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第1話 鍵
プロローグ
蒼一は、鍵をなくした。
それは小さな金属片だったが、彼の居場所を閉ざすには十分だった。
誰も責めなかった。ただ、部屋は開かなくなった。
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タイプA
「蒼一、お前は封印鍵を紛失した。魔導師団から除籍だ」
瑠璃の声は冷たかった。
だがその瞬間、俺の中で何かが弾けた。
――スキル【封印解析】、発動。
鍵の構造、魔法陣、扉の呪文――すべてが見えた。
「俺は、まだ終わってない」
そして、俺は学園へ向かった。
そこには、俺の力を試す新たな舞台が待っていた。
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タイプB
鍵をなくしたのは、たぶん僕のせいじゃない。
でも、旧資料室の扉は開かなくなった。
瑠璃は言った。「もう、いいよ。蒼一は役立たずだし」
僕は何も言わなかった。
ただ、扉の前で立ち尽くしていた。
鍵の記憶は、ポケットの中にも、心の中にもなかった。
その夜、僕は市民文化会館の展示室に向かった。
そこには、誰にも閉ざされていない空間があった。




