【特別編】第18話 しろちゃんと世界一ショットガンの似合う男
プロデューサーと小説担当が大晦日に殴り合いの喧嘩をして生まれたのが、この作品です
それは新年早々の夜7時くらいのこと。しろちゃん、おこたでゴロゴロしながらミカンを頬張る至福の時を過ごすも巣にしている居間の電球が最悪のタイミングで突然切れる。あいにく博士は、あんこさんの家に餅つき要員に駆り出されており、あんこさんの両親はともかく正月で集まってるであろう親戚中にまで複雑な説明をして回るわけにいかないので、しろちゃんはお家で留守番となりその間の出来事であった。
予備の電球を探すよりもまだギリで間に合うかも?なタイミングだったので年中無休のディスカウントショップに自転車で急いだほうが賢明と判断し、しろちゃんは大急ぎで店までチャリを飛ばし無事に換えの電球を購入したその帰り道のこと。
街頭の灯りがなぜか道路の真ん中にある。不思議におもいながらもそのまま近づいていくと地面がどんどんファラウェイしていき月夜に浮かぶその姿はまるでスピルバーグ監督の映画のワンシーンのような感じであった。そしてそのまま、しろちゃんは自転車ごと巨大な宇宙船の中へ、、、
しろちゃん「おわっ!な、これオイ!ちょっまっ」
と吸い込まれていったのでした。
しろちゃん「んー、イタタタ。なんだここ?パフュームのライブステージ?」
宇宙船の中はまるでパフュームが今から出てくるような、それっぽい雰囲気のところだと、いちいち背景の説明をするのがめんどくさいのでそんな感じということで(笑)
謎の人影「お前、宇宙人か?」
しろちゃん「は?お前こそ宇宙人だろ、てかどーみても外国人なんだけど?日本語喋れるの?それともテレパシーで語りかけるタイプ?なんでアゴがわれてるの?」
謎の人影「俺はブライアン、カリフォルニア州から日本に来た地球人だ。アゴがわれてるのは宇宙人と関係ない」
しろちゃんの目の前には屈強な体つきの男の姿があった。
しろちゃん「あー、米軍?私、軍事機密かなんか知っちゃった感じ?親に頼めば記憶なくせるからさ、安心して家に返してよ?」
ブライアン「軍人ではない。俺は英会話講師だ。どうやら、お前と同じように宇宙人にさらわれたのかも知れんな」
しろちゃん「ブライアンさん?英会話講師なのに乱暴な言葉遣いだねぇ。自分、英語はよくわかんないんだけど日本語話せるならそれでいいよ。自分は、しろちゃんと呼ばれております。ブライアンは名前のほう?名字?」
ブライアン「それ生徒がよく尋ねてくるけど日本の英語教育の駄目な所だな。ファーストネーム、セカンドネーム、サードネームに日本の名字と名前を重ねるのは少しニュアンスが異なる。ファーストネームはファーストネーム、セカンドネームはセカンドネームだ。俺はファーストネームがブライアンだ」
しろちゃん「へぇ、そうなんだ。ま、ブライアンて呼べばいいんだね?」
ブライアン「あぁ、俺のことはブライアンと呼んでくれ。逆に、しろちゃんはしろちゃんと呼べば良いのか?それとも、しろちゃんさんと呼べば良いのか?わかりづらいな」
しろちゃん「わかりづらくて悪かったね、しろちゃんでいいよ(笑)」
ブライアン「じゃあ、しろちゃん。ここにいても仕方なさそうだから、これから俺と一緒に宇宙船の中を探索でもするか?」
しろちゃん「そうだね、このままパフュームのライブステージみたいなところにいつまでもいても進展無さそうだし、そこにドアみたいなのあるから探索しにいこうよ」
ブライアン「じゃあ、レディファーストで君がドアを開けてくれ。いや、冗談だから睨むなよ。俺だって本当は怖いんだぞ?」
ブライアンはそういうとドアを恐る恐る慎重に開いた。
しろちゃん&ブライアン「へ?」
そこにはこれまでいた宇宙船らしきパフュームの、、ではなく事務机の並んだどこかのオフィスのような光景が。
謎の声1「あー、二人とも起きたみたいですよ。どうします?」
謎の声2「そうみたいだな。そこの二人、聞こえるか?。そこのマッチョとチンチクリン、君たちのことだよ。今、まだソーシャルディスタンスとかうるさいからさ?とりあえずそこのアクリル板で区切られてる応接ソファで座っててちょうだいよ。今からそっち行くからさ」
謎の声1「あ、オイ!そこの肉団子!おめえだよ、そこのマッチョ。私の机のフィギュアに勝手に触んなよ。今、ちょっと触ろうとしたろ?」
ブライアン「肉団子って。今フィギュアを触ろうとした俺のことか?てか肉団子って良い意味では言ってないよね?」
しろちゃん「フィギュアはね、勝手に触ったり箱から出したら殺されても文句は言えないんだよ。日本に来てまだ学んで無かったの?あんたの国で言うところのファッ○みたいなもんだから気をつけなよ?」
謎の声2「だから職場にフィギュアとか持って来るなとあれほど言ってるのに」
謎の声1「自分の士気が上がるんだから別にいいでしょ。勝手に触る方が悪いんだから。触らせてと言われても断るけど」
謎の声2「ま、今からそっちいくから余計なことしないで大人しく座って待っててね〜」
まもなく、謎の声の持ち主であろう二人が奥のドアから部屋に入ってきた。
しろちゃん「博士?それに、あんこさん?」
シロウにそっくりな人(謎の声2)「博士ではない、それに私の名前はクロウだ。我々はクローバー星人、地球とは同盟関係にある星から来た宇宙人だ。そして私はこの宇宙船の中ではクロウ司令と呼ばれている。つまりここで一番偉い人だ。そしてこちらはオペレーターのアンヌ隊員だ。」
あんこにそっくりな人(謎の声1)「私はアンヌ。あなた達の任務をサポートするのが私の主な仕事だと思ってもらえればいいわ」
ブライアン「任務?」
しろちゃん「その前に肉団子がブライアンのことなら、チンチクリンってひょっとして私のこと言ってるの?自分の名前は、しろちゃんだよ♪」
アンヌ隊員「それは失礼。では、これからあなたのことは、しろちゃんと呼ばせていただくわ。ちなみに【チンチクリン】は私達の星では淑女のことを指す言葉で、あなたの星で言うところのレディみたいなものよ?」
ブライアン「じゃあ肉団子もミスターみたいな?」
アンヌ隊員「肉団子は肉団子以外の何ものでもないわ。私の星でも肉団子よ?脳みそまで筋肉で出来てそうな個性の持ち主を指して肉団子よ」
ブライアン「、、、」
クロウ司令「早速だが君たちには我々の作った汎用人型決戦兵器の巨大人造人間に乗り込み地球の征服を企んでいる【ボー】という宇宙人たちを始末して欲しいんだ」
しろちゃん「いや、自分そのまさに人造人間なんですが。人造人間が人造人間に乗るとかマトリョーシカじゃあるまいし(笑)てかなんでうちらがそんなことしなきゃなんないんだよ、早く家に帰らせてよ!」
クロウ司令「乗るなら早くしろ、でなければ帰れ!」
しろちゃん「だから帰るってさっきから言ってるだろ!(笑)」
アンヌ隊員「気持ちはわかるけどそうもいかないのよ、だってあなた達以外の他の連中らはもう、、、」
クロウ司令「そういうことなんだ。すでに我々とコンタクトのあるそちらの星の各国の首脳からよりすぐりのエージェントを派遣してもらったのだが、、、まぁ察しの通りだ。そこで我々が今回の作戦に最も成功する可能性のある者を世界中から探し出し、やっと見つけたのが君たちということなんだよ」
ブライアン「だったらやるしかないよな?しろちゃん」
しろちゃん「なんでブライアン、急にやる気になってんの?無理だろ?世界のエージェントですら刃が立たなかったのに」
ブライアン「俺、英会話の講師しながらいつも思ってたんだ。いつか憧れのヒーローになりたいと」
しろちゃん「じゃあどうぞ、自分は帰る。なら帰れって言われたし」
クロウ司令「ただし、しろちゃんの帰るところがあるならばだけどな?」
しろちゃん「どういうこと?」
アンヌ隊員「ボーたちに地球が征服されるということは、地球の生物は絶滅させられるということなの。地球が生物の住める星じゃなくなるってことなのよ」
クロウ司令「これまでたくさんの星がボーらによって滅ぼされてきたのを我々は見てきた。そして今まさに地球がそのターゲットにされているということを奴らの進路から割り出し君たちに協力しようとしているんだ。なのに、しろちゃんときたら暇なくせに」
しろちゃん「暇かどうかはこっちの都合だろ!んー、わかったよ。じゃあどうやってそんなヤバいやつと戦うのさ?」
アンヌ隊員「よく聞いてくれたわ♪大丈夫、そのために私がいるんだから。あなた達はこの汎用人型決戦兵器、人造人間オヴァンゲリオンに乗ってくれればいいの。主な動作は私が操作をするから、あなた達は射撃にのみ集中してくれればいいわ。今からそのコクピットに案内するから」
ブライアンはやる気満々の一方、しろちゃんはいやいやながらも説得され、言われたとおり戦闘スーツに着替えてコクピットに乗り込んだ。
しろちゃん「このモニターにある目標をセンターにいれるようにしてスイッチ押せばいいんだね?」
クロウしれ「うむ、シミュレーションモードでそこまでできれば上出来だ。じゃあ早速作戦開始、出撃してもらうぞ」
ブライアン「で、俺は何をすればいいんだ?」
アンヌ隊員「あなたは、しろちゃんの横でポージングするなり応援でもしてあげて♪」
ブライアン「俺の存在意義はいったいなんの意味があるんだ?(ブライアン、悲しそうな顔をする)」
しろちゃん「知らないわ。でも私は死なない、主人公だもの。しろちゃんはブライアンにそう言ってにっこり笑いかけた」
一方その頃。
ボー皇帝「我が名はボー、ナスビ帝国の皇帝。全宇宙の星を征服する神にも等しき存在である」
マー提督「正確には征服するんじゃなく絶滅させてるから違うとは思うけど」
ボー皇帝「皮肉を言うでない。それはちゃんと飼い方がわかってなくて朝起きたら絶滅しちゃってたようなものだ」
マー提督「まぁ遅かれ早かれ絶滅することには違いないでしょうがね。なにせ今回のターゲットである地球という星の人間はわりと宇宙のなかでも貧弱なほうだし、すでにあちらの戦力のほとんどは壊滅させたようですからね」
ボー皇帝「少し気になるのがクローバー星の連中らの動きだ。あいつらはいつも我々の邪魔をしてくるから油断はできんぞ?まぁ今回も相手にならんだろうがな(笑)」
マー提督「それはすでに手は打っております。これよりワープによる奇襲作戦を行う!」
場面は戻って、クローバー星人の宇宙船フジ内。
クロウ司令「これより宇宙戦艦フジ、総員第一種戦闘配置につけ」
アンヌ隊員「と言っても我々二人と地球人の二人しかいませんけどね」
しろちゃん「準備できてまーす」
ブライアン「俺も一応できてはいるけど」
しろちゃん「ねぇ、ブライアン。あのさ、これに乗る前にロボットの姿みたでしょ?」
ブライアン「あぁ、なるべくソコには触れないようにしておいたんだが」
クロウ司令「あれはアンヌ隊員のお母さんがモデルになっているんだ。パイロットとのシンクロ率を高めるためだ」
しろちゃん「じゃあアンヌさんが乗ればいいじゃん!?」
アンヌ隊員「そのつもりだったんだけど、先の出撃の際にケガをしてしまって。ウウッ」
ブライアン「さっきまでそんな包帯巻いてたか?」
アンヌ隊員「うるさい、肉団子。オヴァンゲリオンとっとと発進!」
しろちゃん「へ?」
ボー皇帝「は?」
しろちゃんたちを乗せたオヴァンゲリオンが飛び出していったその矢先、茄子型の宇宙船の姿が突然目の前に現れたのでした。そしてそのまま互いに衝突!
アンヌ隊員「オヴァー暴走です!」
クロウ司令「現時刻を持ってオヴァンゲリオン初号機を破棄、自爆モードに切り替える」
しろちゃん「暴走してんのはおめえらのほうだよ!で、どうすんだよこれ?この距離ならもう射撃とか関係ないじゃん!」
オヴァンゲリオン内部アナウンス「自爆モード作動、パイロットは急いで退避してください。繰り返します、自爆モード作動」そのアラーム音声は機体の外にまで響いた。
ボー皇帝「これって俺らのほうが奇襲されてんじゃね?」
マー提督「おのれ、クローバー星人!自爆に巻き込むつもりだったか!?卑怯な手を」
ドッカーン!
ボーの乗る茄子型戦艦、人型決戦兵器オヴァンゲリオンの自爆で十字の光を放ち撃沈する。
ブライアン「しろちゃん無事か?今の爆破で、どうやら敵の船は大ダメージを受けたようだ。俺はこのまま船内に入り、このレーザーショットガンで敵の親玉をやっつけてくる。お前はこのまま脱出ポッドでクロウ達の船に戻れ」
しろちゃん「いてて。いや、いいよ。自分もついていく。ここまで来たら敵を一発殴ってやらないと気が済まないし、ひとりで戻ったらブライアンが帰ってこれなくなるじゃん?」
クロウ司令「二人ともよく言ったぞ。ボー皇帝とマー提督が生きてる限り、宇宙の驚異が消え去ることはない。このチャンスにやつらを片付けるんだ!」
しろちゃん「自爆させといてどの口が言ってんだよ!?」
アンヌ隊員「いえ、もちろん最初からそれも想定の範囲内だったのよ。そのためにブライアンも連れてきたんだから。(ブライアン、それを聞いて少しホッとしたような嬉しそうな顔をする)作戦変更、ヒトフタマルマル。新たな作戦名はGOGO!CHANCEよ!」
ブライアン「行くぞ!しろちゃん」
ペカっと光った脱出用ポッドに乗り、しろちゃんとブライアンは敵艦が大破したその隙間から艦内へと乗り込んだ。
しろちゃん「あ、おまえらか?そのボーとかってやつは?」指をポキポキ鳴らす仕草を見せながら若干キレ気味で問いかけた。
マー提督「あぁ、そのとおりだ。別に読者はいかにも尺あわせのためのどうでもいい戦闘員らとの撃ち合いシーンや主人公たちの苦悩や葛藤などそこまで望んでなどいないからバッサリカットして、いきなり直接対決ということによく気づいたな?まして本当の劇場だとそろそろ腰が痛くなる時間だし、話に集中できなくなる頃だ」
ボー皇帝「ほら、さっさと修理しないから敵が入ってきちゃったではないか」
マー提督「まぁこうなっては仕方ない。ボー皇帝、我々も真の姿になる時が来たようですな?」
ボー皇帝「はいはい、フュージョン!調理合体ナスエリオン4千年の歴史!!」
ブライアン「なんだこいつら、さっきまでのマヌケた雰囲気とうってかわって邪悪そうなモンスターの姿に変わりやがったぞ?」
しろちゃん「おかんが言うには〜って漫才やってそうなうちにとっととその銃で撃っとけば良かったのに」
マーボー「我が名は【マーボー】。ボー皇帝とマー提督が合体し一つになるときナスビ帝国の真の王の姿となるというそのまんまベタな発想で生まれたのだー!」
ブライアン「いや、むしろ一つになってくれるならそのほうが狙いやすくてちょうどいい!」ブライアンはそういうとレーザーショットガンで頭部付近をぶち抜いた。
マーボー「うぉっ!イタタタ。が、残念だったな。我々は合体さえしてしまえばどんな攻撃もいっさい受け付けない体になるのだ。だからこれまで数々の星を征服して来れたのだ!そしてなぜマーボーでボーマーではないかというと、あれはそう俺たち兄弟がまだ貧しいかった子供の頃、、、
【回想シーン開始】
マー「ボー兄ちゃん」
ボー「なんだ」
マー「僕、実は気づいていたんだ。兄ちゃんが給食で出たパンを食べずに僕にわけてくれていたことを」
【開始途中でカット】
しろちゃん「名前のことなんてどーでもいいわ!てか回想シーンの兄貴のほう、どうみても栄養が十分足りてそうな体格なんだが?年頃の女の子がお昼に小さいお弁当持ってきてダイエットしてますアピールしてるわりに、なんでそれで栄養足りてそうな体格なのかとおもってみたらバイト先で肉まんとかホットスナック貰ってガッツリ食べてましたみたいなくらい帳尻あってねーよ!」
マーボー「ギクッ」
心の中のマーの声(ほんとなの?てか兄ちゃん、確か料理屋のバイトにも行ってたよね?
自分だけ賄い食べてたからいらなかっただけとか。それに今思い出すとあのパン、カビ臭くて食べれたもんじゃなかったし。なんだよそうだったのかよ。俺の綺麗な思い出を返せよ!)
心の中のボーの声(お、おいマーよ!騙されるでない、動揺すれば我々の合体に影響するのだ)
超生命体マーボーは突如苦しみだし体が分裂しだしたのでした。
しろちゃん「ブライアン、あの分裂しようとしているところに見え隠れしてるコアっぽいところを狙えば良いんじゃない?」
ブライアン「にゃいす名案だな、しろちゃん♪」
ブライアンはコアをめがけショットガンでありったけのレーザー弾をぶち込んだ。
マーボー「ぐわぁー!」超生命体マーボーが雄叫びを上げながら崩れ落ちた。
ブライアン「おい、おーい!返事がない、ただの屍のようだ」
しろちゃん「やったね、ブライアン♪これでクロウ司令達のもとに戻って地球に帰れば無事任務完了、、、って、あれは!?」しろちゃんはそういうとマーボーらの船内にある大型モニターを指差した。
ブライアン「あれはクロウ司令の宇宙戦艦フジ?なぜ主砲をエネルギー充填して茄子型戦艦の方向に向けているんだ?」
クロウ司令「いまだハサウェイの閃光砲、撃てー!!」
ナスビ艦が眩い閃光で包まれ、船体に強烈な衝撃が走る。
ドカーン!
しろちゃん「いてててて、ブライアン?ブライアン生きてる?」
ブライアン「しろちゃんも生きてるか?あいつらなんてことをしやがるんだ!」
マーボー「うう、そんなことだろうと思って船体に電磁バリアをはっておいたのだ。」
しろちゃん「あいつらまだ生きてる!死んだんじゃなかったの?」
ブライアン「確かに返事はなかったぞ?」
マーボー「フハハハ!俺たちナスビ星人は再生能力も半端じゃなく優れているからなのだー!」
しろちゃん「そんなチート級な奴がなんでお前らしかいないんだ?ずっと気になってたんだけど、他に仲間もいないようだし」
マーボー「滅んでしまったのだ、我々だけを除いてな」
ブライアン「お前らみたいなのを滅ぼせるような奴らが他にもいるってのか?」
マーボー「いや、少子化だ。あれはそう、、、」
【回想シーン】
ボー「さぁ遠慮なくどちらかを選んでくれ!」
マー「あぁ、俺たち兄弟のどちらが選ばれても恨みっこなしだ。少子化によりナスビ星人はもう俺たちと君しか残ってないんだ」
ボー「だから、選ばれたほうがアダムとイブになり再びナスビ星を」
トウフ「でもごめんなさい、無理なんです!。どちらかじゃなくどちらも生理的に無理だから。それなら私、絶滅のほうを選びます!」
【回想終了】
マーボー「とまぁそういうことだ」
しろちゃん「うわぁ、きっつ。でも生理的にとまで言われたらさすがにどうしようもないよね?」
マーボー「そこで俺たちは全宇宙の全ての種族も俺たち同様に滅ぼし尽くし全てを無に返すことをあの時に誓ったのだ!」
ブライアン「それは単なる逆恨みと八つ当たりじゃないか!」
しろちゃん「そーゆーとこだぞ、むしろ。生理的にまで相手に嫌がられてフラれたのは見た目だけの問題でもないんじゃないか?」
マーボー「うるさい!こうなったら、お前らには冥土の土産にもう一つ教えてやろう。この艦には我々の他には船員がいない、なぜか?それはこの艦自体が万が一のために巨大な破壊ミサイルとなっているからなのだ。そしてこの艦の墜ちていく先を見てみろ?そうお前らの住む地球だ。今からそこにめがけてこの艦ごと突っ込む予定なのだ。俺たちはこの再生能力のある体があるからかまわないが、お前たちは地球ごと木っ端微塵になるがいいわ!」
その時、再び茄子型戦艦内に衝撃がはしる。
しろちゃん「ワタタタ、ん?なんか今度はいきなり巨大な手が入ってきたー!?ひょっとしてこれに乗れってことじゃないかな、ブライアン?」
アンヌ隊員「待たせたわね、早くこのオヴァンゲリオン弐号機の手に乗って!もう時間がないわ」
しろちゃんとブライアンは急いでオヴァンゲリオン弐号機の手のひらに飛び乗ると、そのままコクピットに放り込まれた。
アンヌ隊員「じゃあ急いでここを離れるわよ、クロウ司令お願いします!」
クロウ「宇宙戦艦フジ、主砲型ワープ装置【ハサウェイの閃光砲】をオヴァンゲリオン弐号機に向けて発射!」
ドーン!眩い光に包まれたのち、オヴァンゲリオン弐号機はクロウ司令の乗る宇宙戦艦フジの格納庫へと転送された。
しろちゃん「裏切ったのかと思えば今度は助けにきたり、いったいどゆことー?あなた達がもはや味方なのか敵なのかもわかんなくなってきたんだけどー?」
アンヌ隊員「詳しくはクロウ司令が説明するわ」
三人は急いでクロウ司令の部屋に向かった。
クロウ司令「二人ともよくやってくれた、これを見てくれ」
クロウ司令が指さすと大型モニターにはマーボーの乗った茄子型戦艦が地球に向って墜ちてちていく姿が写っている。そしてその後、地球は大爆発を起こし宇宙の塵と化してしまった。
しろちゃん「地球が、、、。何がよくやっただよ!?」
ブライアン「オマイガー、コロニー落としより酷いじゃないか」
クロウ司令「まぁ続きを見てくれ、これは奴らが最後に残した言葉だ」
マーボー「聞いているか?クローバー星人、そして地球人たちよ。お前たちの帰る場所はもう生物の住めるような星ではなくなる。
そして我々兄弟は再生したのち再び全ての生物を絶滅させる旅に出るのだ、それを無力にもながめておくがいい!フハハハー!」
ドカーン!
(マーボーの心の中の声)
ボー「ん?ちょっと爆発のパワーすごくね?」
マー「兄よ、まさか爆弾の量を間違えたのではないか?思ったより爆発の勢いが強いぞ」
ボー「そんなことはない、念入りに調節したはず。これであってる間違いない。でも、オカンが前に言ってたのにはいくら我々ナスビ星人でも超新星爆発レベルだと復活はできないそうだ」
マー「じゃあ量を間違えたんだろう?じゃなきゃ我々が今まさに蒸発しようとしている説明がつかないではないか」
ボー「いや弟よ、ここまで地球が木っ端微塵になるのがそもそもおかしいのではないか?これでは我々がまるで火薬庫の中に火のついたダイナマイトを持って入っていったようなようなものだ」
マー「そう言われたら確かにそうだな弟よ。なら最初からそれを言え!というか、これ以上はもう身体がモタナイ、、、」
ボー「もうええわ、ありがとうございましたー!」
ジュウッ(マーボーの消える音)
クロウ司令「とまぁ、奴らは死後の念を使い我々に最後のあがきで漫才を送ってきたのだ」
しろちゃん「そんなもん全然笑えねーよ!どうすんだよ!?博士やあんこさんや、みんないなくなっちゃって、、、」
アンヌ隊員「ほら、よく窓の外を見て?あなたたちの帰る地球はちゃんとほらそこにあるでしょ♪」
しろちゃん「え?地球がもう一個ある?これどーゆーことー!?」
クロウ司令「奴らとともに木っ端微塵となった地球は我々が君たち地球人のエージェントと作り上げたダミー【地球型超新星爆弾】のほうってことだ。やつらはこの宇宙戦艦フジのワープ砲でダミーの置いてあるニセ太陽系までオヴァンゲリオン初号機ごと囮の君たちと一緒に転送されたことに気づかず、そのまま偽の地球に最後の自爆特攻をしかけ自滅したってことだ。実はこの【鷹狩り作戦】を考えたのは他でもないナスビ星人の生き残りのトウフさんで、彼女は自分のせいでストーカー兄弟が暴走してしまったと思い、我々に相談してきたというわけなんだ。彼女は今、我々が保護している」
しろちゃん「つまり地球は無事で、エージェントのみなさんも生きてるってことなの?」
クロウ司令「あぁ察しの通り、彼らは良い仕事をしてくれたよ。地球の科学力はたいしたものだ。君らの任務はあくまで囮役だから詳しくは話せなかったけどね」
しろちゃん「、、、」
ブライアン「まぁ、なんにしろ俺たちはよくやったってことじゃないか!しろちゃん?」
しろちゃん「とにかく疲れたよ、でもみんな無事だったから良かったね♪てかそろそろ、おうちに帰してよ〜」
アンヌ隊員「はいはい、二人ともお疲れ様でした♪またね、バイにー♪」
【製作】
シロツメクサのしろちゃん劇場版「しろちゃんと世界一ショットガンの似合う男」製作委員会(黙示録)
【原案 総監督 プロデューサー】
詩桜兎
シロウ「おーい、しろちゃん。お餅もらって帰ってきたぞー!もういくつ寝るとじゃなくて、いつまで寝てるのよ?ずっと、お正月じゃないか」
あんこ「お雑煮作るから起きてよ♪」
しろちゃん「んーこれは見知らぬ、じゃなくて見慣れた天井。あれブライアンは?アゴがわれた外国人の英語講師知らない?」
シロウ「なんだそんな奴しらんぞ?寝ぼけてるんじゃないのか?お前、アマプラとかでいつもゾンビやエイリアンやサメ映画ばっか見てるから変な夢を見るんだよ」
あんこ「それはシロウも同じでしょ?初めてのデートでゾンビものの映画はさすがに無いとおもったわー」
しろちゃん「え、何その話?いっきに目が覚めてきたから聞かせて!」
【シナリオ 小説版担当】
藤崎要
アンヌ隊員「でも良かったんでしょうか?彼女たちの記憶を全て消してしまって。地球人にとって、しろちゃんとブライアンさんは英雄なんですよ?」
クロウ司令「我々と地球人のお偉方との協約があるからそれは仕方ないことだ。機会があればまた会いに来れるじゃないか?気に入ってるんだろ二人のことが。ん?まさかブライアンさんって、、、」
アンヌ隊員「そ、そんなんじゃないですけどね。今度会ったときは肉団子と呼ぶのだけはやめてあげますよ♪(笑)」
しろちゃんが、あんこの昔話に夢中になっている頃。テーブルの上に置かれたディスカウントショップの電球の空き箱と交換された電球そしてレシート。そのレシートの裏には「ヒーローのお二人さん、ありがとう♪」というメッセージがかかれていたのでした。
おしまい。