表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/41

「ギブしてもいい異世界、らしいです」

突然の夢の中で、私は「守護女神ルミエール」と名乗る美女に出会います。転移の理由はまさかの“ノリと勢い”? しかも、いつでも帰っていいらしい……って、そんなに軽くていいの!? お人好しなカナコの運命やいかに!


まぶしい光に包まれた夢の中、私はぽかんと立ち尽くしていた。


そして、その光の中心から現れたのは――美しい金髪に、透き通るような肌、そしてまさに神々しい笑顔を浮かべる、絶世の美女だった。


「はじめまして~、野々村カナコさん! 私はこの世界の守護女神、ルミエールですっ☆」


めっちゃ可愛い声。 そして、めっちゃアイドルみたいなポーズ決めてる。


……でもなんだろう、この全体からにじみ出る、ちょっとズレた残念感。


「えっと……私、ここに勝手に飛ばされてきたんですけど、もしかしてあなたが?」


「そうですそうです! いや~、ほんとごめんなさいね? ちょっと急だったかなって思ったんだけど、あなた、心の優しさと根性のバランスがいい感じだったから、つい」


「つい、って……」


ノリ軽っ!!


女神様、ちょっと頭のネジ外れてない!?


「まぁまぁ。実はこの世界、今ちょっとヤバくて~。魔族が増えてきて、国もグラグラで、勇者もまだ未発見で。で、異世界から“渡り人”呼んだらワンチャンあるかもって思ってたところに、たまたま空き枠があって!」


「空き枠!?」


「いや、ちゃんと見てたんだよ? あなた、現代社会でがんばってて、でも心の奥に“本当は何か変えたい”って思いがあったでしょ? だから転移の候補にピックアップされてて!」


勝手にスカウトすな。


「でね! この世界を救ってくれたら、ちゃんと元の世界に帰れるようにするから! ギブアップしても戻れるし、ほんと強制じゃないの! でも、まずは1回やってみてくれない?」


……うわ~。めちゃくちゃ軽いノリだし、無責任っぽいけど、なんだろう。

あのまっすぐな目で言われると、断れない。


「……分かりました。とりあえず、“1回だけ”やってみます。でも、本当に帰れるんですよね?」


女神ルミエールは、ぱぁっと顔を輝かせて、親指を立てた。


「もちろんっ☆ そのために“渡り人サポートスキル”もこっそり授けておいたから、がんばってね!」


そんな軽いやりとりで、私は異世界を救うことになった――かもしれない。


でもまぁ……とりあえず、出来るとこまで、やってみるか。



---


女神様、見た目は美人なのに、どこか残念。でもなぜか憎めない……。

というわけで、次回は王城へ出発。カナコの異世界生活、本格スタートです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ