フォークランド沖のシャークマウス
少しばかり昔に「アルゼンチンに逃げたドイツ人がフォークランド紛争に参加したら」とか「日本が早期講和してたら」とか、いろいろ盛った仮想戦記を書こうと勇んでそのあと無事に鎮火したものの、冒頭シーンです。
低空飛行と対艦攻撃をするジェット戦闘機とか攻撃機とか爆撃機とかはかっこいいので、もっと流行ったらいいなって思います。
海抜高度十メートルの超低空を三機の無尾翼デルタ翼機ミラージュⅢが編隊を組み、轟音を響かせながら海上を駆け抜けていく。
暗褐色を基調とした旧ドイツ空軍の標準地上迷彩で彩られたミラージュⅢ戦闘機の箇所儲けられたハードポイントはすべて使用され、機体の中心に近い二つのハードポイントには一千ポンド低抵抗汎用爆弾が、外両側には落下式燃料タンクが吊るされている。
時速は九百五十キロ。ユモ009ターボジェットエンジンが生み出す推力により、ミラージュⅢは亜音速で大気を切り裂き、セバルド海峡を飛び去っていく。
もし高波がミラージュⅢの翼端に触れようものなら、水はコンクリートのように振舞って軽量合金で構成されたダガーⅢの翼をいとも容易く引き裂き、揚力とバランスを失った哀れなデルタ翼機を飲み込み、粉々にするだろう。
それが分からない飛行士たちではない。
彼らは精鋭中の精鋭であり、望んで戦闘機の操縦士になった男たちだった。
右手を操縦桿に、左手をスロットルレバーに、両足をラダーペダルに乗せ、対Gスーツに身を包んだ空の騎士たちは、騎士らしからぬ超低空飛行を続けている。
『――こちら禿鷲。警笛手へ送る。方位修正、右五度、高度そのまま。距離四十五海里。標的〝女王〟は護送されている。〝騎士〟は円陣を組み〝斥候〟が前方を警戒中。哨戒機は補給中、随時発艦する見込み』
「禿鷲、こちら警笛手。命令を諒解。右五度修正」
編隊の先頭、機首にシャークマウスを描き、両翼に黄色いリボンのような識別マークを塗装されたミラージュⅢの操縦士が、先んじて敵艦隊と接触を保っている哨戒機からの通信に答えた。
機首を上げろと警告音声が狂ったように何度も何度も繰り返しているが、操縦士はそんな音声など端から存在しないとでも言いたげに無表情を保っている。
操縦桿を微かに右へ傾け、ラダーペダルで機首が下がらないように調整しながら、男は方位修正を終え、再び高度との戦いに戻る。
灰色の瞳は老練な猛禽類を思わせ、ヘルメットから微かに除く髪は白髪交じりだ。
対Gスーツに包まれた身体は筋肉質で、操縦桿やスロットルを動かす手の動きは非常に滑らかだった。
浅黒く日に焼けた肌には皺が深く刻まれており、どう見ても歳は四十を越えている。
だが、その飛行は鮮やかであると同時に苛烈であり、後ろの二機はやっとの思いで彼のミラージュⅢに着いて行っているように見えた。
敵艦隊のレーダーピケット艦に捕捉されないよう、ミラージュⅢの編隊は全機レーダーを切り、目視で飛行していた。
ミラージュⅢを誘導するのは機体の背に大型のレドームを搭載したプロペラ推進の哨戒機であり、彼らは強力なレーダーによって艦隊とミラージュⅢ編隊を常に捉え続けている。
レーダー上では艦隊の大きな光点が緩慢にフォークランド諸島の影へ迫る中、小さな光点の纏まりが騎兵隊のように艦隊の光点目掛けて突撃している様が見えるはずだ。
海上武器プラットフォームである戦闘艦に対し、ミラージュⅢの持つ武装は一千ポンド低抵抗汎用爆弾と固定武装のMG213/C30が二基各百二十五発、計二百五十発に過ぎない。
大口径砲や艦対空ミサイルを持つ戦闘艦は、通常高度を高速で接近する戦闘機、攻撃機に対しては無慈悲な火力投射を行いこれを殲滅する。
しかし、敵艦隊のレーダーのルックダウン能力に欠点があるということを、編隊長の男は知っていた。
即ち、低高度だ。
低高度を飛行すれば、敵艦隊のレーダーはこちらを捉えることはないと、男は経験上知っていた。
『――くそっ、なんて技量だ。これに着いていけってのか』
二番機か、三番機の操縦士の声が通信に混じる。
編隊長の男は泣き言を聞いても表情を変えることなく計器とHUDを一瞥し、機首を海面に突っ込ませるような低空飛行を続けた。
高度は十から一の間を往復し、時には高度計がゼロを示すことすらあったが、その際は決まって海面がダガーⅢを避けるようにして下降する。
もちろん、母なる海がたかが一人の男に愛を注いでいるのではなく、男が母なる海の機嫌を察知し常にその逆鱗に触れるか触れまいかという瀬戸際をあえて飛んでいるのである。
そうしなければ、男の率いる編隊だけでなく、各航空基地、並びに航空母艦から飛び立った攻撃部隊の存在が露呈し、奇襲が奇襲でなくなってしまう。
そうなればアルゼンチン共和国が領有権を主張するこのフォークランド諸島は、イギリスの軽空母を旗艦とした主幹艦隊に攻め込まれ、制圧されるだろう。
そうなってはならない。それだけは阻止せねばならない。それを阻止するために、男は飛んでいる。それが、この男の任務だ。
薄暗い曇り空の下、白波を立てる海面すれすれを、まるで翼で海を切り裂かんとするかのように、ミラージュⅢは亜音速で飛ぶ。
操縦桿を握る男の手は緩むことはなく、前方をヘッドアップディスプレイ――HUD越しに見据える灰色の目は遥か彼方、いや、もはや数十キロと迫ったのイギリス海軍主幹艦隊を捉えている。
空対艦ミサイルなどではなく、昔ながらの無誘導爆弾と搭載機関砲を携え、軽合金製の三角翼を両肩に広げ、風を切り裂き飛沫を浴びながら、這うようにして飛び続ける。
見えない敵との戦いが、見える敵との戦いに変わるまで、男は高度と海と戦った。男に追い縋るミラージュⅢは、男に認められるために、必死で男の背を追い続けた。
永遠に続く拷問かとも思える時間は、それまで沈黙を保ってきた哨戒機からの通信によって終わりを告げた。
『――こちら禿鷲。警笛手へ送る。槍は放たれた。海鷲は貴君と共に在り』
ブリーフィングで通達された暗号だ。
槍は放たれたということは、ミラージュⅢ編隊とは別ルートで低空進入していたフランス製のシュペル・エタンダール攻撃機の編隊が、AM39エグゾゼ空対艦ミサイルを発射したということだ。
海鷲は貴君と共に在り、というのは、海軍航空隊所属の合衆国製A-4攻撃機が別ルートで、しかしミラージュⅢと同じ攻撃方法で敵主幹艦隊に突入するということを意味している。
この時点で作戦参加機は、ミラージュⅢ三機、哨戒機一機、別働隊シュペル・エタンダールが六機、攻撃部隊主力のA-4が二十七機。
制空権確保のため上空に展開しているミラージュVは六機で、空中待機中の空中給油機が一機いる手はずとなっていた。
総計、四十五機。
アルゼンチン空軍機全百四十機のうち、整備や故障で動かない不動機や海上戦闘に不向きなCOIN機などの補助機を除けば、四十五というこの数字は全戦力の凡そ半数を意味している。
「諒解。禿鷲へ、こちら警笛手。ジェリコの喇叭は鳴った」
『――亡き戦士たちの祝福があらんことを』
ヴァルハラで眠る先祖たちからの祝福など受けられるのだろうかと、男は不思議に思ったようだった。
眉を顰め、息を吐き、なにか気の利いた言葉をここで言うべきかと口元をもごもごと動かす。
だが結局、なんの言葉も思いつかなかった。
当然だ。男は任務を完遂するだけなのだ。
そんな言葉を考える容量など鼻から存在しない。
男に求められているのは、ただ戦うことそれのみなのだ。
「編隊、突撃開始」
ミラージュⅢの編隊は機首を上げ、高度を十五メートルへ回復させる。
シュペル・エタンダール攻撃機のAM39エグゾゼ空対艦ミサイルは撃ちっぱなし能力を備え、発射した後に攻撃機は即離脱ができる。
エグゾゼは、一度レーダーで捕捉した目標に超低空海面追随飛行で接近し慣性航法で飛ぶ。
終末航程は目標捜索装置によるアクティブ・レーダー・ホーミングで、これはミサイル本体が目標にレーダー波を照射することでミサイルを誘導する方式のことだ。
信管は着発と擬似近接信管の二つが存在しているが、今回の作戦のシュペル・エタンダール攻撃機が搭載しているAM39エグゾゼ空対艦ミサイルは、擬似近接信管を使用している。
近接信管とは言うが、その実質は遅延信管に近いもので、目標捜索装置からの情報を元に、ミサイルが目標に命中したであろうとされるタイミングから0.015秒後に起爆するよう設定がなされているものだ。
そしてそのエグゾゼ対艦ミサイルと同じように、艦隊旗艦空母ハーミーズを中核とした空母二、ミサイル駆逐艦十、フリゲート艦十三、揚陸艦八隻、輸送艦他支援艦十六の計四十九隻から成る機動艦隊、イギリス海軍第三一七任務部隊の中核へ、ミラージュⅢは突っ込んでいく。
低高度を這うように、海面を舐めるように鮮やかに飛び、吊り下げた爆弾を叩き付けるためだけにマストよりも低く、レーダー警戒網の下を掻い潜っていく。
単座のミラージュⅢでは生死を共にする同乗者はいない。この低空飛行はただ自分との戦いになっていた。
海が自分を飲み込んでしまうのではないか、次の瞬間には海面が盛り上がり壁となって自分を粉砕するのではないかと、ありもしない妄想が現実味を帯びていき、耐え難い恐怖が胸の内から喉へ、そして脳へと這い寄っていく。
それを否定するのは容易いことではない。どんな人間であれ恐怖からは逃れられず、恐怖とは毒であるが故に蜜のように甘く滑らかで、驚くほどすんなりと心を侵食していくものなのだ。
見えない恐怖が、見えないという恐怖が飛行士たちの心を徐々に蝕んでいく。射出座席の下、計器類で塞がれた視界の先に、見えない海水の壁があるのではないかという妄想が二番機と三番機の機動を鈍らせる。
操縦桿を握る手が震え、体が震え、無性に大声を上げてこの不安を解消したい思いに駆られる。
高度計が信用できなくなり、自分は高度十五メートルよりも下を飛んでいて、もう機体の下部は海水を擦っていると考え出したあたりで、二人の飛行士は一番機が翼を振るのを見た。
着いて来い、と言っている。
『……命令を諒解』
『諒解。着いていきます』
不可能ではない、と自分に言い聞かせ、二人の機は編隊長である男の機の後を必死で追った。
自分とミラージュⅢが一体となり、一つの物体となったような錯覚さえ覚えるほどに神経を研ぎ澄ませ、対艦ミサイルのように海上を超低空で飛行する。
エレボンで機体を傾けすぎれば翼端が海面を掠るため、ラダーペダルで機首を微調整し、エレボンで上下の調節を行う。
無尾翼機であるダガーⅢは、尾翼が本来備える昇降舵が存在しないため、補助翼と昇降舵の機能を兼ね備えたエレボンを用いている。
ギリシャ文字のΔ型の翼形状から命名されたデルタ翼のミラージュⅢは、このエレボンを主翼後縁に、つまりΔ字の底面左右に備えていた。
細長い槍のような機首を敵艦隊へ向け、三機のミラージュⅢは亜音速で海面を滑る。
主翼のエレボンと垂直尾翼のラダーを小刻みに動かしてバランスを取りながら、目に見えないレーダー波を掻い潜って、自分の父母の、祖父母の国を滅ぼしたイギリス人たちの艦隊に向け、一直線に。
「あれか……」
水平線上にぼんやりと見える点を、編隊長の男は睨みつける。
男は飛行士としては年老いていたが、その視力は並みの飛行士の優に二倍はあった。
他の二人には点にしか見えずとも、男にはそれがイギリス海軍第317任務部隊のレーダーピケット艦のマストだと分かった。
合衆国が第二次大戦で多用したレーダーピケット艦は、機動部隊本隊から遠く先行する斥候のような役目を持つ。
レーダーピケット艦が敵を発見すれば、その情報は敵機動艦隊に転送される。
その任務ゆえにレーダーピケット艦は真っ先に敵の矢面に立つことになり、集中攻撃を受けることも多々あるのだ。
水平線上に浮かび上がったレーダーピケット艦は二隻、一隻は既に黒煙を上げ傾いでいた。
シュペル・エタンダール攻撃機のAM39エグゾゼ空対艦ミサイルの直撃を受けたのだろう、黒煙を上げ傾いでいる駆逐艦に別の駆逐艦が寄り添っている。
損傷した艦のマストには信号旗が翻っていた。
『我、重大損傷ヲ受ク』
『助力無クシテ火災鎮火不能』
『我、航行不能』
はためく信号旗を男が解読している間に、亜音速のミラージュⅢはあっという間に二隻の駆逐艦を通り過ぎ、飛び荒ぶ矢となり敵主幹艦隊へと突進する。
さきほどの二隻のうち一隻が通報したという可能性は高いが、今更反転したところでなにになるだろうか。貧乏性のアルゼンチン空軍司令部は着陸するための爆弾投棄など許さないだろう。
口汚く罵った後、軍事法廷をちらつかせ敵前逃亡罪の適用を仄めかし、役立たずと罵倒してから帰投せよと言うに違いない。低速運動性の悪いデルタ翼機に千ポンド爆弾を吊り下げながらの着陸など、誰が喜んでするものか。
そうであれば、自ら鉄火場の中へ突っ込む方が遥かに良い。
口端を釣り上げ、男は水平線上で戦闘が行われているのを見た。A-4攻撃機編隊が敵艦隊への突入に成功したようだった。
だが、何機かが敵艦の艦対空ミサイルによって爆散し中空に華を咲かせている。
数機などは勇猛果敢にも爆弾投下後、敵艦と擦れ違う度に機首同軸二十ミリ機関砲二門を浴びせかけているらしく、曳光弾の光の帯が視認できた。
敵攻撃機に突入を許し隊列の乱れた艦隊の中に、異様な巨体を引き吊るようにして動く城がある。
男はその城に機首を定め、後ろに追随する二番機と三番機に散開各個攻撃するよう無線で言った。
自分一機で十分だと男は確信している。
敵航空母艦を殲滅するだけなら、自分一人でも可能であると。
男が機首を向けたのは、――敵艦隊旗艦空母『ハーミーズ』と軽空母『インヴィンシブル』。
その周囲には駆逐艦が〝女王〟を守る〝騎士〟のように展開しているが、男にとってそれはただの障害物に過ぎない。
駆逐艦などはなから男の視界には映っていなかった。男の目には特徴的なスキージャンプ式飛行甲板が見え、その二隻まで到達するのに辿るべき道筋が視えた。
飛来する艦対空ミサイルの軌跡と人間の断末魔のような警戒音、身を削りそうなほど至近を通過する対空砲弾や機関銃弾の航跡が、男には視えた。
デッキクルーたちが小銃や機関銃を手に取り昔ながらの闇雲な対空砲火を打ち上げている様が、ありありと視えていた。
「〝女王〟を墜とす」
MG213/C30二基のアーミングスイッチをONにし、男は操縦桿を倒して海面と同化した。
混沌とした対空戦闘の中、イギリス海軍艦隊の中に極超低空を飛行する一機のミラージュⅢに気付く者などいなかった。
波飛沫を上げ、まるで機体そのものが槍と化したように一直線に旗艦『ハーミーズ』へ突進するシャークマウスの描かれた敵機に駆逐艦の機関銃手が気づいた時には、ダガーⅢは嘲笑うかのように駆逐艦を過ぎ去り、次の瞬間には巨体を海原に乗せた〝女王〟の横腹へ一千ポンド低抵抗汎用爆弾を叩き付けていた。
一瞬、なにも起らなかったかのような静寂が過ぎ、『ハーミーズ』の甲板要員の中には「不発だ」と呟く者もいたが、飛行甲板直下に突き刺さった一千ポンド低抵抗汎用爆弾は無慈悲にも時限信管を作動させ、充填された二百キロの高性能爆薬が、圧倒的な暴力によって『ハーミーズ』の艦内を地獄に変えた。
甲板のエレベーターからは炎が噴出し、格納庫での誘爆で甲板は浮き上がり、駐機していたVTOL戦闘機ハリヤーは甲板から滑り落ちて海に投げ出された。
格納庫近くで爆弾が炸裂したため、格納庫内部では炎と黒煙が踊り狂い、酸素と人命と血税で賄われたありとあらゆる装備品を貪り食っていた。
勇猛果敢なダメージコントロール要員たちが必死で消火活動に勤めるが、火は水を飲み込み、そして徐々にすべてを飲み込み始めた。
惨状を後にし、男は操縦桿を傾け機体を翻し、旗艦『ハーミーズ』の後方で航行中の軽空母『インヴィンシブル』に狙いを定める。
二年前に就役したばかりの軽空母は三十年来のベテランであった『ハーミーズ』の惨劇にも関わらず果敢に応戦した。
シーダート艦対空ミサイルを発射し、二十ミリ機関砲で迫り来るシャークマウスのミラージュⅢを撃ち落さんと、牙を剥いた狼を射殺そうとした。
だが無意味だった。シーダートは近距離にまで接近した敵機に追随できず海面に突っ込み、二十ミリ機関砲は次第に俯角が取れなくなり個艦防衛の役割を果たすことが出来なくなった。
甲板から必死の形相をした海兵が機関銃をダガーⅢに向けて乱射するが、当たるわけがないのは誰が見ても明らかだった。
対艦ミサイルのように艦至近で機首をあげた男は、機体をロールさせ天地が逆転した状態で操縦桿の発射ボタンを押し込む。
MG213/C30、三十ミリ機関砲二基が唸りを上げ、巨大な機関砲弾が『インヴィンシブル』の艦橋を耕した。
艦橋にいた要員は血煙となるが欠損を負うかのどちらかしかなく、炸裂した八十グラムの炸薬が爆発と鉄片を辺りに撒き散らすと生き残った者たちも息の根を止めた。
機関砲は一瞬の間に艦橋のあらゆるものをずたずたに引き裂き、唐突にその役目を終えた。
男が発射ボタンから指を離したのだ。
飛行甲板に居た者は、背面飛行の状態で艦橋を破壊したミラージュⅢの塗装を見た。
その〝人喰い鮫〟はマストを切り裂くようにして飛び去り、混乱と破滅に陥れられたイギリス海軍第三一七任務部隊を嘲笑うかのように二機の僚機を伴って超低空で離脱していった。