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第一次世界資源争奪戦の後に再び始まる第二次資源獲得争奪戦

この時代、異世界に通ずる時空の捻れや洞窟等から這い出た魔物による、人的被害と。


 地中から噴出した、高濃度の有毒物質に悪影響を受けた生物が、魔物化した事による混乱が続いていた。


 この時代、混乱に包まれた世界を二分する勢力が生まれ、大国同士は軍事的に対立しながらも直接ぶつかる事は無く。


 自国軍の警備会社化と、兵士個人を傭兵として未知の魔物と、住み処の奥から得られる資源の争奪戦を展開していた。


 それが始まった先の資源争奪戦は、第一次資源争奪大競争と、後に呼ばれており。


 連合会社の資源確保成功と、同盟会社の資源獲得失敗により、大競争は終結した。


 それから後に大和皇国は大陸にて、満清国と表向きには同盟を結び、大陸進出を果たした。


 裏では満清国を牛耳っていた大和皇国であったが、忠花民國と対立し大陸の資源、詰まりは魔物と洞窟奥の鉱物を巡って争奪戦状態と成っていた。


 そんな中、蒋介水が率いる忠花民國政府と、汪兆酩が率いる南京國民政府が別れ始めた。


 当所、大和皇国側は、南京國民政府の南京國民公司に肩入れし、忠花民國の忠花革命公司には、バイエル帝国側が味方した。


 だが和、刃、砂、三国による防魔協定で大和・バイエル両国が同盟を結んだ為、二つの忠花民國政府は和解を模索し始めた。


 両会社の雇った傭兵同士は共同作戦を展開し、魔物の掃討、魔物が涌き出る洞窟の破壊、匪賊の討伐、等の任務をこなしていた。


 しかし、政府首脳部は完全に決裂していたので、大和・バイエル政府の仲介は無駄だった。


 その間、ザヴォイア王国は黒シャツ社を率いる、ムッセリーニ総領(ドゥーチェ)が就任して、アフレカ大陸のレビアと、エリトレアに傭兵会社を展開していた。


 資源争奪戦にて、アビチピア帝国の帝国国営会社を瓦解させ、吸収合併すると、アビチピア側を指示していた大和皇国と一時は険悪な雰囲気に成ってしまったのだが。


 此方も防魔協定を結んだが故に、両者は急激に接近し友好ムードとなり、現在の良好な関係に至った。



「って言うのが今までの経緯だよ、分かったかな?」


 資源争奪戦の終結と枢軸国の事を語る、優しそうな黒髪七三の髪型で緑色の忠花服を着た、若い男性が子供に問い掛けるのだが。



「うーん?うんうん・・・」


「全然、分かんなーいっ!」


 当然だが、今を楽しく生きる忠花服の子供達に難しい話が分かる訳が無く、若い男性は苦笑するだけであった。



「アハハ・・分かる訳が無いか」


「兄さん、出発の準備は出来た?」


 若い男性の居た一軒の木像家屋の裏から、彼より背の低く年若い、桃色の忠花服の女性が現れた。


 彼女の髪は黒色で長いのだが、丸みがかって前から見たら短く見え、後ろの毛はリボンで縛りロングテールにしていた。



「まだだ、受け取りに来る筈の傭兵が来ないんだよ、後一組来るって話がだったけど」


 若い男性は妹である女性に答えつつ在庫の山である、細長い木箱と弾薬箱の山を見つめた。



「では彼方に・・」


 開いた門の中に先程の老人が手招きして案内すると、四人の乗ったサイドカーは低速で村の中に入って来た。



「おっ!彼処に居るのは行商人じゃないの?」


「どうやら?その様だな」


 千ゑ、太一は村内の右手で弾薬箱と木箱を並べる、二人の若い男女を見つけた。



「貴方達が弾薬を届ける傭兵ですか」


「そうだぜ、それと商品を売って貰いたいんだがな」


 若い男性の問い掛けに、太一はそうだと答えて、弾薬を補給して貰おうとする。



「謝謝、それは少し無理ですね、我々は商人では無いので」


「我々は弾薬を届ける様に言われてるだけですから」


 若い男性と妹の女性は、太一の問いにそう答えると、千ゑが財布を胸のポケットから取り出した。



「ぜぜ子なら払うからさぁ~頼むわよ~~」


「いや、私達は次の村に補給物資を、届けに行かなければ成らないので、無理ですが」


 財布をヒラヒラと振るう、千ゑの態度に、若い女性は呆れつつ店は彼方だと教えた。



「彼処に銃宝店なら有りますよ?」


「えっ?あ・・本当だわ、教えてくれて有り難う」


 千ゑの態度の悪さに、チンピラ見たいな女性だと思う、若い女性は銃宝店を教えた。



「有り難ね、んじゃあ私等は弾薬を受け取ったし、ちょっくら店に行って来るわ」


「そう言う事だ、後は別々だな」


 千ゑ、太一達は後ろのフォルカーと、ザミーラ達に店に行くと言って別れた。



「行ってしまったな、それより、じいさんは何処に?」


「そうね、何処に行ったのかしら?」


「ここですよっ」


 フォルカーとザミーラが消えた老人を探して、彼方此方へと目を配ると、右側の家の戸を開いて老人が出て来た。



「あの、先程の御二人の話ですが」


 老人はそう言いながら、両手に何枚かの忠花民國の紙幣を乗せて二人に話を始める。



「あの、二人は何処に向かったのです?」


「私達も助けに行きたいので教えて下さい」


 フォルカー、ザミーラ達は魔物退治に勝手に行ってしまった二人の行き先を、老人に聞いてみる。



「はい、御二人は私達集落の村人が魔物に困ってると言うと、魔物の巣穴が出来た西の森へと、三輪車を勢い良く走らせ向かいました」


 老人は西の方角を指差し、ゆっくりと落ち着いた口調で、二人に語り始める。



「ですので、前金として魔物の退治費用を支払いますので、貴方達にも彼等の元へ行って頂きたいのですが」


 そう言うと、深く頭を下げながら退治費用を傭兵である二人に差し出す老人。



「魔物が出ますと畑の野菜が食い荒らされますので、どうにか退治して欲しいのです」


 魔物の出没に困り果てた老人は、外国人傭兵である二人に頼りきるしか無かった。



「御老人、状況は理解した」


「私達の退治して参ります」


 それを理解し魔物退治を快諾した、フォルカー、ザミーラ達は前金を受け取り、早速魔物退治に西の森へとサイドカーを走らせた。



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