親愛―消失―
「う、うわーん!ううぅ・・・おとう、さぁん・・・」
佐和ちゃんは、自分の父親の死を間近で目撃し、自分では何もできなかったことを後悔するだろう。俺だって、愛する人にこんな重荷を背負わせたくない・・・!だけど、彼女は、早紀は、一生罪を問われない『殺人罪』の罪を持つことになった。そして、ここにいる人間、早紀を含めた6人は、被害者として扱われる。俺は、そんな人生を歩むのはいやだ。その前に、この件が事件になっているのかが気になる。ケータイが使えればワンセグにつないで状況を見ることができる。が、警察がここにいないことを考えると、事件にもなっていないだろう。
「私が、殺っ・・・」
今の早紀に、集中力を出せというほうがムリだろう。死にたくはないが、早紀が助かるなら本望だ。早紀だけは、助けたい・・・!
「残り時間は、何分だよ・・・?」
ちんぴらが擦れた声で言い始めた。確かに、ケータイどころか時計も見られないこの状況では、時間を確認することは不可能だ。こんなことになるんだったら、腕時計をはめて来るんだった。
「い、きます・・・・・・」
「早紀・・・」
「何?ミツくん?」
久しぶりに、早紀と話をした気がする。なんだか、人と話すのも久しぶりの感じがする。
「安心して。自信を持って。ゆっくりでいいんだ。一本一本的確に・・・ね?」
「ミツくん・・・・ありがとう」
ニコリと笑った早紀。可愛い・・・。
「いきます・・・!」
集中力を出せば出すほど、実感する上下の感覚。1メートルおきに置かれている6つの的。その分けられた空的は残りの人数よりも多い。だけど、もともと弓道は当たるだけでもすごいし、もともとは中心を狙う競技。難しいにきまっている。 早紀の指が、弓から離れた。ヒュンッ。 バリンッ!
バリンッ・・・・・・・・・?失敗、なのか?
「誰、・・・だよ?」
ちんぴらが怯えを露にしながら呟いた。後ろを見る。佐和ちゃんは大丈夫そうだ。誰だ?いつもなら、もうそろそろヘルメットが出るはず。俺?いや違う。・・・まさか!
「早紀!」
「ご・・・めん、さない。私、ミツくんと、クリアできなかった」
隣には、ヘルメットを被った佐和が涙を流しながら呟いていた。
「いや・・・だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「じゃあね。・・・」
プシュー・・・。毒ガスが、噴出され始めた。嫌だ!嫌、嫌、嫌だぁ!
「ミツ ・・・く・・・だけは・・・・し・・ぁわせに、な・・・て・・・ね」
「早紀がいないと、幸せじゃない!」
ガクン。・・・・力がなくなったかのように、死んだ、あの、早紀が・・・。俺は精神崩壊をして、叫び続けた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!うぐっ、うぅ・・・うっ!」
三人目、死亡・・・。
あのぉ、あと少し続きます。できれば、みていってください。お願いします。




