この展開についていけません
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このまま見つめ合っていると恥ずかしいので、話を反らすように次の任務へ向かおうと言えば。
「え?もう単位取れたけど」
と何でもないように言われ、頭上に疑問符が浮かんだ。
「え?それってどういうことだ」
「真央が閉じ込められている間に俺が単位取っておいた」
「………結構な単位数だったと思うんだが…それを短期間で終らせたと」
「そういうこと。俺頑張っちゃった」
軽く言っているが、卒業までに必要な単位数はそう簡単に取れる単位数ではない。
通常それなりの難易度のものであれば5つ6つこなして取れる単位数のはずなのだが、それをここ数十日間でそれを全て終わらせるほどの難易度の高い任務をひとりで終らせるってこの男、本当にチート過ぎる。
「卒業まで時間あるけど、真央にはやって貰いたいことがあるんだよね」
「やって貰いたいこと?」
「そ。契りの式って知ってる?」
契りの式って確か涼音が興奮しながら話していた気がする。
主人公と攻略対象が契りを交わすときに行う行事で、神さまと人間の絆を結ぶ意味があるものだと思ったが、私と玉房の場合、神さまと神さま同士みたいなものなのでそれは意味があるのだろうか。
「軽くは知っているが…それと私がどういった関係があるのささっぱり」
「関係あるに決まってるでしょ。俺のお嫁さんになるんだから」
「は?」
今さらっとすごいこと言わなかったか、この男。
あの告白で付き合うことになった、のか?
付き合うことになったとしても、いきなり嫁にだと?
話がぶっ飛び過ぎじゃないのか。
「さぁ、これから大変だね」
「おい色々分からないんだが」
「やってみれば分かるから大丈夫だよ」
そう言って連れていかれたのは玉房の実家で、気付けば知らない女性たちに囲まれ、知らない部屋に連れていかれ、知らない舞の練習を朝から晩までさせられた。
終わって家に帰れば母親は興奮気味に玉房のことを話していた。
どうやら私が舞の練習をしている間にこの家に来て、『娘さんを私にください』というようなことをしていたらしい。
まだ交際ゼロ日目なのに結婚とは早急すぎやしないか。
もしかして、この世界ではそれが当たり前なのか。
もやもやしている私を他所に母親は無邪気に喜んでいる姿を見続けていたら、ごじゃごじゃ考えていることが馬鹿馬鹿しく感じ始めた。




