プロローグ
第零章
大空を飛行機が駆ける。
久々の休暇に、【旧】、本名【東亞 旧】は、柔らかいシートに身を任せていた。すこしぶr…もとい、忙しいしごとのせいで休んでいなかった旧はひと時の平穏に気が休まっていく。
しかし、この平穏は長くは続かない。何しろこれは小説である。飛行機のなかで起きるイベントと言えば———
「全員、手を上げろ!これからこの飛行機は俺たちのもんだ!少しでも動いたら撃つ!」
そう、ハイジャックである。
犯人は全部で5人。リーダー格の一人がナイフを持ち、こちらを威嚇する。
そしてこの作品の主人公、旧はというと。焦るどころか、むしろ平然としていた。
ニコォリといたずらっぽい笑み(悪い笑みともとれるような)をうかべてバックを
漁る。
そして電話を出し、でんわをかk
ゴチィン!!
突如頭上に落とされる拳骨。見上げると、犯人さんがヤバい目で
「ソンナコトシテイイトオモッテルンデスカ?」
正直言って怖い。口調こそやんわりしている(…してるか?)が、目が笑っていない。
そんな感じで凄まれ、恐れる…かと思いきやニコォリ(…以下同文)
そしてPCを起動し、メールを送r
ゴチィン!!ゲシッ!
デジャヴのある光景。
そして——
「ソンナコトシテイイトオモッテルンデスカ?」
再びである。だんだんと犯人さんの目がヤバくなっている。
そんな感じで凄まれ、(…以下同文)
そしてポケットから出したトランシーバーを出し、通信sr
ゴチィン!!ゲシッ!バキッ!
「お前そろそろいい加減にしろや!!!」
え?という顔をする旧。彼には悪いことをしたという自覚がないのだ。
すると犯人が前に立ち、
「おい!この飛行機どうなってる!!しょうがないね!我慢の限界だ!もう死んでもらう!」
と叫び、着ていたコートを脱ぎ捨てる。すると、体に巻き付けられたたくさんの爆薬が
あらわになる。乗客全員が嫌な汗を流す。そう。犯人は自爆しようとしているのだ。
「実はここにいる全員を人質に、政府と交渉して、決裂したんだ。だから自爆するつもりだったんだよ。」
と説明する犯人。そして悲しそうに、
「もうちょっとだけ、計画を遅らせたかったのだがな…」
と続ける。
旧に視線が集まる。乗客+犯人の殺意のこもった視線にたじろぐ旧。
そこで犯人がポケットからスイッチを出し、カチッとスイッチを押す。
機体が大きく揺れ、爆発し始める。そして閃光が目の前ではじけその時—————
旧のこの世界での命は尽きた。