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紅月  作者: 瑞條浩幹
第1章 学祭
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起立性低血圧の恐ろしさ

「…あら。朝の6時から頑張ってメンテナンスしてくれていると思ったら、まさか寝てたのね。」

「それにもう一人の…有間君はどっかに行っちゃったのかしら。全く、後で注意しないとね。」

集合時間が8時30分に対し、8時25分…つまり遅刻寸前できた梅原は、誠介を見るなり、嫌みを言い始めた。

「梅原ー。流石に6時はきついって。そんなにやる事あるのか?」

「そうだぞー。劇とか売店だったらミスあったら大変なことになるけど、別にこれはいいんじゃねーの?ミス見つかってもその時に直せばいいじゃねーか。こいついきなりぶっ倒れたんだぞ。」

井上と石橋が反論し始めた。

「倒れた?そんなの6時に来たことと関係ないでしょ。それn」

「いや、低血圧だったら関係あると思うよ。」

梅原の話を遮って話し始めたのは、尾鳥よもぎだった。

「あ、尾鳥。おはよー。」

「おはよ。」

「それで?朝早く起きることと低血圧にどういう関係があるわけよ。」

梅原が、よもぎを見下して言った。

「うん…私もよくわからないんだけどね、低血圧の人って朝が弱いって言うでしょ。それはね、自律神経が上手く働かないからなの。」

「ほうほう。それで?」井上が合いの手を入れた。

「それでね…。低血圧は3種類あると言われているんだけど、一条って何をしたときに倒れたの?」

「えっとな…確か椅子から立ち上がった時だったかな。」

「だったら多分、起立性低血圧なんじゃないかな。だからそのことをふまえると、朝早くに起きてまだ活動出来る状態じゃなかったんじゃないかな、でその状態で急に椅子から立ち上がったから倒れたんだと思う。多分!」

よもぎは、説明をしながら、ベースケースを下した。

「…ふん。あっそ。」

梅原は決まりが悪そうに教室の中に入っていった。

「んだよあいつ。」

「俺やっぱ嫌いだなー。」

そういいながら、2人はカバンを端に寄せていた。

「でもさ、だからって2,3時間も倒れ続けるのか?」

井上が誠介を見ながら言った。

「それはただただそのまま寝てるだけなんじゃ…。」

よもぎは呆れていた。

「あ、そういえばさ。佐久間の仮楽屋ってどこか分かるか?」

「音楽室の奥にある楽器室。何で?」

「いやな。有間と佐久間がそこにいったままかれこれ1時間は帰ってきてねーんだよ。」

「へ?茉莉ちゃんはいたけど有間は…ってもしかしてあの美少女!?」

「…ちょっと聞かないでおく。」

「いや~。ほんっと楽しみだな。」

急ににやにやし始めた井上と石橋を見て、よもぎはボソッと呟いた。

「なにこいつら…なんかキモイ。」

「ほらほら。みんな静かにして―。今から1,2組合同朝の会始めるぞー。」

1組の担任である西板琉惺が来た。

説明合ってると思う…多分!

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