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【祝20万PV達成】音ゲーマスターのおっさん、VRMMOのクラフトで評価Sを連発して無双する  作者: 藍色黄色


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第78話


「いくぞフトシ!」


 黒い円が霧になってマゼラさんの剣に宿った。マゼラさんの詠唱が空気を震わせる。


 ついにマゼラさんすら俺を呼び捨てに! なんてショックを受けている暇はない。


 水色の図形が宙に浮かび上がっては消える。


 赤い剣が冠のごとく回って消える。


 他にも俺の知らない魔法を重ねがけしてマゼラさんが駆け出した。


 でけえ丸が触手を伸ばして迎撃するものの、弾かれるか避けられたりで一向に当たる様子がない。


「ゼロツー、きら丸の中に避難するぞ」

「またでありますか⁉」

「ゼロツーはあの三人をさばけるのか? なら任せた」

「待って! おいらも行くでありますよー!」


 俺は青緑の巨体に飛び込んだ。一拍遅れてゼロツーがとなりに並ぶ。


 ハイポーションだらけの空間から外の様子をうかがう。


 三人は足を止めてでけえ丸と対峙している。カウンターを警戒して攻撃をするか悩んでいるようだ。


 そう思っていたらマゼラさんが攻撃を始めた。剣閃を連続で飛ばしてでけえ丸を攻撃する。


「カウンターが怖くないのか」


 攻撃しないとでけえ丸を突破できないのは分かる。イクリプスの効果を考えれば持続時間は決して長くないだろうし、効果が持続する内にでけえ丸を倒したいのだろう。


 視界内のハイポーションがポリゴンの光と化して空気に解ける中、でけえ丸の外側で金色の光が集まる。


 これだけ自信満々に攻撃してくるんだ。マゼラさんはカウンターを耐える策を用意しているに違いない。


 武器のプラズマはまだチャージ中。他に取れる手段は一つだけだ。


 いよいよプレイヤー相手に試す時が来た。


「着装、パワードアーマー」

 

 ゼロツーが振り向く。


 場に沈黙が訪れた。


「……早くつけよ」

「あ、今の掛け声でありますか」

「それ以外何があるんだよ! これじゃ俺がバカみたいだろ!」

「たった今気づいたでありますが、突然言われると何言ってんだこいつとなるでありますね」

「お前だけはそれ言っちゃいけないからね⁉」

「キュ~~ッ!」


 外が急激に明るみを増した。放出された金の光がマゼラさんたちの姿を呑み込む。


 きら丸の体が縮まった。俺達の体が強制的に外へはじき出される。


 マゼラさんたちは生きている。


 その一方でワンダさんの姿がない。きら丸のカウンター攻撃を受け止めて蒸発したらしい。


 マゼラさんがフッと笑む。


「王手だフトシ。第三回イベントの優勝は我らがもらった」

「せめてさん付けに戻しません?」

「覚悟!」


 マゼラさんが剣を振るう。


 連なるソードビーム。走って直撃はかわすものの、偏差撃ちならぬ偏差斬りで徐々にHPバーが削られる。


 パワードアーマーを装着するひまがない。


 どうにかして隙を作りたいが、きら丸の変身に使えそうなアイテムは尽きた。小さい状態で攻撃させてもあしらわれて終わりだろう。


 これは詰んだか?


 そう思った時、視界の上方が明るみを帯びた。


「ピィ―ッ!」


 水色の小鳥がマゼラさんに飛びかかる。


 ラムネだ。


「おわっ、何だこいつは!」


 マゼラさんがうっとうしそうに剣を振る。


 ラムネにマゼラさんを倒せる戦闘能力はない。


 でも目元は人間の急所。執拗に攻撃されては意識を割かざるを得ない。


 今がチャンスだ。


「着装、パワードアーマー!」

「了解であります!」


 ゼロツーがパーツに分かれて宙を舞う。


 黒いファーコートが空気に溶けて、代わりにメカメカしいパーツが俺の体を飾る。


 カチャッとバイザーが下りて装着完了だ。


「マゼラさんマゼラさん! 何すかあれ!」

「何だバッツ、急に……何だあれは」


 マゼラさんとバッツさんが俺を見て目を見開く。


 隙ありだ。


「ストーンミサイル発射」


 俺は右腕を伸ばす。


 破裂音と同時に岩のかたまりが発射された。遅れて二発目も方向から飛び出す。


 反動も二回来たが、俺はパワードアーマーを装備しているから耐えられた。


 二度の爆発が砂煙を舞わせる。


 砂煙が晴れた先に二つの人影はなかった。


「よっしゃあっ!」


 ガッツポーズ。勝者ゆえの特権をあまんじて行使する。


 余韻にひたるのは程々にして、俺はゼロツーを人型に戻す。


 第三回イベントは終わってない。最後まで気を抜かずにいかないと。


 ラムネが再び空に飛翔した。俺はスカイビジョンを頼りに移動を再開する。


 エネミーと戦うプレイヤーをミサイルで爆破するなりアナウンスが流れた。


「そこまでー! プレイヤーが一人になったのでイベント終了です。これから表彰式に移ります!」

「え、終わり?」


 俺はまだエリアにいる。


 ってことは、つまり。


 期待に胸を高鳴らせていると視界内が光に包まれる。


 次に視界内が色を取り戻すと俺は表彰台の上にいた。


「おめでとうございます! 第三回イベント優勝者は、何とまたまたフトシさんです!」


 大勢のプレイヤーの前で雲アバターが寄る。

 

「フトシさんはこれで三連続優勝ですね。今回は何をクラフトしたんですか?」

「クラフト品は武器と防具です」

「あのバヂバヂする斧ですね。この前はエーテライトの儀礼剣を使っていましたが、装備を新調したんですね。どんな武器でした?」

「プラズマをモチーフにした武器です。ミニゲームがまた楽しいんですよ。序盤が遅い分サビで加速した時がえげつなくて、自分がプラズマと化したみたいで最高でした!」

「へ、へえー。ではその斧の使い心地は、どうでしたか?」

「よかったですよ。掲げるだけでプラズマを飛ばしてくれますからとにかく楽なんです。おかげで対人戦の心得がない俺でも勝ち残ることができました」

「きら丸も大活躍でしたね。そこの小鳥とロボはペットですか?」

「はい。ラムネとゼロツーです。最近テイムしたんですが――」

 

 俺は引き続きインタビューに応じる。



 ◇



 【クラマギ】クラフトマギア part1753


134名前:クラフト最高!

第三回イベントもフトシが優勝か


135名前:クラフト最高!

フトシ快進撃止まんねえな


136名前:クラフト最高!

あの鳥はまだしもロボットの方はどこでテイムしたんだ


137名前:クラフト最高!

ロボットなんてジャングルや遺跡でも見たことないな


138名前:クラフト最高!

ユニーククエストってやつじゃね? 一時期うわさになってたやつ


139名前:クラフト最高!

あれうわさじゃなかったのか


140名前:クラフト最高!

信憑性はあるな。あの斧や鎧はマイショップでも見たことないし


141名前:クラフト最高!

ユニーククエスト産の装備ってことか。そりゃ強いわけだな


142名前:クラフト最高!

さすがフトシきたない


143名前:クラフト最高!

ユニーククエストかぁ。俺も探してみるか


144名前:クラフト最高!

探して見つかるような物でもないと思うぞ


145名前:クラフト最高!

AIが一週間に一個作るんだっけ。今何個ユニーククエストあまってんのかなぁ


146名前:クラフト最高!

きら丸ぽよんぽよんしてたな。かわいかった


147名前:クラフト最高!

スライムまたテイムしよっかなぁ。俺がこの前テイムした個体はクラフトへったくそだったし、今度はクラフト上手い奴だったらいいなぁ。


148名前:クラフト最高!

>>147

お前は許さない。絶対にだ


149名前:クラフト最高!

何だこいつは


150名前:クラフト最高!

知らん


151名前:クラフト最高!

俺はスライムを愛する者。ぷるんとしたフォルムを愛している


152名前:クラフト最高!

いや聞いてねーし


153名前:クラフト最高!

スライムはプレイヤーの奴隷ではない。撤回しろ


154名前:クラフト最高!

聞いてねーし!


155名前:クラフト最高!

俺気づいちまった。こいつやべー奴だ



 フトシがインタビューに答えるのをよそに、掲示板はユニーククエストの話からどんどん遠ざかっていった。


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