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【祝10万PV達成】音ゲーマスターのおっさん、VRMMOのクラフトで評価Sを連発して無双する  作者: 磯野カジキマグロ


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第9話 クラフトと行こうぜ!


 マイルームに戻って銅製の剣と高山ランタンをクラフトし直した。

 

 レアアビが出るかどうかは確率。評価Sが出てもつくとは限らない。


 実際何度か繰り返した。同じ代物をそろえるまでに数時間要した。


 消費した素材と時間は相当だけど、それをふまえても今日はすごく儲けた。もういっそクラフト品を見せびらかして売るを繰り返そうかな。


 でも俺がクラフターだとばれた時が怖いしやめておくか。


「きら丸、クラフトの練習するか?」


 振り向くとでけえ丸。そういえば洞窟を探索してから鉱石あずけっぱなしだったな。


「鉱石出して身軽になりなさい」

「キュ」


 きらきらする体が一個ずつ鉱石をのぞかせる。


 床の上を転がる鉱石の中に見慣れない輝きがあった。


「何だこれ」

 

 手に取ってみる。


 手元にウィンドウが浮かび上がった。



『シャインライト鉱石』

クリスタライト鉱石の中でも純度の高い宝珠。



 初見のアイテムだ。こんな鉱石、洞窟でもお目にかかったことがない。


「これは新しいレシピ解放の予感!」

 

 早速コンソールを開いてクラフトの文字に触れる。


 思った通り『!』のマークを持つレシピがあった。


「よし、早速作ってみるか」

「キュ!?」


 衝撃を受けたような声色だ。


 そういえばきら丸にクラフトの練習させるつもりだったっけ。


「すまん、シャインライトは一個しかないからまた後でな」

「キュ~~」


 キラ丸がうつむく。


「そうがっかりしないでくれよ。ちゃんと後でやらせてあげるから」


 なだめるべく丸っこい体をなでなでする。


 ペットの機嫌を取ってクラフトにのぞんだ。シャインライト鉱石にその他素材を投入して気を引きしめる。


 シャインライト鉱石は一つ。失敗は許されない。


 左胸の奧がバクバクと胸板をノックする。喉から心臓が飛び出そうだ。


 この緊張感、たまんねえな。


「さあ、いっちょクラフトと行こうぜ!」


 ミニゲーム画面の上隅から玉が落ちてきた。


 玉の速度が速い。デフォルメ太陽の玉も混じっている。速度と光のエフェクトで押し損ねそうになる。

 

 でもだめだ。押し損ねてやらない。


 難しいほど燃える。ゲーマーってのはそういうもんだ。


 ミニゲーム以外の全てを知覚から外して没頭する。


 玉が流れない。


 そう思った時にはミニゲームが終わっていた。


「ふー何とか乗り切ったな」


 リザルト画面が表示される。


 評価はSだ。打ちミスはなかったし当然だな。


「どれどれ、早速性能を見てみようか」

 


 ボタンを押してアイテムの性能を確認する。



レア度3

『シャインライトの儀剣』

攻撃力 +8

アビリティ【光の雨】 

素晴らしい出来。このレベルの物は中々お目に掛かれない。

 


「レア度3か。強そうだな」


 アイテムを装備して実体化させる。


 透明感のある剣。儀剣とつくだけあって凝った装飾が施されている。


「きれいだなぁ。氷を固めて作ったみたいだ」


 絶対高く売れる。そんな予感がある。


 でもちょっと自分で触ってみたい。ひとまずアビリティのチェックだ。



『光の雨』

頭上より高く掲げることで光属性の攻撃魔法が発動する



 剣なのに斬らなくてもいいのか。それは楽でいいな。


「んじゃ試し斬りに――」


 マイショップにインターホンが鳴り響いた。目の前にウィンドウが表示される。



【オオガワが入室許可を求めています。許可しますか?】

『はい』『いいえ』



「何だ小川か」


 あいつが俺に何の用だろう。また見に来るって言ってたけどさすがに速すぎる。


 俺は『はい』の文字を押しかけて、その前に剣を装備を外した。


「まだ試してないのに売ってくれとか言われたら嫌だしな」


 剣を非実体化させてから入室許可を出した。


 小川ことオオガワがアトリエに現れる。


「どうしたオオガワ。いくら何でも再訪問早すぎないか?」

「知り合いから話聞いてさ。お前結構面白い物作ってるらしいじゃん。掲示板でもお前のことうわさになってるぜ」

「掲示板って?」

「おいおい知らないのか? ゲーム内掲示板のことだよ。色んなプレイヤーが掲示板に書き込んで情報交換してんのさ」

「へえーそんなのあるのか。便利だな」

「だろう? 色んな人が書き込むから色んな情報が集まるわけ。そこにレアアビついた品がいくつか画像つきで貼られてんだ。時期的にたぶんお前だよな? 木剣や高山ランタン売ったの」

「確かに売ったな」

「やっぱり。そこで相談なんだけどさ、お前の手でポーション作ってくれないか」

「おいおい、俺とそういう取引はしないんじゃなかったか?」

「今回はそれとは違うんだ。もう少しでダンジョンの攻略スピードを競うイベントが始まるんだけどよ、これがまた難易度たけーんだ。中々攻略進まねーのよまじで」

「だから高性能のポーション作ってほしいってことか」

「そういうこと。お前のクラフト品評価Sばっかだろ? その腕を俺のクランのために使ってほしいんだよ」

「まあ、そういうことならいいよ」

「サンキュー! んじゃ詳細は追って知らせっから今のうちに練習しといてくれよな!」


 じゃ。オオガワがそれだけ言い残して消えた。


「きら丸については何もなしかよ。冷たいなぁ」


 なあ? そう語りかけてきら丸を見る。

 

 キュと鳴くきら丸は、同意したようにもすねているようにも見えた。

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