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気持ちの整理

「それはできない」



私たちはここに任務で来ているのだ。

私情で長いすることはできない。

それに長く傍に居た所で颯太の為にもならないに決まっている。



「残念」



そう言ったかと思えば、上体を起こし壁側の方へと向かい布団の中に体を滑り込ました。

やっぱり隣で寝るつもりだったのか。



「困ってることは起きたら伝えるよ。あまり干渉し合うのもお互いのためにならないだろうしね」



颯太はそう言うと壁側を向き、眠り始めたようだ。

干渉し合う、か。

確かに私のためにも颯太のためにも長居は良くなさそうである。



結局一晩眠ることができず、朝を迎えた。

颯太は起きたかと思えば、着替えをしてどこかに出かけてしまった。

またお墓参りだろうか。

スーツは壁にかかったままだし、鞄も床に置いてあるということは今日は仕事はないだろう。

カレンダーは私が亡くなってから20年後が書かれており、時計には4月の15日土曜日AM9時と表示されていた。



「さてと、今日の日没までに終わらせて帰ろうか」



玉房の起き上がってからの一声がこれだ。

そう簡単に終わるのだろうか。



「というわけで、翆。すっごく嫌だけど早く帰りたいから頼んだよ」



「は?」



「どうせあいつの困りごとはこの世にはいない人物をどう自分の中で処理すれば良いか分からないって所でしょ」



行動パターン見れば分かるね、と不機嫌そうに呟く玉房に鵜羽は立ち上がり、サイドテーブルにあった写真立てを覗き込んだ。



「分かる気がするな、その気持ち」



そこには過去に私と涼音、颯太で撮った写真が入っていた。

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