閑話 飯尾家の憂鬱
全文章を改行してみました。以前はなるべく文節で改行するようにしていましたが、どちらが読み易いかご意見頂きたいですニャ。
wikiの飯尾家の辺りが変わってましたニャー。飯尾敏宗さんは重宗に、飯尾信宗さんは尚清に。更に飯尾家は織田家親族だったと。これによる当小説への影響は……ありません。いや、この小説はフィクションなのですニャー。べくのすけが調べる前に変えといてくれなきゃ困りますニャー、で終わりです。ニャハハ。
犬山・飯尾屋敷
この日、飯尾屋敷には飯尾家臣が集められた。
初期から飯尾敏宗に仕えている元・織田信清家臣、飯尾本家から移籍した飯尾家臣、飯尾本家と統合した時に合流した飯尾家臣、そして今回、林佐渡守や佐久間出羽守から紹介されて仕官した者達である。
「皆も知っての通り、我が飯尾家の任務は治安維持にある」
上座に座る飯尾敏宗は話を始める。
今回、家臣を全員集めたのは飯尾家としてやるべき事を確認する事にある。
家臣の席の先頭には家老が二人、飯尾家臣を纏めている兄の飯尾信宗、犬山武士を纏めている長谷川一弘が座っている。
長谷川一弘は飯尾敏宗の妻の父親で舅となる。
飯尾信宗が一門衆家老、長谷川一弘が外様衆家老で飯尾家政はバランスを作っている。
「これまでその範囲は犬山周辺であったが、拡大して犬山から津島、清須、熱田を含む尾張国西部全域となった」
これまで、飯尾家が治安維持範囲としていたのは犬山周辺の池田家領地である。
当然であるが、飯尾敏宗は池田家臣なので、池田家の領地が対象だった。
しかし犬山の商業産業が発達してくると、津島、清須、熱田との商路が活発化した。
そこで運ばれる財を狙う野盗山賊も活発化したのである。
もちろん敏宗は野盗山賊を許さないが、池田家の領地を越えてしまうと、取り締まり権限が無くなる問題が発生していた。
そして小粒な豪族程度では野盗山賊を上手く取り締まれない事情もある。
これを知った野盗山賊達は警戒の緩い場所を拠点とし、稼ぐ時だけ池田領内に侵入、敏宗が来たらさっさと逃げる様になっていた。
この為、津島会合衆からはかなり苦情が出ていた。
業を煮やした織田信長は飯尾家を大強化する事にした。
前々から池田恒興から一宮に築城を願われていたので、その城を敏宗の拠点にする事を決める。
そして彼に尾張国西部全域の治安維持を委ねたのである。
林佐渡守や佐久間出羽守、織田家親族、大き目の武家は対象外となる。
だが、信長は状況に応じて可能となる様に取り決めを作った。
特に織田家親族領主は軍事力をあまり持っていないからだ。
領主から野盗山賊の討伐依頼を飯尾家に出す事が出来る。
また敏宗から追撃を申請する事も出来る様にした。
更に緊急時に限り、飯尾衆は領主の返事を待たずに突入する事も信長は許可している。
もちろん悪用は許されないが。
「範囲の拡大に伴い、新しく飯尾家に仕える事になった者達も居る。一刻も早く当家に慣れて貰いたい。また先達も指導には熱を入れる様に」
「「「はっ!」」」
飯尾家の活動範囲は優に5、6倍以上に拡大した。当然なんだが家臣が圧倒的に足りない。
そこで信長は一宮周辺の小武家を飯尾家の与力として吸収させた。
また林佐渡守と佐久間出羽守から紹介された者達を受け入れる事で増強を図っている。
何故か林佐渡守と佐久間出羽守はノリノリで紹介していたという。
「また、信長様より格別のお計らいが有り、一宮の新城を任される運びとなった。新城の築城は間も無く始まるとの事だ」
一宮に新城を築く事は、恒興から信長に打診されていた事だった。
恒興としては防御面に不安しかない犬山城での防衛は考えていない。
その為に犬山の東西南北に防御城を配置する支城防衛を計画していた。
その西側の防御城が一宮新城という訳だ。
織田信長はその計画に乗り、一宮新城を飯尾敏宗に管理させて、尾張国西部全域の治安回復を考えている。
「我らの働きには織田家の治政の根幹と津島会合衆の安全が掛かっている。信長様、池田の殿の信頼に応えなければならない。各々の奮起に期待している」
「「「ははっ!」」」
飯尾家を取り巻く現状の説明を終えた後、敏宗は宴会を執り行った。
古参の家臣、新規の家臣が仲良くなる様に企図したものだった。
飯尾家は順調に成長しており、誰の顔からも不安は見られない。
宴会は盛況のまま進み、夜が近付いて来たので散会となった。
その夜、飯尾家の家老である飯尾信宗は庭が見える縁側に座り、綺麗な満月を見上げる。
「ふう、大きな話になってしまったな」
「飯尾家は順調に成長しているではありませんか」
「まあな」
傍に居るのは信宗の妻で飯尾茂助の母親でもある。
彼女は縁側に居る信宗に酒を持って来た様だ。
飯尾家が順調に成長しているので、彼女も嬉しい様で笑顔である。
彼女は酒を信宗に渡すと、直ぐに戻っていく。
もう夜なので、寝る準備があるからだ。
明日から忙しくなる、酒を呑んだら寝なければ、と信宗も考える。
その時に信宗は何者かの気配を感じる。
「むっ!?何者だ!」
「……」
不審者は庭の木の陰に居る。
しかし何も言わない。
ただ、じっとそこに佇んでいる。
次第に月明かりから不審者の正体に信宗は気付く。
「……まさか、敏宗、か?」
「あ、兄上、その……」
不審者の正体は飯尾家当主で信宗の弟で主君である飯尾敏宗である。
挙動不審で目を躍らせて、身を縮込ませている男。
先程の宴会では堂々としていた者とは思えない様相だ。
「ええい!いいから入れ!こんな姿を誰かに見られたらどうするつもりだ!」
信宗は敏宗を即座に部屋へ引っ張り込む。
こんな姿を誰かに見られる訳にはいかない。
しかし物音に気付いた者がいた。
「あなた、何かありましたか?」
「おお、良い所に。人払いしてくれ。誰が来ても追い返していい」
信宗の妻である。
彼女はまだ近くに居たので、信宗の焦った声を聞き付けて来たのだ。
信宗は丁度良いという感じで、彼女に人払いを頼む。
敏宗を部屋に引っ張り込みながら。
「……またですか。いい加減、飯尾家当主としてしっかりして下さい。茂助にそんな姿を見せないで下さいね、もうっ!」
そんな敏宗を見た信宗の妻は不快感を顕わにして去って行った。
茂助にとって敏宗は養父や叔父というだけではない。
飯尾家一の豪傑で英雄だと思っている。
その茂助が幻滅したらどうするんだ、と彼女は言っているのだ。
妻に怒られながら、信宗は敏宗を部屋に入れて話を聞く事にする。
人払いに関しては大丈夫だろう、信宗の妻は事情をだいたい把握している。
敏宗がこんな感じで来る事は初めてではないからだ。
「今度はどうしたんだ?」
「りょ、領地が1万5千石に……。新築の城まで……。評価され過ぎて……」
「良い事ではないか。お前の働きが認められたのだ」
「わ、私はただ、殿に付いていっただけで……」
「それだけでも凄い事だぞ。池田の大殿は結構、無茶振りをする方だからな」
「しかし……」
池田の大殿とは池田恒興の事である。自分から見て上司の上司以上でその武家の最上位の者を『大殿』と呼ぶ事がある。
飯尾敏宗にとって恒興は上司なので『殿』、しかし信宗にとっては上司の上司になるので『大殿』という訳だ。
「敏宗、期待を重荷に感じる前に、信長様と池田の大殿の考えを汲み取るべきだ」
「御二方の考え……」
「信長様の考えは明白だ。木曽川東岸の治安だ。最近、あの辺りで野盗働きが増えていて、津島会合衆が訴えを出している。おそらくは長島川並衆の木っ端だろうが」
「奴らめ、目に物見せてくれる」
(よしよし、調子が戻って来たな)
最近になって尾張国西部、木曽川東岸辺りで商隊が襲われる事件が発生している。
人的被害は少ないものの、物品を強奪される事が増えている。
これは儲からなくなってきた長島川並衆の者達が散発的に行っていると信宗は見ている。
その話を聞いて敏宗の目に炎が宿る。
敏宗は野盗だろうが、山賊だろうが、川賊だろうが治安を乱す者は許さない。
それが己の『役目』だと心得ているからだ。
「信長様は京の都や近江国に家臣を充てていて、尾張国に信用ある家臣は少ない。だからこそ実績のあるお前に託された『責務』なのだぞ」
信宗は「期待されている」などとは言わない。
そんな言葉を使えば、また敏宗が萎縮状態になる。
だが、敏宗は己の『やるべき事』からは逃げない男だ。
故に『責務』『任務』『役目』などの言葉を使って、彼を奮い立たせる手法を取る。
飯尾敏宗は飯尾定宗の次男として産まれた。
この時点で彼には役目がある。
それは兄・信宗の『予備』、信宗に何かあれば代わりとなる、という意味だ。
武家にとって後継者問題は大事なので、出来る限り備えておくものだ。
しかし兄に何事もなければ、敏宗はただ居るだけとなる。
その立場、『部屋住み次男坊』としての毎日を敏宗は過ごした。
敏宗はその境遇に腐る事も無く、日々を鍛錬に費やしていた。
兄弟仲は良かったと言える。
信宗は敏宗より6つ年上なので、幼少の彼に剣術を教えたりもしていた。
彼が21歳になった時、信宗は待望の嫡子・茂助を得るに至る。
この時点で敏宗はお役御免となり、相続問題を起こし得る厄介者へと変化した。
信宗から茂助への相続が望ましいので、茂助が頼りなければ敏宗という選択肢を家臣に考えさせてはならないからだ。
その事を本人が理解していたのか、敏宗は茂助誕生を祝うと、次の日には一人で家を出た。
信宗は「これも武家の宿命か」と見送る事しか出来なかった。
その後、敏宗は親族の伝手を使って犬山織田家への仕官に成功する。
そこで彼は真面目に役目に励み、上司の長谷川一弘から娘を貰える事になった。
婚礼の儀式には信宗も出席し、弟の出世を祝った。
そして激動の嵐が巻き起こる事になる。
敏宗は同僚である加藤政盛と共に、主君である織田信清から密書を託されるのだが、ソレは池田恒興に目を付けられていたのだ。
敏宗と政盛は木曽川で池田恒興と前田利家に捕えられた。
密書を運んでいた者など、その場で処断されていてもおかしくない。
しかし、池田恒興は密書を取り上げると、二人に犬山を脱出しろと言う。
家族ごと自分の領地である池田庄で匿うと約束したのだ。
密書を奪われてしまった敏宗と政盛に選択肢など無かった。
もしも正直に主君に報告すれば、家族ごと斬首されるだけ。
敏宗と政盛は密やかに犬山へ戻り、妻を連れて池田庄に行き、そのまま池田恒興に仕える事になった。
敏宗は残して来た親族の事が心配だったが、織田信長が素早く動いた為に問題にならなかった。
犬山では敏宗と政盛の事に構ってる暇が無い、という訳だ。
犬山城が陥落すると犬山侍はほぼ失職してしまったが、池田恒興が犬山城主となると状況が変わる。
彼の重臣として元犬山侍の飯尾敏宗と加藤政盛が名前を連ねていたからだ。
池田庄1500石から犬山7万石を治めるなど狂気の沙汰で、どう考えても不可能だった。
そこで恒興は敏宗と政盛に犬山侍を吸収させたのである。
商家出身の加藤政盛はあまり人気が無かった分、武家出身の飯尾敏宗には仕官者が殺到した。
その時に舅の長谷川一弘が敏宗の家臣に加わり、人脈の広い彼は敏宗の為に多数の犬山侍を説得したという。
そして池田恒興の爆発的な出世と共に、飯尾敏宗も出世し、美濃国制圧前には五千石に到達する。
実家である飯尾本家は一千石で、あっという間に規模が逆転してしまった。
兄である信宗は少しだけ悔しく、大半は弟は優秀だと褒めてやりたい気持ちだった。
しかし飯尾本家でも問題が発生していた。
恒興が犬山城主になった時に、敏宗に飯尾本家から家臣を出している。
主に家臣の次男以下、つまり『要らない男子』である。
その『要らない男子』であった筈の者達が、敏宗の出世と共に出世し、実家を超える者が多数出たのだ。
つまり飯尾本家に仕えている方がバカを見る状況になっている。
これは早急に手を打たなければならないと信宗は頭を悩ませた。
しかし有効な手段が思い付かない。
そんなある時、現れた。
庭先に不審者が。
挙動不審で目を躍らせて、身を縮込ませている男。
弟・飯尾敏宗だった。
信宗は即座に敏宗を部屋に入れて事情を聴いた。
敏宗はその時に正直な心境を吐露した。
飯尾本家を蔑ろにしたくない、飯尾家惣領は茂助が継ぐべき、自分は主君である池田恒興の一個の武でありたい、と。
そこで話し合い、飯尾信宗は引退し敏宗が当主となる事、飯尾家は本家と分家を統合する事、敏宗は茂助を養子にして後継者とする事を決めた。
信宗の妻は当初、反対したが、息子の茂助が後継者と決まると逆に賛成した。
敏宗が当主となる事で、茂助は統合された飯尾家6千石の後継者となるからだ。
彼女は茂助の将来を危惧してしたのだ。
あれ?ワシの心配じゃない?と若干ヘコむ信宗がいたという。
こうして信宗は引退した体にして、一門衆家老として弟・敏宗を支えることになった。
そして飯尾家中を再編して不満解消と行きたい訳だが、織田信長による上洛戦が終わると、飯尾敏宗には1万5千石への加増と一宮新城というとんでもない褒美が待っていた。
特に大和国大名の筒井順慶を無傷で捕えた事が大評価となったらしい。
領地も一宮方面に偏るので、新規に仕官した者達も加え再編も同時に進むだろう。
これは『役目』から逃げなかった弟だからこそ、成し得たのだと信宗は思っている。
だから『期待』などという言葉より、『役目』だと言い聞かせる方が良いと信宗は考えている。
「池田の大殿の目的は『家中派閥』の問題だろうな。特に家老の土居宗珊殿の派閥が強過ぎる。というか、地元派閥が弱いんだがな」
「そうですな」
今の池田家はかなり余所者が居る。
尾張国出身と言える恒興の重臣は飯尾敏宗、加藤政盛、山内一豊、前田慶で以上となる。……明らかに少数派である。
他はだいたい他国出身となるので家老の土居宗珊が面倒を見ている事が多い。
大谷休伯や土屋長安などはそのまま恒興が面倒を見ている場合もある。
「だから池田の大殿は地元武家である我等飯尾家や山内家を強化している様に見える」
「兄上は宗珊殿に謀叛の可能性があるとお思いなのか?」
敏宗は土居宗珊に謀叛の可能性があると見ているのかと鋭い視線を送る。
それに対し、信宗は大仰に首を横に振る。
「無い。少なくとも大殿や土居殿が健在な内は問題は無い。だがな、次代の幸鶴様は危険だぞ。池田家は一癖も二癖もある有能家臣が揃っているが、大殿はお一人のカリスマだけで纏めておられる。それと同等のカリスマを幸鶴様は求められるんだ。可能だと思うか?」
「う、それは……」
「だからこそ今の池田家は一門衆の強化が必須なんだ。大殿の様な『剛腕経営』が許されるのは、あくまで大殿のみだ。幸鶴様には皆が『当たり前』を求める。嵐の大海原を征くより、穏やかな陸地で過ごしたいのだ、人は皆、な」
この話でヤバイのは恒興より後継者の幸鶴丸なのである。
恒興は池田家を大身に成長させた張本人であり、今の池田家臣も彼が一代で集めた者達だ。
故に恒興に関しては謀叛を起こされる要素は無い。
そんな怪しい人物は最初から恒興が排除している筈だ。
しかしそれを受け継ぐ幸鶴丸は話が違ってくる。
つまり今の家臣達全員が幸鶴丸に忠誠を誓うかは不透明なのだ。
だからこそ幸鶴丸の周りを固めておく必要がある。
謀叛が起こせる様な隙があってはならないのだ。
幸鶴丸には相続前に強力な刀剣と鎧で武装させなければならない。
それが飯尾家と山内家なのだと信宗は言っている。
それが本来の『当たり前』であって、今の池田家は『異常』なのだ。
今は恒興の実力とカリスマによって、その『異常』が成り立っている。
しかし、人はいつまでも『異常』なままに我慢できないだろう。
だから幸鶴丸相続時に人々は『当たり前』への是正を求めていく様になる筈だ。
誰だって安定した暮らしを望むものだからだ。
「故に幸鶴様の近辺には盤石が求められる。大殿もそれを気にして、側近になりそうな子供を集めている。茂助もその一員だしな。そして武力として叔父筋の山内家と準一門としての我等飯尾家が必要という訳だ。池田家を守護する武を構築する。それがお前の『役目』なのだ!」
「役目……」
信宗は『期待』されている、とは言わない。
そんな言葉を口にすれば、敏宗はまた萎縮する。
あの状態の彼は役立たずに等しいので、義務だと言い切る方が良い。
「兄上、ご迷惑をお掛け申した。もう大丈夫です」
「ならば口調も飯尾家当主のものに直せ」
「……ゴホン。うむ、苦労を掛けたな、信宗」
漸く敏宗は本来の自分を取り戻した。
口調も威厳ある当主のものに直す。
こういうのは形も重要だからだ。
「はっ、それは良う御座いました。して、殿」
「何だ?」
「いつ頃、飯尾家の本拠を一宮に移しますかな?新城はまだですが、任務や領地経営はありますからな」
「いや、私は犬山に居るつもりだが?」
信宗も口調を家臣のものに直す。
敏宗は飯尾家当主で自分は家老なのだから。
そして直近の問題である本拠移動について、敏宗に質問してみる。
尾張国西部に対する治安警備は直ぐにでも始めなければならない。
部隊はいくつも編成し、部隊長も選出していかねばならない。
やる事は山積み状態だし、いつまでも犬山を本拠にしている訳にもいかない。
しかし、敏宗から返ってきた返答は、拒否、である。
この男はこれからも犬山の政務所に居座る予定である。
「領地経営や家臣管理をど・お・す・る・お・つ・も・り・か?」
「……兄上は昔からやっていたのだし、私よりも慣れているかなぁーと」
「い・い・加・減・に・して下さいませんかな、御当主。あと口調を戻さないで貰いましょうか?」
「あ、はい。……うむ、分かった」
信宗は思った。
ダメだ、コイツを早くどうにかしないと。
いや、もうダメかも知れん。
茂助にはキッチリと『当たり前』の当主として教育をしないと。
敏宗はだいぶ恒興を見習っているのか、剛腕に近い家政形態になっている。
飯尾家政や領地経営を家老二人に丸投げして、本人は犬山の政務所にずっと居るのである。
この分だと一宮新城に移るのかも怪しい。
剛腕経営が許されるのは武家を大きくした本人のみだ。
なので信宗は敏宗に『期待』するのは止めて、茂助には当たり前の当主となる様に徹底教育しなければ、と誓うのだった。
べ「べくのすけの小説もAIが書いてくれないかなー」
恒「どんな狂ったAIならお前の文章を書けるんだニャー?無駄な事を考えるニャよ」
べ「開発者さんガンバレ!」