解説が解説じゃない
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「オレもさっぱり分からないだけど、何がどうなってこうなってんの?」
私と同様に取り残されている雀炎が問えば、龍流は眉間に皺を寄せた。
「あのなぁ、あのゲートをくぐった時点から試験が始まっていたことには気付いてたよな?いくらお前でも」
「はぁ?!開始の合図が始まってからじゃないの?!」
あぁ、と頭を抱える龍流に鵜羽が肩を叩いた。
「えぇとな、異空間に飛ばされた所までは皆同じ認識なんだが、ゲートを潜ってから俺たちが見えていた世界が一人一人異なっていたはずだ。
ちなみに俺は針地獄のような世界が広がっていて、そこに試験官と皆がいた。
試験開始と試験の説明については皆一緒のはずだ、見えている世界だけが違うだけでな。
幻覚から目を覚まさせるのに龍流が龍を放ち、試験官に俺たちが立ち止まっていることを怪しまれないようにするために玉房があんなこと言い始めた、という所まで良いか?」
「ううん…分かんない…」
「まぁ、とりあえず最後まで聞いてくれ。
そこで自分が見ている空間が幻覚だと気付きそこにストラップの気配がないと分かればその空間にいる必要がなくなり、気配のある世界へ飛ぶ必要があるとすぐに分かるという流れだ」
分からない。
日本語が日本語に聞こえないぞ。
いっきに難易度が上がったな、これ。
初めから飛ばしすぎだろう。
「何故試験官に怪しまれないように玉房が言ったのかと言うと幻覚だと気付いたことがバレた場合、余計に強い幻覚をかけられる可能性があったからだ。そんなことをされて万が一、皆とバラバラになったら厄介だからな」
私だけが理解していないのかと雀炎の方を見てみると私と同じような顔をしていた。
どうやらまだ私と同じ状況のようだ、良かった仲間がいた。
「にしても龍流の演技下手くそだったね、途中で笑いそうになっちゃったよ」
「うるせぇ、玉房だって下手くそだっただろうが」
「えぇ、なかなかうまくやれたでしょ。だから抜けられたんだし。下手したら皆今頃バラバラにされてたよ」
呑気にそんなことを言い合っている2人に鵜羽と犬縁は呆れていたが、私と雀炎だけは別の意味で頭を抱えていた。