無知の余白
宇宙が好きだ
真っ暗な原っぱにレジャーシートを敷いて
寝転んで、逸る気持ちを抑えながら待つ三十秒
心なしか早めに目を開けてみれば、満天の星空
なんて美しいのだろう
なぜ宇宙は美しいのだろう
それは、宇宙が怖いから
美しいけど、それ以上に怖いから
人間は、知らないことを一番怖がるんだ
どんなものでも、知ってしまえば少しは怖くなくなる
でも、宇宙は知れば知るほど怖くなる
なんでだろう
人知の及ばない広い宇宙
ひとつ知ればふたつもみっつも増えていく疑問
無知の余白が広がり続ける
だからきっと、宇宙なのだろう
だからきっと、恐ろしい
でも、いつか全部知ったとき
無知の余白だらけで美しいこの宇宙に
無知の余白が無くなったとき
この美しさに恐怖が介在しないとき
どれだけ美しいのだろうか
それを知るために、生きている