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【祝10万PV達成】音ゲーマスターのおっさん、VRMMOのクラフトで評価Sを連発して無双する  作者: 磯野カジキマグロ


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第7話 スキル取得


 俺はクラフトマギアからログアウトして外に出た。


 近くのコンビニに立ち寄ってプリペイドカードを手に取った。クラフトマギアのキャラクターがプリントされたそれをレジまで持って行こうとした時、開けた自動ドアから女性が入ってきた。


 目が合って女性が口角を上げる。


「先輩じゃないですかー。どうしてここに?」

「電子マネーを購入したくてな」


 同僚の佐原恵。高校生時代からの後輩だ。


「佐原は何を買いに来たんだ?」

「乙女の秘密ですよ」

「そうかい」


 いたずらっぽくウインクされてしまった。こういう時世の男性はどう反応しているんだろうか。


 佐原の視線が俺の手元に落ちる。


「プリペイドカードですか。先輩が電子マネーなんてめずらしいですねー。デジタルに目覚めました?」

「何だよデジタルに目覚めたって。俺は原始人か何かかっつの」

「違うんですか?」

「ちげーよ。俺は立派な現代人だ」

「でも先輩、高校生の時はスマートフォン使ってませんでしたよね」

「両親に所持を許してもらえなかったからな」

「変わってますよねー。今時スマートフォンの所持を禁止するなんて、そんな親探す方が難しいんじゃないですか?」

「だろうな。おかげでクラス内チャットに入れなかったし大損こいた」


 聞けば俺が知らない間にクラスの集まりとかあったらしい。泣けるぜ。


「でもスマートフォンがなかったから先輩と知り合った説ありますよね」

「そうか?」

「そうですよ。私当時SNS上での恋の駆け引きに疲れてましたし、先輩の近くが安心できたというか」

「へえ、それは知らなかったな」

 

 俺はセルフレジで会計をすませて背を向ける。


「んじゃ俺そろそろ行くわ」

「はい。また月曜日に会いましょう」


 俺は先にコンビニを出た。



 ◇



「意外。先輩ってVRゲームするんだ」


 佐原はスイーツとジュースを持ってレジに歩み寄る。


 会計しようか逡巡しゅんじゅんして、クラフトマギアのプリペイドカードを手に取った。


 会計を終えて日の下に出る。


「クラフトマギアか。久々にログインしてみようかな」


 つぶやきを車の走行音に溶かして、佐原は自身の帰途についた。


 

 ◇



 俺はクラフトマギアに再ログインした。


 早速課金。アイテムポーチの所持数上限を最大数まで拡張してクラフトルームに足を運ぶ。


 きら丸がせっせと触手を動かしていた。


「お、やってるやってる」


 俺はきら丸の後ろについてミニゲーム画面を眺める。


 きら丸は頭がいい。俺の言葉を理解できるとふんで、クラフトの練習をさせるべく安い素材を買い集めて与えた。


 きら丸はせっせとクラフトに励んでいたらしい。俺はでき上がった品に目を通す。


「ふむふむ、評価A、評価B……お、評価Sがあるじゃないか。やったなきら丸!」


 ミニゲームを終えたきら丸が反転してキュッと鳴く。


 キリがいいからクラフトを中断させて山に向かった。


 道中に生えている植物は無視。目的は洞窟内にある鉱石だ。


 俺はきら丸と洞窟内に入った。壁の割れ目を見つけてピッケルを振り下ろす。


 発掘を終えて次のポイントへ。


「お、レア鉱石発見」


『クリスタライト鉱石』。この前は見なかったアイテムだ。


 引き続きピッケルを振り下ろして全てのポイントから鉱石を得た。

  

 結構発掘したけどポーチにはまだまだ余裕がある。きら丸も鉱石をたくわえている一方ででけえ丸にはなっていない。


 安心してエネミーと戦える。満足感にひたって洞窟の奥へと進む。


 コウモリが飛んできた。


 俺は寄ってきた先から木剣で攻撃する。


「キュッ」


 きら丸が触手を伸ばした。コウモリの翼をつかんでぐいっと引き寄せる。


 頭突きで一匹ノックアウトした。


「おお、すごいぞきら丸!」


 俺も負けていられない。木剣でコウモリを叩き伏せる。

 

 全てのコウモリを倒してさらに進むと大きな扉があった。


「ボス部屋ってやつか。きら丸、覚悟はいいか?」

「キュ!」

「おし、行くか」


 いい返事を聞いてとびらを押す。


 広がるのは大部屋、天井や壁がクリスタルにおおわれていてきれいだ。異世界に迷い込んだような錯覚を受ける。


 幻想的な水色の空間に赤いゴーレムが鎮座していた。


「あいつをやっつけるぞきら丸」

「キュ」


 大きな拳が体の前で打ち鳴らされる。


 明らかにきら丸よりもゴーレムの方が強そうだ。俺が前衛を務めて、きら丸には側面や背後から攻撃させる。


 装備が整っていることもあってすぐにケリがついた。


 やったなきら丸。


 そう声をかける前にウィンドウが表示された。




【きら丸がレベル2にアップしました! レベル2になったのでスキルを以下の中から一つ獲得できます】


『素材吸収・強化』『素材吸収・回復』『宝珠形成』





 スキル獲得か。テイムモンスターにもこういうのがあるんだな。


「てか素材吸収って何だ?」


 人差し指で文字をタップする。



『素材吸収・強化』

たくわえたアイテムを消費してモンスターの能力を強化する。



 要するにでけえ丸状態で使えるスキルってことか。同じ素材吸収だし『素材吸収・回復』も似たようなものだろう。


「素材が減るのは嫌だな」


 クラフトのミニゲームをするためにログインしてるんだ。素材が減ったらクラフトできなくなっちまう。


「こっちは使えるスキルだといいなぁ」


 おそるおそる最後の一つをタップする。




『宝珠形成』

たくわえた鉱石系アイテムがたまにレア度の高い宝珠系アイテムに置き換わる。




 宝珠系アイテムか。


 俺が今所持してる宝珠系アイテムはクリスタライト鉱石だけだ。要はレアな鉱石を入手しやすくなるってことか。


 そりゃいい。


「宝珠形成にきーめたっと」


 文字に触れるときら丸の体が淡く発光する。


【『宝珠形成』を取得しました!】の文字がきら丸の成長を教えてくれた。


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