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【祝20万PV達成】音ゲーマスターのおっさん、VRMMOのクラフトで評価Sを連発して無双する  作者: 藍色黄色


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第80話 ダークエルフ襲来


 俺たちが歩く先には氷の結晶が広がっていた。


 結晶が空間を飾りつける光景は幻想的だが少し肌寒い。少しで済むのはここがクラマギの世界だからか。


 無表情なナディが感嘆の吐息をもらす。


「きれい」

「この島のことは知ってたんじゃないのか」

「知ってはいた。でも来たのは初めて」

「そうだったか」


 お、鉱脈発見! 一目散に駆け寄ってピッケルの柄を握る。

 

 カーンと甲高い音が響き渡った。氷の結晶がゴロンと地面の上を転がる。


「氷結晶! 素材アイテムじゃないか」


 カジさんに頼まれてた、冷却機関を作るために必要なアイテムだ。普通の氷と違って魔力があると溶けないから装置を冷やすのにちょうどいいらしい。


 これはガッポガッポ掘らざるを得ない。


「掘るぞきら丸!」

「キュッ!」


 でけえ丸もせっせと触手を振るう。


 気がつくとナディが呆然としていた。


「どうしてそんなひどいことをするの」

「ひ、ひどい?」

「こんなきれいな場所を傷つけるなんて」

「あ、そっちか」

 

 さっきもきれいって言ってたし無神経だったか。でも発掘しないわけにはいかないし。


 俺は氷結晶を拾ってナディに見せる。


「でもさほら、こうして見るときれいじゃないか」

「だからなに」

「ずっと見ていたいと思わないか? 削ってアクセサリーにしたらいつでも見れるぞ。これは魔力を流していれば溶けないみたいだし、ナディはきれいな髪してるから髪飾りにしたら映えるんじゃないか」

「髪飾り……」


 ナディがつぶやいて何やら思考をめぐらせる。


「それって色も変えられるの?」

「それは試してみないと分からないが」

「じゃ試して」


 ナディがぬっと顔を近づける。


 心なしか声が微かに抑揚している。目を輝かせて要求するさまはまさに興味津々と言った様子だ。


「分かった、分かったからいったん落ち着け。な?」

「分かった。落ち着くから作って」


 ナディが一歩下がる。


 俺はふぅと一息ついて氷結晶の発掘に戻る。


 満足してさらに奥へと歩みを進める。


「どこまで行くの?」

「せっかくだし島を一通り探索してみようぜ」

「疲れた」

「そう言わずにさ。あとちょっとだから」

「無理」


 ナディが大きな石の上にぺたんと尻もちをついた。


「さては運動不足だな」

「水中を泳ぐウンディーネに何言ってるの」

「確かに」


 プールの中で歩くだけでも運動になるっていうもんなぁ。クラフトしてばかりの俺よりも運動していそうだ。


「どうしたら立ってくれる?」

「何かちょうだい」

 

 甘い物あげたら動いてくれるだろうか。


 俺はポーチに手を突っ込んでマクワジュースを二個取り出す。


「マクワジュースだ。しゅわっとしておいしいぞ」


 毒見を兼ねて俺が先に飲み干す。


 MPが満タンだからもったいないが、ナディは俺たちを信用しかねている。先に飲んで安全な飲み物だと証明した。


 ナディがジュースの容器を眺めたのち中身の液体をあおぐ。


 眠そうな目がわずかに見開かれた。


「おいしい」

「だろ?」


 ジュースでひと休憩して、すっかり機嫌がよくなったナディとまた歩みを進める。


 道という道を進んだが特別強いエネミーは出てこなかった。植物と鉱石系のアイテムを採集して再びでけえ丸じゅうたんに乗る。


 冷却装置を作るために必要な素材は集まった。これでミサイル連射が可能になるはずだ。


 早く村に戻りたい。戻ってカジさんに装置を作ってもらわないと。


「フトシそわそわしてる」

「そうか?」

「そう。そんなに私のためにアクセサリ作るの楽しみなのね」

「ナディって結構ナルシストなのな」


 しかも表情を変えずに言いやがったよこの子。そりゃきれいな見た目してるとは思うが、こんなはかなげな美貌からナルシスト発言をかまされるとはさすがに思ってなかった。


 でもそうか。確かにアクセサリ作る約束したなぁ俺。


 やばい、考えてなかった。


 どうすりゃいいんだ。村に帰ったらアメリアに相談してみよ。


 俺たちは海を渡り終えた。久しぶりに緑豊かな土の地面を踏みしめる。


 自分たちの靴跡をたどり終えてシルネ村に到着した。


 早速鍛冶場へ向かっていると慌ただしく移動する少女たちが映った。


 何でここに人間が? 


 そう思っていると一人が駆け寄ってきた。


「フトシさん! よかった、ちょうどいいところに!」

「えっと、誰?」

「何言ってるんですか、カーラですよ」

「ああ、果樹園担当の」


 ってことはこれ巨大化の魔法で大きくなってるのか。すっかり忘れてた。


「どうしたんだよそんなに慌てて」

「そうでした! 大変なんですフトシさん、ダークエルフが攻めてきたんです!」

「何だって」


 タイミング悪いな。素材を集めに行っている時に来るなんて。


「場所は?」

「スプリガンとの交易ポイント付近です。村に来させないために村長が防衛班を連れて出発しました。さっき向かったばかりですから今なら間に合うかもしれません」

「分かった、すぐに行く。ちなみにカジさんは――」

「フトシ戻ったか!」


 鍛冶場のある方角から声がした。


 声色に違わずカジさんだ。ゼロツーと肩を並べて駆け寄る。


「カジさんちょうどよかった。冷却装置の素材集めてきたんだ。いつ頃完成するか教えてくれ」

「装置自体はできておる。素材をもらえればそう時間はかからんが」

「じゃ今ここで氷結晶を渡す。装置できたら持ってきてくれ。行くぞゼロツー」

「はいであります!」


 俺はコンソールから氷結晶を実体化させた。ボックスに収められたそれらを渡してUターンする。


 グレイルブルーよし、ハイポーションよし。


 俺はコンソールを閉じて、ナディたちと戦いの場へ足を急がせる。


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