男の過去を
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夜の更新前に更新が出来そうだったので1頁更新いたします。
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「龍流」
そこへ龍流そっくりな男性が年配の男性と共にやってきた。
恐らく龍流を今のまま成長させたらこの男性の様になるんだろうな、という風貌だ。
きっと彼の父親に違いない。
「外鬼の気配が薄まったな」
「外鬼?もしかしてあの男の名前か?」
「あぁ。好奇心旺盛で問題行動が多い奴ではあったが、まさかこんなことをするとは思わなかった」
龍流の父親は腕を組み、上に視線を向けた。
「おそらく龍流があの学園で学びだし、更に力をつけること恐れ今を狙ったんだろうな。昔から龍流のことを意識していた男だったからな。宝具に関しては男が持ってて意味がないと途中で気が付いたのだろう。あれは女性が身に着けてこそ力を発揮するものだからな。それで彼女の髪に宿ったものに縋った所、思いのほか効果が大きかった、とかそんな所だろう。全く…一族の恥だな」
呆れた物言いが龍流そっくりで親子だなぁ、と思っていると年配の男性が額を抑えた。
「ホントですよ。まぁ、彼を捕まえて事情を吐かせたら一族の名前を剝奪し、封印すると決まったじゃないですか。早く捕まえましょう」
「そうだな。だが、それは龍流たちにお願いをしてこちらはその怪我人を安全な場所へ移すことを優先させようか。龍流、それで良いね?」
「あぁ、そっちは任せた」
その後、年配の男性と龍流の父親が鵜羽と影蛇を抱きかかえ、その後を蘭が追い掛けた。
戦いに私は邪魔になるだろうと思って向かおうと思ったが、涼音のことが気になりそちらに向かうのはやめた。
大人しく皆の帰りを待っているなんてできないし、涼音に早く会って無事を確認したい。
「さて、じゃあ、外鬼だっけ。探りに行こうかね」
玉房はそう言うと私の左腕をがっしりと掴み、ズカズカと倒れた建物に向かって歩き始めた。
その後を残されたメンバーはついて来ている。
もしかしたら蘭のもとで待ってろと言われるのではないかと思ったのだが、思いのほか玉房は何も言わずに腕を引いたことに驚いた。
まさか私の心の中を察したのか?
いや、まさかそんなことするわけないか。
一番考えられるのは玉房がいない所で、私が狙われ力を手に入れられたら厄介だと思い離れているよりは近くに置いた方が気が楽だとかそういうことに違いない。
気配を追い、辿り着いたのは先ほどまでいた建物が崩れた場所なのだが私からは何も感じられない。
だが、玉房も犬縁も龍流も皆何もない空間を睨んでいるのでそこに何かあるに違いない。
因みに私と雀炎は何も感じられないため、彼らの様子を眺めるしかない。
「ん……どうしたものかね。行きたくないけど、飛ぶしかないかな」
「仕方ねぇだろ。2人ともそっちにいるんだから」
「はぁ、行きたくないけど招かれてるから行きますか」
龍流に諭され、玉房は先ほど抜けてきたばかりの空間へとここにいる(『マンバー』←メンバーですよね?ちょっと楽しい感じになってて面白いですけど。)全員を飛ばした。




