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颯太の悩み

颯太が戻ってきたのはあれから2時間後だった。

扉を開いてからの第一声が。



「……まだ居たの」



である。

まさか居なくなっていると思っていたのだろうか。



「いるさ、まだ君の困りごとを聞いていないからね」



分かっているくせにそう言う玉房に鵜羽はもう何も言うまいと腕を組み、目を閉じている。



「そうだったね。なら伝えようか」



そう言って部屋の中に戻ってきた颯太は、大きく息を吐いた。



「女性にモテ過ぎて困ってる」



「………」



「……羨ましい悩みだな」



何だその悩みは。

もっと違う悩みあるだろう、颯太。

私のことや涼音のこととかあるでしょ、そんなことよりそっちが重要なのか?!

鵜羽もしみじみとそんなこと言わなくても、鵜羽だって十分モテるって絶対。



「良いじゃないか、モテるなんて。それだけ君に魅力があるってことさ」



思ってもいないことをサラッと言う玉房に言われている方の颯太の目は死んでいる。

内心言わなければ良かったって思ってる顔だぞ。



「こっちは本気で悩んでるんだが」



「と言ってもなぁ…。そればっかりはどうしようもないし…君、彼女はいないのかい?」



「いないし、作るつもりもない」



「勿体ないね。顔も良いし、スタイルも良い、お金も持ってそうだし…君なら良い人を見つけられそうなのに」



顔やスタイルを褒めるって自分のことも褒めたたえている自覚はあるのだろうか。



「たとえそうだったとしても、俺が望んだ女性は亡くなってしまったしその人の大切な友達でさえ俺のせいで亡くしてしまった」

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