表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

その他の短編

囚われた女の独白

気づけば、冷たい牢獄の中にいた。走り回る鼠とおぞましい虫しかいない、吐き気がするほど汚い部屋だ。ここどこよ。見渡すと無機質な冷たい檻が見える。ということはここは牢獄?どうして?と首を傾げそうになって思い出す。そうだ。そうだった。誰からも愛されて幸せになることを約束されていたあたしは学園の卒業パーティーで断罪されるはずの悪役令嬢から逆に罪を暴かれた。おかしい。こんなの絶対おかしい。だって、国母になる女だって王子様が言ってくれたもの。指輪だってくれたもの。それをあの女。許さない許さない許さない、ああああああぁぁぁぁぁぁ!!……やめだやめ、叫ぶのは可愛くないし疲れる。ただでさえ汚い服を着させられているのに、これ以上可愛さを失いたくない。やめよう逃げ出すのが先だ。でも出口はないから諦めた。王子様か、王子様じゃなくても誰かがきっと助けてくれると信じて待っていたけれど誰も来ない。やっと来たのは騎士団長で「よくも息子をたぶらかしたな」と言って首根っこを掴まれて引きずり出された。騎士団長の息子もあたしを愛する一人、でも勝手に愛してきたのは向こうだからあたしは悪くないでしょ痛い痛いよやめてなんであたしが何もしてないしてないのにただ愛されたかっただけ幸せになりたかっただけあたしがなんで処刑場に立たされなくちゃならないの石を投げるな嫌だあたし悪女なんかじゃない助けて助けて助け――――――――あ、死んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 自覚はなかったのか( ˘ω˘ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ