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亡霊騎士団は突然に~其の一~

ガラン、ガランッ!

ガラン、ガランッ!


城壁に設置された見張り用の矢倉の鐘が、激しく打ち鳴らされた。

数百年前の魔法大戦以降、疲弊しきった人々は争いを拒み、この鐘も役目を果たすことなど忘れていただろう。

しかし、数刻前に外壁の警戒部隊から発せられた、最も危険な意味を表す赤い信号弾を見張りが認め、さらに黒々とした亡者の集団を目の当たりにした見張りは、鐘が打ち割れんばかりにひたすら綱を振るうのだった。


「私は第二騎士隊と共に城壁の外にで敵を迎え撃つ。第三騎士隊は城壁直近で我々のバックアップを頼む。第一騎士隊は第三騎士隊が攻撃に集中出来るように展開、討ち漏らしを殲滅してくれ。」


騎士団長ヴァンレットは、王宮前広場に集合した騎士隊とその隊長に対して、手短かつ明確に指示を出していた。

この広場には、各50名程、計四つの騎士隊が集合しており、それぞれの騎士隊は、武器や装備品がそれぞれ概ね統一されていた。

しかし、内一つの騎士隊は武器はおろか鎧も各人バラバラで、あまつさえも整列すらままならない状態であった。

ヴァンレットはこの広場では異彩を放つ騎士隊に対し


「第四騎士隊は王宮内の配置に付き、姫様の警護に当たれ。敵が入り込んだなら確実に息の根を止め、姫様には指一本触れさせるな!」


と命令すると、隊長と思われる黒髪の女騎士がヴァンレットの前に進み出た。


「お言葉ですが団長、敵を迎え撃つのは第二騎士隊よりも我々の方が適任ではないでしょうか?未知の敵に対しては、組織より個の色が濃い我々のような部隊の方が柔軟に対応出来ると思うのですが。」


女騎士が申し出ると、騎士隊の中からひときわ身長が高く、紫の鎧を纏った細身の青年が女騎士の斜め後方に立ち、言葉を続けた。


「そうそう!エリートさんはよぅ、俺達の後ろで指をくわえて真の闘いってやつを見物してりゃいーんだよ!」


他の騎士隊を嘲笑うかのように言葉を発した男を無視して、ヴァンレットは女騎士に説明を始めた。


「戦場での柔軟性は私が何とかする。むしろ私は王宮内の戦いのような変則的な戦いの方が指揮しづらいんだ。第四騎士隊の連中は、私の言うことは聞かなくても、君の命令には従うだろう。姫様の許可は貰ってある。君を含め四人は姫様の直近で警護に当たってくれ。」


「しかしそれは第五…」


「これは通常の戦ではない。既に我々は先手を取られていると考えた方がよい。柔軟な対応が必要なんだ。頼む、サナリィ隊長。」


ヴァンレットはサナリィの答えを聞かず、馬に跨がり騎士隊を従え広場から出発した。


「ウヒヒヒヒッ!生で姫様とご対面ときたもんだ!俺様、手でも握ってお守りしちゃおーかな!…ひいっ!」


下品に笑う男の喉元にサナリィの剣先が突きつけられていた。


「これ以上第四騎士隊の名を汚すのなら、この場で手足を切り離した後、ミンチにして豚の餌にするぞ。」


サナリィが冷たく言い放つと、男の表情から笑みは完全に消え去った。


「我々も王国騎士団の一員である以上、信頼には応えなければならん。異議の有る者は即刻除隊し、山賊でも野党でも身を落とすがよい!」


サナリィはそう言って、ヴァンレットが向かった方向とは反対の、王宮に部隊を進めたのだった。




今回の没ネタ~

・ヴァンレットが無礼なサナリィの部下をぶん殴る。←そんなキャラ設定ではない。

・サナリィが技を使って部下を粛正←無駄に話が長くなる。

・サナリィの部下と、第二騎士隊が一悶着。←めんどくさい。

・サーズィ→サナリィ←何かね…気分が…。(笑)

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