進級試験
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予定より更新がかなり遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
都合によりあと1頁で本日の更新は終了しますが、また明日も更新いたします。
よろしくお願いいたします。
その後、玉房と鵜羽と最初にこの世界に訪れた神社で落ち合ったのだが、私を見た途端、明らかに玉房の機嫌が悪くなった。
「……どうしたんだ、あいつ」
こそっと鵜羽に聞いてみるも、鵜羽は言いにくそうに言った。
「あぁ……何だ、翆って鈍感って言われないか?」
「鈍感?言われたことないと思うが?」
涼音に言われたことがないからないと思うが。
まぁ、敏感な方でもないけれど。
「玉房も複雑な心境なんだよ、色々と」
「分からないが、分かった」
今はそっとしといてやってくれ、と疲れたように鵜羽に言われ、歩き出した玉房の後を追い掛けて元の世界に戻り、先生へ報告に行けば、早い対応で良い成績を残したと褒められその日は家に帰った。
その間もずっと玉房の機嫌が悪かったが、解散したときには人間界にいた時より落ち着いていたよう
に感じた。
家に帰った途端に疲れがどっときて、昨日眠れなかったせいかその日はよく眠れたような気がする。
その日は幸せな夢を見た気がするけれど、内容は忘れてしまった。
それからは様々な任務を3人で受けたが、この間のような実際の人間と接するような任務はなく力のコントロールを行いながら3人で力を合わせて道の整備だとか崩れた建物の修復だとかそういった任務を重ね、単位を取得していった。
今思えば一番初めの任務が一番難しかったように思える。
因みに私はどの任務も力を使えず、玉房の力増幅器と化していた。
それで玉房は満足げだったし、鵜羽もそれに関して何も言ってこなかった。
報告を上げたときも先生から何も言われず、私も単位が貰えているので、これで良いものなのかと思ってはいたが進級試験が始まろうとしている今、心配になってきた。
この進級試験、なかなか受かることができず進級できるのはごく僅かだとか。
進級できずにそのまま、ただ力を持ちこの土地にただ暮らす人物となるのか、頑張って進級し皆の呼ぶ『神様』へと近づき、任務を重ね卒業を認められたとき、『神様』の称号をいただくことができるとか。
その進級試験を受けるのに必要な単位数を取ったときに先生から試験申込書を提出するようにと言われ、提出しに職員室に向かったときにたまたま犬縁と再会した。
「何か久しぶりに会ったが、すっきりした顔するようになったな。何か良いことでもあったか?」
その際にそんなことを言われた、その時には何を言われたのか分からなかったが、きっと。
きっと、涼音のことや颯太のことがこの任務の間で整理できてきたからだと思っている。
玉房にそれを言うとまた機嫌が悪くなるので言わないが、鵜羽に言ったら良かったな、と肩を叩かれた。
そして、ついに進級試験が開始される。
まずは筆記試験、その後は実務試験が待っている。
この実務試験、毎年行われるものが異なるそうで今年もどんな試験になるのか先生方しか分かっていないのだとか。
その実務試験を受けるには筆記試験を通らなければ、それ以前の問題として落とされてしまう。
「では、進級試験筆記試験の部を開始します。始めてください」




