色彩の女王
私はいつも一人。
どこでもないここで私は一人。
孤独はキライ。
私の意味がなくなるから。
孤独はコワイ。
私である意味はないから。
だから私は子供たちを創る。
だから私は私を創る。
いつかきっと私と私で二人になるために。
最初は赤の子。
七色に燃ゆる赤色の子。
炎は救済。
炎は浄化。
あらゆる毒は赤く燃えて消えていく。
醜い私は誰かの毒。
私をころす赤い色。
赤く、紅く、朱く、銅く、赭く、緋く、赫く
七色に燃え上る赤。
こんなにも安心する脅威。
こんなにも穏やかな最後。
毒も悪も邪も
くべて燃え上れ。
次は桃の子。
歪み狂った桃色の子。
可愛い可愛いピンク色。
愛しい愛しいピンク色。
みんながあの子を愛して、
みんながあの子に優しい。
あの子はみんなを愛してる。
あの子は世界を愛してる。
だからすべてがあの子を愛さなければいけない。
恋して、愛して、交わり、いつまでも美しく、
あの子と一つになるの
歪んだ桃色は
ココロも歪んで桃にする。
最後は黒の子
いつまでも満たされない透明な黒色の子。
すべてを包む、飲み込む、塗りつぶす。
食べて、食べて、食べる。
いつまでも満たされない黒はすべてを飲み込む。
アレは美味しい。
コレは不味い。
キレイも
醜いも
動物も
植物も
人も
光も
思い出も
すべて食べて満たされない。
なんてかわいそうな透明な黒。
私は色を産む。
私という色彩を創るために。
私は産み続ける。
緑も、金も、銀も、白も
あらゆる色を産み続ける。
私の子らは孤独を慰める。
けれど子らは私に並びえない。
いつか
きっと
それでも
私は焦がれる。
輝く色彩を。
好きな色、嫌いな色ありますか?
その色からイメージするモノや現象はありますか?
人の目には見えない色が存在するといいます。
それが見えたとき私たちは世界をどんな色で見るのでしょうか。