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開始−苦悩−

 ―おいおい。意味分かんねぇよ・・・。―

 確か、今日は彼女の誕生日で・・・遊園地に行って。

「ねぇねぇ、ミツくん。何に乗る?」

「ん?何でもいいよ。今日は早紀に合わせる」

俺が高校2年の時に1つ上の蔦川早紀(つたがわさき)と付き合い始めてから3年が経ち。無事、俺は早紀と同じ大学に進むことができた。だから、俺も早紀の前でも堂々とできる。

「ん~と、じゃさ!ジェットコースターに乗ろうよ!」

「うっ、いきなり激しいのいくなぁ」

「嫌?」

うん!こんな風に堂々と物を言えればいいけど。

「ううん。大丈夫だよ」

うぅ・・・。う、が1つ多いだけで違う意味になるなんて、日本語ってムカつく!

「じゃ、行こっ」

歯をチラッと見せて笑う早紀は完璧に最強だ。

 んでまぁ、簡単に説明させていただきますと。ジェットコースターに乗ったあと、なぜか観覧車にのり、コーヒーカップ、種類の違うジェットコースター3種、名前も分からない多々色々の遊具に乗った。

「あ~あ。今日は楽しかったね、ミツくん♪」

「うん、そうだね」

本当に楽しかった。何より、早紀の笑顔が何回も見れたこと。最高だったなぁ。

「あっ、ヤバッ忘れた」

早紀が何か大切なものを失ったときみたいにキョロキョロしている。

「何を忘れたの?」

「メリーゴーランド♪遊園地にきたら絶対にのるの!」

「ふ~ん」

「ねっ?のろ」

「いいけど」

絶叫系に比べたら100倍マシだ。すぐに答える。

「行こうよ」

メリーゴーランドを見つけると俺の裾をつかんで走る。

「あれ?なんで人少ないんだろ」

「うん。さっきまでは居たよな」

早紀に言われて気がついたが、確かに人数が減ってる。メリーゴーランドに乗る数人以外はいないようにも思える。

「まぁいいや」

何も考えずに馬に乗り込む早紀。俺が奥に座って早紀が手前に座った。

『♪では、行ってらっしゃ~い♪』

スピーカーで女の人が手を振りながらスタートのボタンらしきものを押した。 ん?なんで出て行くんだ?それに、あの男たちは・・・。

「ねぇ、見てよ。あそこ!夕日だよ」

「ん?あっ、本当だ」

「キレ~」

お前の方がきれいだよ。う~ん一回は行ってみたい。

 数分後。なかなかメリーゴーランドが止まらない。それに気がついたのは俺だではないらしく、周りの数人もキョロキョロ見渡している。早紀も不安そうだ。

「何で止まんないの?」

「サービスじゃね?」

とにかく緊張感を持たないようにする。

ピンポンパンポーン・・・。

『ただいまより、弓矢でズッキュンゲームを開始いたします』

その突然の声に、その場にいた全員が無言になった。

『ルールは簡単。この6人のうちの一人に弓と7本の矢をお配ります。その1名はこの中で一番確実な人物をこちらで選びました。その選ばれた人は、今から1メートルごとに置かれた13に分けられた的を射抜いていただきます。その中には、貴方達が座っている座席がかかれています。もし、その位置を射抜いてしまったら、その座席に毒ガスが噴出され死亡となります。生き残るには、そのほかの位置、7つを射抜けばいいのです』

何、言ってるんだ?冗談だろ?早くやめさせろ。ウザイ・・・。

『尚、ゲームの最中はベルトを締めさせていただきます』

その声とともに、俺の腰にはきつめのベルトが巻かれた。

『では、ゲームの挑戦者を発表します』

すべてが淡々と進んでいた。誰も文句を言わない。このゲームは何なのか、理解できていないのだろう。俺も理解できていない。

『挑戦者は、蔦川早紀さんです」

「ひっ」

自分の名前を呼ばれた早紀は、軽く息を止めた。俺は、目をゆっくりと閉じた。まさか、早紀が呼ばれるなんて・・・。想像もしてなかった。確立は3分の1で俺らじゃなかった。せめて、俺なら。でも、俺だったら全員の命を落とすこともあったかも知れない。俺だったら。

「なんで、彼女なんだ!」

俺の後ろに座っていた父子のお父さんが言った。隣の子供は理解できないが、死ということは理解しているらしく、酷くおびえていた。

「彼女の成績は優秀なものです。高校の弓道大会での成績はインターハイ日本3位。この中では一番優秀です。貴方の資料をみると・・・全く。酷いものです。何も成績を残していない』

貴方の資料って、ここにいる全員の資料を持ってんのかよ?ハハ・・・どうやって、集めたんだよ?言葉も出やしない。

「ミツくん・・・」

隣を見ると、早紀が震えている。唇も青い。

「大丈夫。早紀の実力ならできるいよ」

安心させてあげようとするが、振るえは止まらない。かなり緊張しているんだろう。それこそ、俺にはわからないほどに。

「でも、私、座った状態で射たことないの。それに、上下してるし」

「・・・・・・」

俺以上に冷静だった。早紀、がんばってくれ。

『最後のルールです。制限時間は1時間。どうぞ、頑張ってください』

その言葉が終わったと同時に、早紀の頭上から弓と矢が落ちてきた。

「きゃっ」

短い悲鳴。俺はケータイを確認する。時刻は17時25分。後1時間で、決まる。

「は、はやく射ってよ!貴女が私達の命を持ってるのよ」

顔は見えないが、反対側から女の声がする。

「早くしやがれ!」

同じ位置から荒々しい声も聞こえた。カップルだな。

「は、はい!」

早紀が慌てて弓を構えた。

「早紀さん」

後ろから声が聞こえた。

「はい?」

「私と佐和は貴女を信じます。だから、よろしくお願いします」

力強い声で、お父さんが早紀に言った。それが励みになればいいけどな。

「早紀、慌てなくていいんだ。7本。違うところに当てればいい」

「うん」

早紀も決心を決めたようだ。ゆっくりと、弓を構える。

「いきます・・・!」

揺れる。円状に、上下に。その中での、沈黙。集中力を高めてからの1発。 ヒュンッ。   カンッ!

一発目は、誰も座っていない位置に当たった。当たったところは白から黒に変わった。因みに、俺らが座っている位置には、色がついている。赤。青。黄色。緑。オレンジ。茶色。的は1メートル置きに6つおいてある。

「よっし!ナイスだ、早紀!」

俺は喜んで早紀を見た。

「痛っつ・・・」

「大丈夫か?早紀、どうした?」

早紀は胸を抑えていた。

「弓道の時にはね、女性が胸を痛めないように胸部に板をつけるの。今はそれがないから痛いだけ」

「ムリは、するなよ?」

「うん、大じょ」

「ムリしてもらわねーと俺は死ぬんだよっ。少しくらいムリしやがれ!」

うっさい。まじでウザイ・・・。だけど、今は我慢だ。このゲームの支配者は早紀。早紀の動揺は命の危機。

「いきます・・・!」

2発目・・・。「・・・」

ただ、無言で早紀を見つめることしかできない自分が、虚しかった。 ヒュン。パリンッ。さっきとは違う音を発して、矢が緑に刺さった。 と同じくして、皆が自分ではないかと不安をあらわにした。俺は、早紀を信じた。

「うわっ!」

反対側で、女の声がした。「んだよ、これ?」

男は少し戸惑い気味に言った。

「みき、みき!」

一人目が死んだ、呆気なく。

本当に、死ぬ。俺は現実を見た気がした。

えっとぉ、感想待ってます

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