消しとくか(笑)」


しろちゃん「なにそれ怖い」


シロウ「全国の元ちびっ子達が恐怖した昔話だ。ヨシ、まんじゅうも消しておいたぞ♪

じゃあ、あとの片付けは黙示録にでも任せて俺たちはリョーコくんのところで治療してもらいに行くとするか。しろちゃんたちは、もう動けるか?」


しろちゃん「まぁなんとかね(笑)四葉ちゃんが肩を貸してくれてるから。ブライアンは博士がおぶってくれないかな、ついでだし」


シロウ「え〜、こいつを?俺が?しゃあねぇなぁ〜!」



 

 【製作】


シロツメクサのしろちゃん劇場版「しろちゃんと瞳の住人」製作委員会(黙示録)



しろちゃん「いててて。リョーコさん、もう少し優しくしてくれないかな?たぶんアバラが3本くらい持っていかれてるよ(笑)」


リョーコ「ほんと一時はどうなることかと思ったけど、その調子ならしばらくしたら治りそうね」


四葉「しろちゃん、ごめん。こんな私じゃ駄目だよね?」


しろちゃん「ちょ、ちょっと四葉ちゃんが謝ることないでしょ?悪いのは全てアイツだし!全然駄目じゃないし!」


四葉「じゃあケガが治るまでそばで付いてるね」


シロウ「なんだ?怪我の功名てやつか?良かったじゃないか、そのままずっとくっついてみてもらえよ♪(笑)」


ブライアン「俺も付いてるからな。それとリョーコ先生は独身なんですか?あと恋人とかいますか?」


しろちゃん「いや、いいから君は治ったらサッサとおウチに帰りたまえよ。それにいきなり距離感を詰めるんじゃないよ。リョーコさん、ゴメンね?コイツ悪いヤツじゃないんだけど可愛そうなヤツなんだ」


リョーコ「だってさ(笑)それよりシロウくんは早く装置に入ってね。元の姿に戻れなくなるかもしれないし」


シロウ「そりゃ困る。俺だって二度とこの姿にはなりたくない。リミッターを解除するということは当然、命にも関わってくるからな」


しろちゃん「え〜、そのままのが良いのになぁ。めっちゃ強かったし、カッコもヤバくてモテるかもしれないのに」


シロウ「言ったろ、命がけだって。早く元に戻らないと体のほうが持たないんだ。それにそんな地球の危機なんかはもう二度とごめんだろ?」


しろちゃん「え〜自分もソレやりたいんだけどなぁ、【ルシファーモード】♪」


シロウ「言うと思ったよ(笑)しろちゃんならリミッターを解除しなくてもそのうちできるようになるかもしれん。だが四葉ちゃんと見分けがつかんくなるから却下だ」


四葉「私は黒髪のしろちゃんのほうがいい♪」


シロウ「だ、そうだ。何度も言うがあれは命を削ることで得られる特別な力なんだ。だから、しろちゃんがこれから命がけでもやらなきゃいけないようなことが起きたなら、その時は考えてやってもいいがな。かくいう俺もしばらくは動けんだろう。たちまち後のことは、あんこにも頼んでるから任せたぞ。じゃあな♪」



 【原案 企画 総監督 プロデューサー】


  詩桜兎(しろうさぎ)



あんこ「ほんとアイツったら、なんで私が水やりなんてやらされてるのよ?てかこの時期に咲くんだっけ、この花?それにしてもあの女、シロウの後輩だかなんだか知らないけど前からなんか波長が合わないというか、終始上から目線みたいな口調で生意気なのよね。シロウくんからの伝言でお花に水をやってくれませんか?だって。なにがシロウくんよ、アイツも帰ってきたらタダじゃ済まさないんだから!てか、8年前ってなんかあったっけ?」


 ジョ〜ロ〜。


 【シナリオ 小説版原作担当】


  藤崎要(ふじさきかなめ)



 季節が移り変わりゆく中、年中咲き続ける博士の不思議なシロツメクサは、まるで空に咲く雪の花を見上げるかのように、いつまでも溢れ輝いているのでした。めでたしめでたし、おしまい♪



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