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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

婚約破棄ざまー♪

婚約破棄 ざまー♪は美味しいお菓子付き

作者: た〜

「キャロライン。キャロライン・ジルコニア、お前との婚約は今この瞬間を持って破棄する。かわいいネリーに対する悪行の数々は看過出来るものではない」

王立貴族院の卒業記念パーティーの席上で婚約破棄を突きつけられたのは私、では無くジルコニア公爵家のご令嬢であるところのキャロライン・ジルコニア嬢

宣言する側はお約束通りの王太子殿下


ちなみに私は完全無欠のモブ。貧乏ではあるが没落の心配とは無縁の子爵家の次女。成績は赤点とは無縁ではあるものの下から数得たほうが速い。ルックスは下の上寄りの中の下。婚約者は私と似たようなスペックの子爵家長男。幼馴染。お互い理想とは程遠いが「まあ、他にいい相手は見つかりそうにないし、妥当な線だよね」というのが本人両家親族友人知人の共通認識だった。そういうわけで私には婚約破棄なんて言うドラマチックな展開とはまるっきり無縁なのでした。


そんな私にも実のところ、秘密がある。ベタベタな話で恐縮だが、前世の記憶があります。

日本でブラック企業で働いていた私はお約束通りの過労死を起こし、神様的な存在と出会いました。本人の言うところによると厳密には神様ではないけれど、おなじようなものと考えて問題ないそうです。その神様的存在いわく「過労死して気の毒だから異世界に転生させてあげる。余計な能力持っていると余計なイベントが発生して余計な苦労するからそういうのなしにしとくね」

いやいや少しくらいチート貰っても良いんですよ。そういうまもなく転生完了。転生先は権力争いとは無縁の下級貴族。程々に優秀な使用人に仕事を丸投げしておけば程々にうまくいく環境が約束されていました。

ですから、だらだらモブ人生まっしぐらです。


そういうわけで野次馬観客として婚約破棄という娯楽(?)に立ち会うことになりました。

こんなところで婚約破棄をやらかすなんて、これは「ざまー♪」ショーの開幕でしょうか?


「キャロライン。お前がネリーに行った嫌がらせの数々、全て調べはついている。階段から突き落とす、教科書を隠す、ドレスを破る、ロッカーに毒のある虫やヘビを入れる。悪行三昧ではないか」

おやおやテンプレ三昧ですわね。


「いつわたくしがそのような行為を行ったとおっしゃるのかしら」

おっと悪役(仮)令嬢の反撃開始です。と、思ったら

「すぐに分かる。防犯カメラに日時がしっかり記録されているからな。その時間にアリバイ工作を行っていることも調べはついている」

そう言うとスマートフォンを取り出し映写機に接続する王子様


この世界、封建制度が色濃い貴族社会なのに、なんと技術レベルは現代日本と遜色ありません。電気は普通に使えるし上下水道も完備。ただし格差社会でスマホなんて大富豪しか持ってないしテレビは一家に1台あれば御の字。私の実家もリビングに1台あるキリです。しかも大画面なんて贅沢品じゃなく多分24インチくらい。その割に何故かチャンネル数はやたら多くて無料放送だけで30チャンネルあります。録画機器は存在しますが高くて買えません。お陰で家族間のチャンネル争いは熾烈でした。


話が逸れてしまいましたね。とにかくキャロライン様の悪行ビデオの上映会と、相成りました。

なかなかえげつないですね。階段から突き落とすところも教科書を隠すところもドレスを破るところもバッチリ写ってます。超高画質です。それにしても公爵令嬢が直々に虫やヘビを手づかみしてネリー嬢のロッカーに放り込んでいたことには驚きです。ドロだらけだったのでご自分で捕まえてきたのでしょう。会場中がドン引きです。(仮)がなくなり正式に悪役令嬢間違いなしです。


「申し訳ございませーん!」

ここで大慌てのジルコニア公爵様登場です。ダッシュで娘に飛びかかりそのままネリー嬢に向かって土下座させると頭をグリグリと床に押さえつけます。その際かなりエグイ音がしました。一度顔を上げると額は擦り切れ鼻血が流れよだれでぐちゃぐちゃ。美人さんが台無しです

ネリー嬢は男爵令嬢ですが、そんな彼女に公爵家の人間がそこまでする必要があるのでしょうか?

そう思っていたらまだ続きがありました。


「うちのバカ娘がやらかしたご無礼の数々、とりあえず頭を丸めてお詫びを」

そう言うと公爵様はバリカンを取り出しキャロライン様の髪を刈り始めました。ところがです。半分くらい刈ったところでバッテリー切れを起こしたようで鈍い音とともにバリカンが止まり髪の毛が引っかかったようでブチブチとちぎれる音がしました。

「あだだだだだ」公爵令嬢にあるまじき悲鳴が響いわたります。


「もういい、もういい」

そう言って止めたのは誰だったのでしょう。これ以上続けさせたら自分たちが悪者扱いされろと思ったのでしょうね。

しかし、半端に髪の毛が残っていて、しかも刈り終えた部分は虎刈りだったので、ここで止めると逆に悲惨な見た目です。


幼馴染(婚約者)と顔を合わせ「痴情のもつれって怖いねー」と言い合いました。このときの経験の影響かお互い浮気はしないと誓いました。まあ、したくても相手がいるとは思えない同士ですが。


さすがに色々と醜聞が酷い事になってきたと判断されたようで、部外者はここで退場させられました。

後日騒がせたお詫び(と、口止め?)として菓子折りが届きました。唯一の楽しみがスイーツ食べ歩きだった前世で食べたどんなお菓子より美味でした。製菓技術はこちらのほうが上のようです。


悪役令嬢が本当に悪役令嬢でした

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