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次元の狭間にてっ  作者: かもめ
第一章 少年と少女
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episode-1 ~異変~

俺の名前は、紅月希(あかつきのぞみ)

もう話したが、俺は次元を飛ばされた。

...文字通り次元の違う場所にいるということだ。

そういえば、最近気づいた事だが、俺には触れることのできるものとできないものがある。

たとえば、床や壁は触ることが出来る。

理由...?


そんなの知るか。


今のところ、俺と同じ次元に飛ばされた人には出会っていない。

つまり、一人ぼっちということだ。

さみしいかって...?

さみしいに決まってるだろ...。

でも仕方ないだろ?

そんな世界なんだよ。なぜかこの次元にいるとおなかもすかない。

だから別に苦労もない。

つまらないだけだ。

ただ、それだけ。




とりあえず外に出てみる。

なんだかんだ言っても俺と同じ次元に飛ばされた人にあいたい。

...いや、誰でもいい。

話がしたい。

人が恋しい。

家族は毎日目にするからよけいに愛おしい。


何故俺に気づかない。


そうやって家族を責めても意味のないことは分かってる。

そんなことを考えていると、俺は何かにつまづき、勢いよく倒れようとした体をギリギリで起こした。

久々に身に危険を感じた。

この次元に飛ばされて初めて生きようという反応が働いたのかもしれない。

俺は、自分をつまづかせたものが何なのか気になり足元に目をやる。

...あれ?

何もない。

平坦な道路だ。

状況についていけなくなった俺の脳は順番に今の出来事を理解する。


まず、俺は別次元に存在する。

床や道路などは何故か普通に触ることが出来る。

そして、今俺は何かにつまづいた。

しかし地面には何もない。


...理解しようとすればするほど分からない。

心臓の鼓動がはやくなるのを感じる。

この世界で永遠に続くのではないかと思われた"つまらなさ"がなくなるのではないかという期待。

ここでの生活が安定しなくなるのではないかという不安。

さまざまな感情が混ざって緊張という感情に変わる。

「何かあるのか...?」

声に出してみた。


...返事がない、ただの屍のようだ。


いや、屍すらないけども。

こんなことを考えているとだんだん緊張もほぐれてきた。

俺は何もないところでつまづいただけだろうと、当然の納得をする。

幸い、この次元では疲れも感じなければ怪我もしない。

だからもう気にしないでおこう。

―――――そう思ったそのとき。


既視感をかんじる。


そんなわけがない。

さっきの緊張のせいでおかしくなってるんだ。

俺はこの次元ではありえないこの感覚を否定する。

...しかし、それでも無視できない。

俺は、恐る恐る口を開き聞いてみた。


「お前は誰だ...?」



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