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任務強制終了

爆風が落ち着いた頃、周りを見渡してみると小屋であっただろうものが散乱しその少し離れた所に叔母様の姿があるのが見えた。

その顔は鬼の形相で、怒っているのはすぐに分かった。



「玉房、貴方何をしていうのか分かっているのですか」



「何って仲間を助けて何が悪いのさ。仲間を犠牲にしてまで得るものって何。悪いけど、俺はそんなものから得たものなんて何もいらないよ。

前の俺だったら自分の得たものは自分のものとしか考えられなかったと思うけど、今は違うよ。

そんなのものに意味なんてないって知れたしね。

俺の両親は今の俺の方が良いって言ってくれてるし、叔母様みたいに俺の生きる道に口に出す人はいない。俺が進むべき道は俺自身が選ぶって分かっているからね」



玉房は私から距離を取ったかと思えば、腰に手を回され抱き込まれた。



「?!」



「悪いけど、あの女性とは付き合えない。好きな人いるしね、俺。あと、翆は前みたいに問題児じゃないし、つき纏っているのはどちらかというと俺だから」



何やら凄いことを言われている気がするが、上を向いて玉房の顔を見るのも照れくさく、だからといって叔母様の顔を見ることも怖くてできず、最終的に地面を見ることしかできない。



「玉房、貴方!」



「ちなみに! 俺の分身に学園と両親のもとへ行って貰って必要な書類持ってきて貰いました。学園からは俺の行ったことの報告と翠の現状報告。両親へは全面的な報告をさせて貰いました。その結果、学園からは単位と任務強制終了指示と叔母様宛の厳重注意書を。両親からは叔母様宛の手紙をお渡しさせていただきます」



受け取りますよね?と低音でまるでYES以外認めませんといった風に玉房が言えば、叔母様は渋々それを受け取り、それらを順に開いていくと顔を青ざめさせていた。

一体何が書かれているのだろう。



「では、叔母様。俺たちはここで失礼します。後のことはすべてお任せしますのでよろしく頼みましたよ」



そう言った瞬間、私と玉房はその場から消え、気付いたときには学園のゲート前に戻ってきていた。

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