闇の中に差す光は見えるけど掴めない
二日前ぐらいから始めた「闇光」の説明をします。
自作レビューの方に書いてもいいのですが、まだ三話しか書いてないのでそれはもっと後にします。
この作品は「斬らない」を読んでいるような方にこそ読んでもらいたいところがあるので一応宣伝的なことをします。
元々これは過去に書いた作品ですが、当時なろうをやってなかったし話が暗いし字数も6.6万と中途半端(新人賞に応募するなら10万字前後が一つの目安となる)だったためお蔵入りしていました。
ただ、最近色々考えつつ読み返しつつ見ると、今の私の考えてることとか葛藤とかがすでに表現されているなと。今は色んな作品に触れてそういう感情をある程度言葉で表現できるようになったので改めて書き直して、ついでに投稿しています。あと、時間を置いて客観的に見れるようになったとか、当時より文章が多少はうまくなったとかあるので、そういう修正もしています。
あらすじ
”武門の名家”と呼ばれる下級貴族のオーガスタ家に生まれたアイルは武術よりも魔術の勉強が好きだった。
しかし騎士団長の父からは騎士を継ぐことを強要され、市民には武術が下手なことを嘲笑われる。
そんなアイルの元に圧倒的自由さを持った女剣士ナユタが現れる。
彼女はアイルの人生に光をもたらすが……
ありがちな、「自分がやりたいことをやらせてもらえない」という葛藤に対して、自分で答えを出す前に目の前を通りかかったヒロインが答えを出してしまったため、彼女に依存(そういう言葉でくくっていいのかは不明)してしまうという話です。普通の主人公はそこで自分で魔法学校に行くなり魔術師に弟子入りするなりして問題を解決するんですけどね。
そのため、ヒロインと出会ってからも「自分で決断出来なかった」というコンプレックスがついて回るという暗い話になっています。
それはそれとして、ヒロインのナユタの心は別な人に向いているというどこまでも暗い話です。逆に言えば暗いですがそれぞれ悩んでいる内容は気持ちの問題で、はたから見るとそこまで深刻ではなかったりするかもしれません。
この話は前に「斬らない」で書いた、主人公が救われることへの矛盾に対する一つの答えです。
特になろうでは主人公に自己を投影して、主人公がチートやハーレム、スローライフや復讐を成し遂げることで読者が幸せを得るという作品が多いです。
しかし私としては実はすごい力を持っていたり、会話するだけで女の子が惚れるような主人公には自己は投影出来ないんです。もっとしょうもないことを引きずって悩んでいたり、自分で自分の殻に閉じこもっていたりという主人公じゃないと自己投影出来ません。
そしてその主人公が救われてしまう(それこそ隠された才能に目覚めるとか)と、その瞬間自分とは別の存在になってしまいます。
という文章に共感した方は読んでみてください。この問題に対する画期的な答えが出せたとまでは言いません。




